民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Vol. 354 ♪おじいさんの古時計

2008-01-16 20:38:34 | Weblog
美味しい豆腐が手回ったのは暮れの事であった。冷蔵庫より涼しい裏に置いたガラスの冷蔵庫はまだ賞味期限を延ばしてくれていた。確実にOKであった。

夏の冷奴・・コレはGOOD。チンチンに冷やしてゆっくりいただく・・土生姜に刻みネギ。冬の湯豆腐・・コレが又タマラン。昆布を敷いた土鍋に美味しいきぬこしを2丁ばかり・・グラグラする前に火をゆるめる。豆腐が終わると用意のわかめを温め同じポン酢で・・。

さて今夜の肴は・・「ぬく奴」・・だ。拙者のブログには時々辞書にない熟語が登場する。
湯豆腐と言う手間を掛けるほどにもなく、さりとて冷奴も寒いし。出来れば美味しく食べたいし・・
同じように土鍋に昆布を敷き水から豆腐を温める。湧き上がったらその湯で深皿を温め、またこぼして一丁ごと皿に移す。ぬく豆腐に用意のきざみネギ・・ポン酢を掛ける。余り「ごゆるりと」・・はお勧めできないが乙な酒の肴である。湯豆腐とは趣の違った肴になった。

昨夜のいわし同様、待っていて出て来ないのが「牡蠣めし」である。拙者いたって好きなのだが炊き込みご飯全般をサイが余り好きではないようなのレス。
今日の魂胆あって昨日買うように言い付けた「牡蠣」・・おろし大根で洗う。出汁は先日来ご披露に及んだ通りである。ご飯の仕掛けは皆さんと変わる事はない。・・が、最後にクルリと一回掛けまわした自作のラー油が後に大きな効果を現す。・・のだ。おもむろに炊飯器のスウィッチオン!。

得意でない筈の炊き込みご飯を見事にお変わりをなされた・・。「嫌い」にはいくつかの問題点があるのだ。それをクリアーすれば「好き」に変わる。・・人間関係も余り変わらない・・ように思う。クリアー出来るかが最大の難点ではある。

「♪おじいさんの古時計」・・実は拙者のおじいさんから頂いた物ではオマヘン。
長姉の嫁ぎ先の家にあったものだ。長姉の婿殿・・義兄・・は、それはそれは人物であった。「にいさん」・・と何かににつけて甘えた。次姉の婿殿・・同じく義兄・・も頼り甲斐のある人であったが、どちらのも迷惑をかけた覚えは取り敢えずない。たまの帰郷時に立ち寄る程度である。

長姉の婚家に有った時から「100年は経っている」と言われていた。我が家に来てからでも20年は経つ。「兄さん、済まないけどコレ貰えんかな?」と恐る恐る言った。拙者の小商いと趣味は良く知っている義兄であった。
「ホー!そーら良かったバイ!もうチョットでうしつる(打ち捨てる)とこだったバイ」・・「ナンチュウことを!!」声にならない思いが喉につかえた。

「ンならよかね?」・・感情を深く正確に伝えるには自分の言葉で伝えるのが最良だ。「よーかよか」・・拙者にとっても肥後弁が自分の言葉だと確信した。田舎にはいつも車で行くので何の問題もなく持って帰る。今日現在もネジを巻けば正確に時を打つが巻いてない。剥落した漆や金箔のあとを美しと見る。
厚紙の文字盤が湿気を帯びては波うち、乾燥してはピンと張り詰める。世間にも気温にも反応して・・「まだ生きている」・・古時計・・だ。


コメント
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