保健福祉の現場から

感じるままに

治療薬入手困難

2021年09月04日 | Weblog
R3.9.4朝日新聞「コロナの治療薬、感染拡大で入手困難に 「不育症」の妊婦にも影響か」(https://www.asahi.com/articles/ASP9453YNP94PLBJ002.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスの感染拡大で、治療に欠かせない薬も不足が深刻だ。自宅療養患者ののみ薬は入手が難しくなり、厚生労働省が通知を出す事態になっている。「新型コロナ患者の増加に伴い、治療薬デキサメタゾンの需要が急増している」――。厚労省は8月27日、ステロイド薬デキサメタゾンの安定供給のために、全国の病院や薬局、卸業者に買い込みを控えるよう求める通知を出した。デキサメタゾンは新型コロナで肺炎が悪化して「中等症Ⅱ」となり、自宅療養を続ける人が錠剤を服用する。服用が早すぎるとかえって症状が悪化する恐れもあるが、過剰な免疫による臓器へのダメージを抑えるとして承認されている薬だ。コロナ治療に詳しいりんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)の倭(やまと)正也・感染症センター長は「適正に使えば、自宅療養で頼りになる唯一の薬。入手できない事態は困る」と話す。自宅療養者への医療支援を東京都や大阪府などから委託されているファストドクター社(東京)によると、8月中旬ごろから関東、関西ともにデキサメタゾンの入手に数日かかるようになってきている。国内で唯一デキサメタゾンの錠剤を製造する日医工(富山市)によると、同月中旬、2日ほどの間に月間出荷量に相当する注文が集中。その後も多数の注文が続き、「今はすべてにこたえられていない状況」(担当者)という。同月31日には厚労省の新しいコロナ診療指針が発表され、デキサメタゾンについて、自宅療養者の急変に備えて症状が重くないうちから事前処方できることも明記された。さらに需要が増える可能性がある。コロナで重篤化をもたらす血栓(血のかたまり)を防ぐ薬「ヘパリン」も不足している。持田製薬(東京)は同月24日、同社が販売する「ヘパリンカルシウム」の出荷を調整すると発表した。1回使い切りで使いやすく、コロナの治療現場での使用が急増しているという。沢井製薬(大阪市)でも感染拡大が一因となり、同じ薬を出荷調整している。>

R3.8.27「デキサメタゾン製剤の安定供給について(周知依頼)」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2021/210831_4.pdf)が発出されている。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p35「図4-1 重症度別マネジメント」では中等症Ⅱでステロイド投与である。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料3-2(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826599.pdf)p36「死亡者数リアルタイム予測」では「8月31日~9月6日における日別の死亡者報告数の最大は全国80人、東京都19人、平均は全国65人、東京都15人であると推定」とあり、R3.8.25資料3-2(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823689.pdf)p35「死亡者数リアルタイム予測」では「8月24日~30日における日別の死亡者報告数の最大は全国45人、東京都10人、平均は全国41人、東京都7人であると推定」から、かなり増えている。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料2-2「最近の感染状況等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826593.pdf)p4「新規死亡者数の推移」をみると、第4波での新規死亡者数は5月中旬がピークでスパイクがみられている。最近のR3.8.31NHK「自宅療養 60代男性死亡 10日以上電話応答なく 発見は死後2日か」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013235971000.html)、R3.8.30NHK「新型コロナで自宅療養中の女性死亡 死後3日か 千葉 柏」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210830/k10013232981000.html)、R3.8.29FNN「基礎疾患なく…自宅療養中の40代女性死亡 夜に症状悪化そのまま亡くなる 東海3県新規感染者1996人」(https://www.fnn.jp/articles/-/231308)、R3.8.31朝日新聞「保健所が連絡見落とす 静岡で自宅療養者1人死亡」(https://www.asahi.com/articles/ASP806G4DP80UTPB00X.html)等の一連の報道をみると、死亡には自宅療養が影響していないとも限らないように感じる。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)では自宅療養のリスク評価はされているであろうか。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p35「図4-1 重症度別マネジメント」は的確に行われているであろうか。R3.8.26「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(質疑応答集の修正・追加)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000823678.pdf)p10~11「医療機関による外来での投与、宿泊療養施設・入院待機施設(臨時の医療施設等)での投与 保健所の介入によらず当該施設で必要な対応を完結できるよう、事前に役割分担及び責任の所在を明確化すること」はポイントで、p3 「重症化リスク因子」を有する方(50歳以上、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常、妊娠後期、COPD、喫煙等)への投与の機会を逸してはならない。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p44「自宅療養者に対して行う診療プロトコール」では、「SpO2低下(≦93%)があれば酸素療法とステロイド投与を行う」とあるが、中等症Ⅱを在宅医療に依存するのを標準にしてはいけないであろう。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p35「重症度は発症からの日数,重症化リスク因子,合併症などを考慮して,繰り返し評価を行うことが重要である.」「診察時は軽症と判断されても,発症2 週目までに急速に病状が進行することがある.」「病状が進行しているにもかかわらず,呼吸苦低感受性の症例(silent hypoxiaがあること に留意する.」、p34「肺炎の有無を把握するために,院内感染対策を行い,可能な範囲で胸部CTを撮影することが 望ましい.」は理解したい。
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12~15歳へのワクチン接種

2021年09月04日 | Weblog
R3.9.4AFP「英諮問機関、健康な12~15歳へのワクチン接種推奨せず」(https://www.afpbb.com/articles/-/3364779)が目にとまった。R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000825864.pdf)p20「日本の20歳未満のCOVID-19 患者180,650例での死亡例の報告はなく,入院患者12,201例では,重症1例の報告があった(2021年8月25日現在)」とある。日本小児科学会(http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=94)のR3.5.12「小児における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状と感染対策についての見解」(http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=369)(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20210520_corona_genjo_taisaku.pdf)の更新が必要かもしれない。R3.6.16日本小児科学会「12歳以上の小児への新型コロナウイルスワクチン接種についての提言」(https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/Recommendation.21-06-16.pdf)、R3.6.22「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を生徒に対して集団で実施することについての考え方及び留意点等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000795957.pdf)が既に出ているが、副反応検討部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_284075.html)で、12~15歳の副反応の評価はされているであろうか。
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