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『世界共和国へ』 (その17)

2016年11月13日 | O60→70(オーバー70歳)
【111ページ】絶対主義の条件
西ヨーロッパにおいて集権的な国家がはじまるのは、絶対主義王権国家によってです。それは、王が、これまで王と並び立っていた多数の封建諸侯を制圧し、また教会の支配権を奪うことによって成立します。このことが可能だったのは、つぎの理由からです。一つには破壊力をもった火器の発明です。火器は旧来の戦力を無効にし、貴族=戦士の身分を無意味にしてしまった。このことは、国家が暴力の独占に存するという意味で、重要です。
もう一つは、商品経済の浸透です。王は都市の商工業者と結託しつつ、封建諸侯の地租や諸特権を廃止し、地租を独占し、さらに、関税や所得税を得るために、貿易を推進した。権力を奪われた封建諸侯は,国家が得る租税から配分される宮廷貴族となりました。ゆえに、絶対主義王権が、商品交換の原理を全面的に受け入れ、それに立脚していることは明らかです。

【112ページ】集権的国家の成立
絶対主義国家は、資本制経済の成立に向かう過程としてではなく、集権的な国家の形成に向かう過程として見るべきなのです。そこで注目すべきなのは、絶対主義国家において膨大な官僚組織と常備軍が形成されたということです。これは市民革命以後にもなくならないどころか、いっそう拡大します。このような官僚組織と常備軍は、つとにアジア的な官僚的専制国家において実現されていたものです。実際、フランスの絶対王政は中国の官僚制システムを取り入れています。むろん、中国の国家が賦役貢納制にもとついていたのに対して、絶対主義国家は商品交換の原理に従うものです。しかし、あとでのべるように、そこには、差異以上に、類似性があるのです。

(ken) 本書を読みながら、豊臣秀吉の太閤検地・刀狩、明治維新後の廃藩置県・西南戦争などを考えてみると、より理解が深まりました。そして、国家による暴力と地租の独占(常備軍と官僚組織)や「国家というものは何よりも、他の国家に対して存在」していることが腑に落ちました。(つづく)
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那須塩原在住の先輩のお孫さん!

2016年11月13日 | O60→70(オーバー70歳)
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