保健福祉の現場から

感じるままに

自宅療養死亡

2021年09月22日 | Weblog
R3.9.24朝日新聞「「首都圏は議論しているうちに死者増加」 コロナ自宅死、なぜ地域差」(https://www.asahi.com/articles/ASP9S664DP9SULEI002.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスに感染し、自宅などで十分な医療の管理下にないまま死亡した人が、これまでに少なくとも200人を超えていることが、全国の自治体への取材でわかった。そのうちの半数近くを東京都が占めていた。都では、7月下旬から本格化した第5波で感染者が1日2千人台を超えて急拡大。病床が不足し、中等症以上でも入院できない例が相次いだ。7月1日に約1千人だった自宅療養者は月末には10倍の1万人となり、ピーク時の8月21日には2万6千人に達した。陽性がわかってから保健所が感染者に最初の連絡を入れるまで数日~1週間かかることもあったという。都の担当者は「多くの人は軽症と判断されたが、体調が急変して亡くなった方が多かった」と話す。都は一部の自宅療養者の健康観察を外部の「自宅療養者フォローアップセンター」に委託しているが、感染者の急増を受けて業務が滞り、7月末に対象を「65歳未満」から「30歳未満」に絞った。現在は65歳未満に戻している。>

R3.9.26NHK「熊本市 自宅療養中の50代男性死亡 県内で2例目」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20210926/5000013543.html)。<以下引用>
<熊本市は新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた市内の50代の男性が死亡したと発表しました。県内で自宅療養者の死亡が確認されたのは、これで2例目です。熊本市によりますと、この50代の男性は今月20日に新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。男性には基礎疾患がありましたが、無症状だったため自宅で療養していたということです。保健所が1日2回、電話による健康観察を続け、25日午前9時の健康観察でも異常はなく、同居家族からの声かけにも応答していたということです。しかし、午前11時すぎに家族が確認したところ、反応がなく呼吸も止まっていたため、病院に搬送されましたが、死亡が確認されたということです。市は一連の対応に問題はなかったとしています。県内で自宅療養者の死亡が確認されたのはこれで2例目です。>

R3.9.21東京新聞「療養解除の予定日に…基礎疾患のない50代女性が自宅で死亡 埼玉県<新型コロナ>」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/132310)。<以下引用>
<埼玉県は21日、新型コロナウイルスに感染した基礎疾患のない50代女性が死亡したと発表した。県によると、女性は自宅で健康観察を受けていた。7日夜に倒れているのを同居家族が見つけて119番し、その場で死亡が確認された。ワクチンは未接種だったという。保健所が6日に電話で健康状態を聞き取った際、女性は倦怠感は訴えていたものの、発熱やせき症状はなかった。保健所は、そのまま問題がなければ7日にも療養を解除すると本人に伝えていたという。>

R3.8.31「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第5.3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000829136.pdf)p35「重症度は発症からの日数,重症化リスク因子,合併症などを考慮して,繰り返し評価を行うことが重要である.」「診察時は軽症と判断されても,発症2 週目までに急速に病状が進行することがある.」「病状が進行しているにもかかわらず呼吸苦低感受性の症例(silent hypoxia)があること に留意する.」、p34「肺炎の有無を把握するために,院内感染対策を行い,可能な範囲で胸部CTを撮影することが 望ましい.」、p44「自宅療養者に対して行う診療プロトコール」の「可能であればパルスオキシメーターを貸与1日3回程度、酸素飽和度を測定してもらう」「発症日から7日前後で悪化することが多いため綿密なフォローが必要」を改めて理解徹底したい。R3.9.17「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(疑義応答集の追加・修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000834046.pdf)p10「発症後早期に投与することが望ましいことから、投与対象となりうる患者が受診等する可能性のある診療・検査医療機関において患者に対し本剤を投与する医療機関を紹介できるよう都道府県から適合する医療機関のリストを提供し、患者の流れを整理の上、適用のある患者に迅速に投与できるようにすること」の対応も問われるであろう。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.16「参考資料1 中和抗体薬「ロナプリーブ」(カシリビマブ/イムデビマブ)について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000833574.pdf)の「対象患者 重症化リスク因子を有する軽症から中等症Ⅰの患者(酸素投与を要する患者を除く)」について、R3.9.17「新型コロナウイルス感染症における中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」の医療機関への配分について(疑義応答集の追加・修正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000834046.pdf)p3「重症化リスク因子 50歳以上、慢性腎障害、COPD、慢性肝疾患、悪性腫瘍、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、妊娠後期など」に対する治療の機会を逸してはならない。R3.9.21AERA「同居する高齢親が感染「息苦しさ」に要注意 押さえておきたい「急変」サイン」(https://dot.asahi.com/aera/2021091600073.html)の「「酸素飽和度の見方には注意が必要です。医療関係者でも、見方を間違える場合があります」(あけぼの診療所の下山祐人院長) 酸素飽和度は、息苦しくて大きく息を吸い込んだ時や呼吸や心拍が安静に戻っていない時に、数値が一時的に上昇する。100近くまで上昇することもあり、「問題ない」と判断されがちだ。しかし、酸素飽和度が今後下がるサインの可能性がある。翌日には酸素吸入やステロイドの治療が必要になっているケースもある。「酸素飽和度のチェックは、知識がないと難しい面もある。それよりも、息苦しくてトイレに行けなくなった、階段を上れなくなったなど、これまでと違う息苦しさが出てきたら、『急変』ととらえ、保健所や訪問診療をしてくれる医療機関へ至急連絡すべきです」」(https://dot.asahi.com/aera/2021091600073.html?page=1)は参考になるが、silent hypoxiaケースには少々厳しいかもしれない。ところで、R3.922AERA「姜尚中「民への愛が欠落した菅政権 自宅療養問題を解消しないまま行動制限の緩和へ」」(https://dot.asahi.com/aera/2021092100043.html?page=1)の報道は「不適切な自宅療養」ばかりが目に入っているのかもしれない。①陽性者に対するファーストコンタクトを早く行い、重症化リスクを評価する、②画像診断による肺炎の有無を評価する、③抗体カクテル療法の適応者には積極的に行う(短期入院、外来含む)、④自宅療養ではパルスオキシメーターによる健康観察を徹底する、⑤自宅療養での対症療法を適切に行う、⑥悪化(疑い)時の対応を決めておく(救急対応含む)、⑦連絡がつかない場合の対応を決めておく(警察の協力含む)、⑧配食等の生活支援を適切に行う、などの対応をとっているところでは、自宅療養者が多くてもほとんど問題にならなかったかもしれない。
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