保健福祉の現場から

感じるままに

経口治療薬

2021年09月17日 | Weblog
R3.9.16Yahoo「コロナ飲み薬、進む開発 早ければ年内の処方も 東北医科薬科大・久下教授に聞いた」(https://news.yahoo.co.jp/articles/7507464cbf10cf73ab26d27c80852ad145f2f765)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染初期に、口から投与できる治療薬の開発が国内外で進む。早ければ年末から来年初めにも、国内の医療機関で処方される可能性がある。コロナの治療薬を研究する久下周佐(くげ・しゅうすけ)東北医科薬科大教授に経口薬の特徴や課題を聞いた。■症状ないまま完治も可能  開発が先行する主な製薬会社は、塩野義製薬(大阪市)とファイザー、メルク(ともに米国)、ロシュ(スイス)の4社。いずれも医師の診断で処方される経口治療薬で、軽症患者が対象だ。陽性と分かった時点で服用することで、症状のないまま完治できる可能性もある。臨床試験(治験)は3段階(相)を踏む。塩野義製薬は第1~2段階の「第1/2相」、ファイザーは第2~3段階の「第2/3相」。メルクとロシュは「第3相」と一歩先行する。塩野義製薬の抗ウイルス薬「S―217622(名称未定)」は、ウイルスが細胞内で増殖するために必要な酵素の働きを妨げる。今冬までに第2相の治験を終え、厚労省の条件付き早期承認制度を利用して年内の申請を目指すという。ファイザーの「PF―07321332(名称未定)」も塩野義製薬と同様の仕組み。3月から治験を始め、第2/3相は早ければ10月にも終了する。  細胞内でウイルスの遺伝子が複製する働きを阻み、ウイルスの増殖を抑える「モルヌピラビル」を開発するのはメルク。最終段階の治験中で、年内にも米国などでの承認申請を見込む。  ロシュは、傘下の米アテアがC型肝炎ウイルス治療薬として研究していた「AT―527(名称未定)」の転用を目指す。提携する中外製薬(東京)によると、22年に国内で申請、承認後は中外製薬が販売を担う予定だ。  他の経口薬としては、エイズウイルス(HIV)の治療薬「ネルフィナビル」の効果を長崎大などが調べている。一部で話題となった駆虫薬「イベルメクチン」の製造元は、有効性の科学的根拠が存在しないと発表した。 ■ワクチン接種は欠かせず  最大の課題である安全性について久下教授は、開発中の薬剤と類似した仕組みの抗ウイルス薬が、HIVやC型肝炎治療薬として実績があることから「問題はないだろう。治験でも重篤な副反応の報告はない」と説明する。ただし「多くの人が使い始めると、薬剤耐性ウイルスが出現する恐れもある」と注意を促す。新薬の開発期間は通常、基礎研究から10年以上かかるケースが多い。新型コロナでは2年程度と大幅に短縮されそうだ。コロナウイルスの一つで2003年に見つかった重症急性呼吸器症候群(SARS)の研究が転用されたこと、患者数が多く治験の効率が良いこと―が奏功したと久下教授は分析する。ワクチン導入までの経緯を踏まえて久下教授は、米国などで特例承認された1カ月後をめどに日本でも特例承認されると予想する。「最初は輸入頼りで供給量は多くないだろうが、ワクチンと比べれば早期に安定供給が可能だ。順調に進めば、年末から来年初めごろに国内でも処方が始まるのではないか」と期待する。薬剤によって異なるが、服用期間は5日程度になる見込み。薬剤耐性ウイルスを出現させないためにも、所定の用法用量を守るよう久下教授は注意を促す。さらに、今後もワクチン接種が欠かせないとの見方を示した。  「まだまだ変異株には懸念がある。変異株に対応した追加のワクチン接種と、感染初期に処方する経口薬、どちらも重要だ」>

R3.9.3厚労省「軽症患者等を対象とした新型コロナウイルス感染症治療薬の治験について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000827879.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000827880.pdf)で軽症者に対する外来での治験が案内されているが、どれほど進んでいるであろうか。R3.9.15毎日新聞「尾身氏「コロナとの闘い、2~3年かかる」 制限緩和に慎重姿勢」(https://mainichi.jp/articles/20210915/k00/00m/040/074000c)について、①R3.7.6毎日新聞「コロナ新薬、国内治験 海外2社の経口薬で開始」(https://mainichi.jp/articles/20210706/ddm/012/040/081000c)の「モルヌピラビル」(https://www.asahi.com/articles/ASP6B2VNLP6BULFA006.html)、「AT―527」(https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70674)、②R3.8.19日刊ゲンダイ「塩野義製薬が年内の“早期承認”目指す「飲むタイプのコロナ治療薬」は米ファイザーに先行するか」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/293514)の「3CLプロテアーゼ阻害薬 S-217622」(https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2021/07/210726.html)、③R3.4.28Fobes「自宅で服用可能な「コロナ治療薬」、ファイザーが年内にも発売へ」(https://forbesjapan.com/articles/detail/41120/1/1/1)「プロテアーゼ阻害薬 PF-07321332」は、専門家からみて当面期待できないのであろうか。
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ブレイクスルークラスター

2021年09月17日 | Weblog
R3.9.17朝日新聞「ワクチン3回目接種、厚労省が容認 早ければ医療従事者で12月にも」(https://www.asahi.com/articles/ASP9K44RPP9KULBJ00D.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<厚生労働省は17日、「ブースター接種」と呼ばれる新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を認めることを決めた。2回目までと同じワクチンを使うことが基本で、2回目から8カ月以上あける方向。対象者は今後検討する。2月に先行接種が始まった医療従事者には、早ければ12月中にも接種が始まる見通しだ。他国の状況、今後出現しうる変異株への懸念などを考慮し、専門家の分科会で了承された。この日は、血中に含まれる抗体量(抗体価)が半年でピーク時の4分の1に低下する場合があるとの研究結果が報告された。ブースター接種すれば抗体価が増えるほか、先行するイスラエルでは高齢者に接種後、12日目以降から、2回接種者に比べて感染・重症化予防効果が10倍以上にのぼったとの研究結果も示された。副反応は、ファイザー製とアストラゼネカ製では2回目までと頻度が同程度か低く、モデルナ製は「容認できる」レベルとされた。ブースター接種が進む国の状況も報告された。イスラエルは8月、60歳以上の高齢者から3回目接種を開始。いまは12歳以上に拡大している。フランスやドイツも高齢者ら高リスクの人に3回目接種を始め、近く開始予定の米国は2回目接種からの間隔を8カ月後としている。こうした例を参考に、日本でも2回目接種からおおむね8カ月以上あけることをめやすとした。科学的知見が集まれば再検討するという。出席した専門家からは、2回接種済みの医療従事者の感染が相次いでおり、医療従事者へのブースター接種を急ぐべきだという意見や、接種を担う自治体の準備があり、実施時期は柔軟に対応できるようにしてほしいなどの声が出た。一方、2回接種後に時間が経つと、抗体価は減っても、重症化を予防する効果は残るとの見方もある。世界保健機関(WHO)は、1回目の接種も終わっていない低所得国での接種を優先させ、高所得国には年内のブースター接種を見合わせ余剰ワクチンの供出を要請。これに留意し、実施は年明けにすべきだという意見も出た。1回目の接種で重い副反応が出た場合、2回目には別の種類を打つことを認めることも決めた。>

仙台医療センター「当院での新型コロナウイルス感染症発生状況について」(https://nsmc.hosp.go.jp/Coronavirus/info.html)が目に止まった。「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」(https://covid19.mhlw.go.jp/)の基本統計に掲載される「集団感染等発生状況」で、医療機関や高齢者福祉施設が以前に比べてかなり減っており、ワクチン効果といえるかもしれないが、ブレイクスルー感染はあり得る。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.1資料2-6「年齢区分別の新型コロナウイルス感染陽性者数と死亡者数」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826597.pdf)p5「コロナ感染陽性者のワクチン接種回数と致死率(2021年7月)」で2回目接種者致死率は65歳以上1.22%(12/983)、65歳未満0.08%(1/1246)とあり、ワクチン接種完了でも亡くなる方が出ている。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.9.16資料2-4(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000833594.pdf)p21「米国」、p22「イスラエル」では新規陽性者数、新規死亡者数が反転している。R3.9.14NHK「シンガポール 80%ワクチン接種終えるも 新たな感染者増加傾向」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210914/k10013259351000.html)も出ているが、ワクチン接種が進んでも簡単に収束するわけではないであろう。ところで、R3.9.15朝日新聞「早期診断、治療が第一 山口大病院・鶴田教授に聞く」(https://www.asahi.com/articles/ASP9G7RPSP9GTZNB006.html?iref=com_apitop)が出ている。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)の参考資料1「中和抗体薬「ロナプリーブ」(カシリビマブ/イムデビマブ)について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000833574.pdf)の「対象患者 重症化リスク因子を有する軽症から中等症Ⅰの患者(酸素投与を要する患者を除く。)」は理解したい。ワクチン接種と早期診断・治療で、致死率が下がってくれば、業務制限の緩和を積極的に考えても良いように感じる。R2.12.17「駒込病院 新型コロナウイルス感染者発生(1183報)」(https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/12/17/19.html)の「濃厚接触者に該当すると考えられる職員を自宅待機としていること、陽性者以外の患者や職員に症状を訴えるものは現在出ていないこと、当院では、手指衛生やマスクの着用など標準的な院内感染対策を適切に行っていることから、当院の感染症専門医等の意見を勘案し、外来・入院とも通常診療をこれまでどおり継続する。」は病院にとって参考になる。また、R3.8.18「 医療従事者である濃厚接触者に対する外出自粛要請への対応について(改訂部分は下線部分)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000819920.pdf)p1「新型コロナウイルスワクチンを2回接種済みで、2回目の接種後14日間経過した後に、新型コロナウイルス感染症患者と濃厚接触があり、濃厚接触者と認定された者」は、2週間の連日検査で行動制限が解除される。
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