撮れたて箕面ブログ

箕面市公式ブログ!北大阪から全国へ発信中!箕面広報室職員などが取材した市内の出来事、イベント情報などを紹介

民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

日本財団に出向している川上と申します。
私は2022年4月から2年間、日本財団にお世話になっており、この3月末で箕面市に帰任いたします。

 

 

皆さんは日本財団というとどのようなことを思い浮かべますか?
福祉車両を街中で見たことがあるという方がいらっしゃるかもしれません。


日本財団は社会課題の解決をテーマに海洋・船舶をはじめとする問題の解決、福祉や教育の向上、大規模災害の影響を受けた地域への復興支援や災害対策支援、人道支援や人材育成を通じた国際貢献など、活動分野は多岐にわたります。


つまり、日本財団は様々なところと連携し、日本最大の社会貢献財団として官民を超えてあらゆる立場の人々と連携し、世の中にいいことをいろいろやっている団体です。
詳細については日本財団の活動内容紹介ページをご覧ください。


新人研修の際に、「これも日本財団がやっているんだ!」と改めて知る内容もありました。
多くの興味深い事業がありますので、皆さんもぜひご覧になって日本財団に興味を持っていただけたらと思います。

たくさんの事業がある中で私が主に担当したのは、
THE TOKYO TOILET事業とウクライナ避難民支援事業です。

THE TOKYO TOILET事業に関しては、私の前に出向されていた平井さんもブログに載せていらっしゃいました。歴代箕面市から出向されていた方が担当されていて、私で三代目です。

 

突然ですが、皆さんは公共トイレといわれてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
公共トイレといわれて思い浮かべるのは4K「暗い、汚い、臭い、怖い」というあまりよくないイメージではないでしょうか。そのようなマイナスのイメージに加えて、公共トイレは広さや設備の点でも十分でなく、車いすユーザーや異性介助者のユーザーが使いづらい状態にあります。そういった状態で、本当に「公共のもの」といえるのか、そのような思いからこのプロジェクトはスタートしています。
渋谷区の協力を得て、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置し、それぞれのトイレのデザインには、世界で活躍する建築家やデザイナーなど16人のクリエイターに参画いただくことで、世の中への発信力と共に、デザイン・クリエイティブの力による問題解決を目指し、新しい社会のあり方を提案しています。
THE TOKYO TOILET公式サイト

私は13カ所目に完成した「広尾東公園トイレ」から担当させていただき、裏参道公衆トイレ、幡ヶ谷公衆トイレ、笹塚緑道公衆トイレ、そして最後に完成した西参道公衆トイレの5ヵ所の竣工式に立ち会わせていただきました。
どのトイレもとても個性的ですが、各クリエイターが利用者のことを考えてデザインをしてくださっていることがよくわかります。
このプロジェクトで重要なのは、トイレが完成して終わりではなく、完成したトイレの「維持管理」にも力を入れているということです。
よくチームメンバーが説明する際には、「トイレが完成して50%、後の50%はトイレの美しい状態が長く保たれるように適切な維持管理が継続して行われるようになること」とお伝えしています。


THE TOKYO TOILETのトイレは1日最大3回の乾式による通常清掃を行っています。
「乾式清掃」というのは、一般的にトイレ清掃の際に行うような、トイレの床に水を撒いてデッキブラシでゴシゴシ擦る「湿式清掃」と異なり、濡らしたモップなどで汚れをふき取っていく清掃方法です。湿式に比べて時間はかかりますが、床が濡れないのでカビも発生しづらく、利用者の服が濡れる不快感もないという点が特徴です。


また、月に一回、トイレ診断士による「トイレ診断」も行っています。トイレ診断士とは「トイレのお医者さん」のようなもので、臭いがきつくないか、設備が壊れていないか、といったトイレに関するたくさんのチェック項目をもとに点検を行います。
人間の健康診断のようなものです。

公共トイレである以上、完成後は区の限られた予算の中で維持していく必要があります。そのように点検した内容や、日常の清掃の記録を参考に、渋谷区、渋谷区観光協会、日本財団の三者で維持管理協議会を立ち上げ、どのタイミングで何回清掃を行うのが効果的かを話し合い、適切な維持管理方法を検討しています。

維持管理の調査を行い、清掃員の皆様が清掃技術を磨いて工夫してくださっていますが、それだけではやはり美しさを継続させるには限界があります。
利用者ひとりひとりが次の人が少しでも快適に使えるようにという「思いやりの心」、また、地域の皆さんも「一緒に守っていくトイレ」という意識醸成として、子どもを対象とした清掃体験やバスツアーの実施や、地域のイベントにて広報活動を行っています。

 


ちなみに、THE TOKYO TOILETではじめに注目されたのは「透明トイレ」といわれる「代々木深町小公園トイレ」と「はるのおがわコミュニティパークトイレ」です。
こちらの写真は「はるのおがわコミュニティパークトイレ」です。

 

撮影:永禮賢、提供:日本財団


こちらのトイレは、人が潜んでいないか、中が汚れていないかといったことが一目でわかるように透明の壁が採用されていますが、ゴミの放置がほかのトイレと比べて少ないといった調査結果が出ています。これもクリエイティブの力で社会問題を解決した一つだと感じます。

その他にも我々が実施したTHE TOKYO TOILET事業をモデルケースとして、全国に「誰もが使いやすいトイレ」の輪が広がっていくことを願っています。

続いで、ウクライナ避難民支援事業についてもご紹介させていただければと思います。

私が出向したのは2022年4月1日、その1ヵ月少し前に何があったか、皆さんは覚えていますか?
2022年2月24日、ロシアはウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始しました。
日本財団はいち早く、ウクライナから日本に避難するウクライナ国民2000人に対して、渡航費・生活費・住環境整備費の支援を発表しました。
詳しい支援内容については、日本財団のウクライナ避難民支援のプロジェクトページをご覧ください。


私はプロジェクトのほぼ初期から携わらせていただきましたが、財団としても、走りながら、調べて、考えて、決定して、を同時並行で進めていく、といった状態でした。
現在はもう新規申請は締め切っており、最大3年の生活費支援と住環境整備費支援を行っています。
2月からは新たに日本からウクライナに帰国する際の航空券等の支援も開始しました。

 

提供:日本財団


日本財団の生活費等の支援は最大3年間で終了しますが、2年たった今も戦争が終わる気配はありません。しかし、それでもウクライナの皆さんの生活は続いています。
日本財団ではウクライナ避難民の皆さんが支援終了後に自立した生活が送れるように、残りの期間もしっかりとサポートを行っていく予定です。

 

私が主に担当した2事業について紹介させていただきましたが、前述の通り日本財団はさまざまな事業を行っています。ほかの事業についても、近くで拝見していて職員の皆さんの「社会をよくしたい」という強い思いに触れることができ、とても勉強になりました。
私は4月で箕面市役所に帰任しますが、THE TOKYO TOILET事業やウクライナ避難民支援事業を通して、日本財団だけでなく多くの自治体、NPOの皆さんにもお世話になりました。
自治体だけで問題を解決できればもちろんいいのですが、やはりそれは難しいのが現状です。官民がさらに連携して、よりよい社会の形成に繋がれば良いと思います。


2年間でお世話になった皆さんにいただいたものを忘れずに、今後の業務に活かしながら、箕面市の今後の発展に貢献できるように励みたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

<川上さん派遣お疲れ様でした。日本財団で得た貴重な経験を箕面市でも生かしてくださいね!


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民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

撮れたて箕面ブログをご覧の皆様、こんにちは。
2023年4月1日から1年間、一般社団法人全国モーターボート競走施行者協議会(以下、全施協)に出向しておりました大平と申します。

出向先である全施協は、全国24場のボートレース場と、全国83か所のボートレースチケットショップ(場外舟券発売場)の開催・運営を行う施行者に関する業務を行っている団体です。
箕面市もその施行者の一つであり、私は2020年からの3年間、ボートレース事業局に所属し、ボートレース住之江の施行者として勤務していました。
そんな一施行者職員であった私が、全国の施行者と関わりながら行った業務や感じたことをご紹介したいと思います。

全施協のオフィスは、東京都港区六本木に所在する「BOATRACE六本木」というビルの中にあります。
BOATRACE六本木は2019年12月に竣工された施設で、ボートレース業界の様々な団体が結集し、スピーディーな意思決定を行うことができる施設として誕生しました。
また。2023年11月には別館であるBOATRACE六本木ANNEXが誕生し、ボートレース業界がより団結して業務を遂行できるようになりました。

 


(手前がANNEX、奥に見えるのがBOATRACE六本木ビルです)

 

全施協で働く中で、市役所との大きな違いを感じたことのひとつが、ペーパーレス化が進んでいることです。
市役所では打ち合わせや会議の資料は紙に印刷して用意していましたが、全施協では資料は事前にメールで送付し、会議にはそれぞれがパソコンを持参するか、タブレットを配布してみてもらうことがほとんどでした。
またノートパソコンに加えて、タブレットが各職員に1台貸与されるため、会議資料をタブレットで確認しつつパソコンでメモを取ることができる等、ペーパーレス化が推進されています。
ペーパーレス化することで印刷ミス等の無駄をなくすほか、打ち合わせ中にリアルタイムで資料のデータを編集することができ、業務の効率化にもつながっていました。

 


(パソコン、モニター、タブレットを駆使して業務にあたります)

 

続いて、私が全施協で携わらせていただいた業務の一部を紹介します。

〈防犯カメラ設置運用ガイドラインの作成〉

ボートレースは「モーターボート競走法」をはじめとする法律に基づいて開催、運営されています。その中で、施行者は競走場の秩序維持や公正安全の確保に努めることが明文化されています。
防犯カメラは犯罪の抑止に大きな役割を果たすものであり、箕面市でも全ての市立小中学校の通学路に750台の防犯カメラを設置しています。そのような縁もあり、私はボートレース場の特徴に合わせた防犯カメラ設置運用ガイドラインの作成を担当しました。
作成にあたっては、防犯カメラの映像は個人情報に該当するため、関係法令を整理し、施行者が個人情報を取り扱う上で注意すべき点をまとめました。また、ボートレース場はそれぞれ規模や構造が違っており、防犯カメラの設置箇所について統一的な基準を示すことが困難であることが課題でした。この課題を解決するために同じ課の先輩方のサポートを受けたり、防犯カメラの設置実績のある事業者に監修を依頼したりして、すべての競走場に対応したガイドラインを完成させることができました。このような全国の施行者に向けて一定の基準を示すような業務は、中央団体ならではの貴重な経験となりました。

〈選手への個人別スタート無事故手当制度の新設〉

ボートレースでは「フライングスタート方式」という、独特のスタート方法が採用されています。陸上競技や競馬のように合図に合わせて一斉にスタートするのではなく、各レーサーがタイミングを計って、大時計が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過するというものです。このとき、大時計が0秒を指すより少しでも早くラインを超えてしまった場合はフライング、1秒を過ぎてラインを通過した場合は出遅れとなり、フライングと出遅れをあわせて「スタート事故」と呼びます。スタート事故が起きると、事故を起こした選手に関する舟券の購入金額は返還され、売上は減少してしまいます。また、選手は一定期間レースに出場することができない等の罰則が科されることとなります。
そこで、スタート事故防止の啓発を目的とした制度として、一定の条件のもとスタート事故を起こさなかった選手に対して手当を支給する「個人別スタート事故無事故手当制度」が新設されました。過去にも同様の制度があったものの、支給条件が開催中すべての選手がスタート無事故であることだったため、連帯責任の側面が強くありました。新制度では個人の成績が対象となるため、スタート事故の少ない選手が報われることとなりました。
これまでは施行者として出来上がった制度を受け取る側でしたが、全施協では関係団体との調整や、施行者や選手への周知方法の検討といった制度設計の過程に携わることができ、どのようにボートレース業界の意思決定がなされているかを肌で感じることができました。

 


(スタートタイミングを司る大時計は近くで見るとかなり大きいです)

 

最後に1年間の出向の経験で感じたことを書き残したいと思います。

この1年間の出向を通して「自分の世界の広がり」を非常に強く感じることができました。全国24場のうちの一つの職員であった私は、箕面市、そしてボートレース住之江の中で完結する業務がほとんどでした。ボートレース事業局に配属されてすぐにコロナ禍となり、なかなか他のレース場に行く機会もなく、業務の特性上外部とのつながりが希薄であったこともあり、他の施行者や関係団体がどのようなことをしているのかはっきりと理解できていませんでした。全施協に来てからは、これまでつながりのなかったほかの施行者の方とお話しする機会も多く、また、ほとんどのボートレース場に伺い、この目で売上向上施策やファンサービスの取り組みを視察することができました。それぞれの関係団体についても、具体的にどのような業務をどのようなプロセスを経て実施しているのかを知ることができたほか、ボートレース業界のために多くの人が日々働いていることが分かりました。
このように出向期間中にこれまで関わりのなかった方々との出会いを通じて、新しい知識に触れることができました。自分の勉強不足を痛感することもありましたが、それ以上にこれまで知らなかったことを学ぶ楽しさや、学んだことが体系的に理解できたときの達成感を感じることができました。今後は、どんな環境であっても、自分から世界を広げていくことで新たな知識を獲得し、自分を成長させることで、箕面市の発展に貢献してきたいと思います。

 


(ボートレース江戸川にて記念撮影)

 

最後になりますが、未熟であった私を温かく受け入れ、様々な経験をさせていただいた全施協の皆様にはとても感謝しております。1年間は本当にあっという間でしたが、とても充実した1年を過ごすことができました。全施協の皆様と出会えたことは私の大きな財産となりました。ボートレース業界の仲間として今後ともよろしくお願いいたします。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

 

<大平さんありがとうございました。全施協で学んだことを箕面市でも生かしてくださいね。


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民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

撮れたて箕面ブログをご覧の皆さまこんにちは。

2022年4月から2年間、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会に出向しております、杉本と申します。
協会の事業や、私が取り組んできた業務についてご紹介させていただきます。

 


Provided By: Japan Association for the 2025 World Exposition

 

2025年4月13日から2025年10月13日まで、大阪の夢洲で「2025年の本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開催されます。
2025年日本国際博覧会協会は、『いのち輝く未来社会のデザイン』をテーマに、国際連合の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献や日本の産業及び文化の発展を目指し、「大阪・関西万博」の準備や開催運営を行う組織です。

私は、整備局会場整備部という部署に所属しています。
会場整備部では、協会が準備をする施設の設計や建設工事などについて発注、調整ごとを行っています。
会場を大きく4つのエリアに分け業務を行っているのですが、私はPW南東工区というエリアを担当しています。

 


Provided By: Japan Association for the 2025 World Exposition

 

PW南東工区で協会が準備をする施設には、
・大屋根リングの一部や休憩所、トイレなどの来場者が利用される施設
・8人のプロデューサーが主導するシグネチャーパビリオン
・会場全体の運営を担う管理施設
などがあります。

 


Provided By: Japan Association for the 2025 World Exposition

 

その中でも、今回は会場運営の要の施設である管理施設について触れたいと思います。

管理施設には、会場全体に上水や冷房用冷水を供給するインフラ管理施設、会場全体の施設維持管理を行う施設、来場者や国内外の賓客の安全管理を行う施設、物流管理を行う施設、開催期間中の各国相談受付を行う施設など、実に様々な施設があります。

これらの施設は「大阪・関西万博」が開幕となる2025年4月13日よりももっと早くから稼働させる必要があり、当然それまでに建設工事を完了させなければなりません。

また、来場者により良い運営サービスが提供できるよう各施設の与件は刻々と変化し、それらに柔軟に対応する必要がありました。

管理を行う分野によって所管部門は異なりますので、当然調整を行う相手は多岐に渡り、また工事に着手してからも並行して対応する必要がありましたので、それが業務を進める上で最も大変で、最も重要なポイントでした。

「大阪・関西万博」のような大きな事業となりますと、知識も含め一人ではどうすることも出来ないような課題が盛りだくさんなのですが、その点に関しては、様々な得意分野を持った職員が協会へ派遣されていますので、互いに協力しウィークポイントを補完し合うことでどうにか前へ進めることが出来ています。

私は箕面市役所に入庁して2年後に協会に出向しました。新築工事担当の経験がない中での出向となり色々と不安はありましたが、この2年間の経験は本当に貴重で、大変学ぶことの多い期間となりました。
また、そのような未熟な私を受け入れ、サポートしてくださった協会職員の方々へはとても感謝しております。「大阪・関西万博」の成功を心から願っています。

箕面市役所へ戻りましたらこの経験を活かし、箕面市民のみなさまにより快適に利用していただける施設の整備ができるよう業務に取り組みたいと考えておりますので、応援いただけますと幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

<杉本さんありがとうございました!大阪・関西万博もいよいよ来年開幕ですね!


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民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

撮れたて箕面ブログをご覧の皆さまこんにちは。
2022年4月から2年間、株式会社ディー・エヌ・エーに出向中の皆川と申します。
出向期間が2024年3月末をもって終了するにあたり、民間企業での体験を寄稿します。

出向先の紹介
私が出向中の株式会社ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」と言います。)は、エンターテインメントと社会課題解決の二つの領域で事業を展開している民間企業です。
みなさんの身近では「横浜DeNAベイスターズ」の親会社としてご存じという方も多いのではないでしょうか。

DeNAの事業展開


DeNAではゲームやライブストリーミング、ヘルスケア、スポーツなど多角的な事業展開をしています。


 
箕面市とDeNAは、2021年10月に包括連携協定を締結しました。
包括連携協定では、「自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」という項目があり、その一環として職員のDeNAへの出向が行われています。
今回のブログではDeNAへの出向における学びや気付き、自治体と民間企業の違いについて紹介します。


出向先での担当業務
DeNAでの所属は「IT本部IT戦略部」です。
IT戦略部では「社内向けシステムの管理運用」、「従業員からの問い合わせ対応」、「新規ツールの導入検討や社内ITコスト管理」などの実務を行っています。
日々の業務を行いながら、最新のデジタル技術やDXに関する取組、業務効率化の手法を学んでいます。


市役所とDeNAの違い
DeNAでの業務内容は、私がこれまで市役所で担当してきた業務と内容も異なりますが、「働き方そのもの」に大きな違いがあります。
この記事では「リモートワーク」と「ペーパーレス」についてDeNAと箕面市役所の違いについてご紹介します。


リモートワーク
出向の内示をいただいた時から「DeNAはリモートワークを中心とした働き方ですよ」と聞いていました。
市役所ではほとんどリモートワークをしていなかったため、リモートで業務をスムーズに進められるか不安でした。


結果としてこの不安は杞憂に終わりましたが、市役所とは「リモートワークのスタイル」が大きく異なっており、「オフィスでもリモートワークでも差のない働き方が実現できている」ことで、業務がスムーズに行えることを体感しました。


リモートワークでのコミュニケーション
まずは市役所とDeNAでの「リモートワークでのコミュニケーション」を簡単に比較してみます。

 

 

【主な連絡手段としてのチャットツール活用】

市役所のリモートワークでは主に「電子メール」を使用しています。一方でDeNAでは「チャットツール」でコミュニケーションのほとんどを行っています。
市役所ではチャットツールを電子メールの補助的連絡手段として利用しており、全員が利用しているものでもなかったため、出向間もなくは「チャットだと反応が遅くて対面と同じようにはできないのではないか?」と考えていましたが、社員のみなさんの反応がとても速く、資料や過去の会話のリンクを共有することもできるため、課題や相談を素早く解決できています。
市役所で主に使われている電子メールと比較し、チャットツールは「即時に送信が通知され、そのまま返信できる」点や「他の人同士のやり取りが見える」点で異なります。

 

また、業務や議論テーマごとの「チャンネル」を分ける運用が社内で共通化されているため、分類された情報にアクセスしやすいメリットもあります。
電子メールではどうしても「送信→受信→送信」を繰り返すことになりますし、大量のメールを探す手間も大きいです。
また、「リモートになることでコミュニケーションの量が減るのではないか?」と思っていましたが、チャット上では他の人同士の会話が見える状態でやりとりが行われます。


そのため、オフィスでよくある「隣の人の会話が聞こえる」、「少し遠くで上司と誰かが話しをしているのがわかる」状態がチャットツール上で表現されます。
オフィスと違い、会話を文字でやりとりすることになりますが、「リアクション(OKマークやありがとうスタンプ)」が用意されているので、思っていたよりも「やわらかい」コミュニケーションが可能でした。


また、「電話」については派遣期間を通じてほぼ使うシーンがありませんでした。市役所と違いお問い合わせの電話や外線の着信がない環境ですが、社内の調整はチャットツールや電子メール、外部業者との調整も電子メールやWeb会議を使用し、電話を使うチャンスはありませんでした。
振り返ると電話は「相手の時間を拘束」します。不在なら折り返しですし、内線で長い会話になることも市役所ではしばしばありました。


チャットツールを使用するコミュニケーションでは「後で見る」こともできますし、電子メールよりも関係者を巻き込みやすいため「主なコミュニケーション手段」として十分使用できることを体感しました。


実際の体験として、出向初日から1週間ほどは毎日渋谷のオフィスに出社していましたが、2週間目から今まで「1週間毎日出社」したことはとうとうありませんでした。リモートでスムーズに仕事ができるのかと思っていましたが、「出社しても自宅にいてもコミュニケーションは特に変わらない」認識です。
 


渋谷オフィスのラウンジです。渋谷スクランブルスクエア40階にあり、都内が一望できます。
 
【オンライン会議ツールの活用】
チャット上での文字のやりとりではなく、「画面を共有して話したい、話したほうが絶対に早い」案件はオンライン会議を使用します。
リモートを中心とした働き方であり、部署には遠方居住の方(8人の部署のうち2名が関東以外にお住まいです)もいらっしゃるため、基本的にミーティングはオンライン会議での開催です。


オンライン会議ではカメラをONにして顔を出して参加するため、相手の反応も見えますし、開始前にちょっとした雑談をすることも多くあります。
この点も「対面でないことのデメリット」を感じないポイントなのかなと感じています。


【コミュニケーションにおける気付き】
市役所とDeNAの両方でリモートワークをしてみて感じたのは、「コミュニケーションの量」が重要なポイントなのではないかという点です。


市役所でのリモートワークでは「黙々と一人で作業する」ことが多かったのに対し、DeNAでは「出社と同じようなコミュニケーションが発生する」点が大きな違いです。リモートワークで1人で仕事をしていても、オフィスで仕事をしているときと同じように「即時的な周りのやりとり」や「自分の行動に対する反応」ができることで場所にとらわれずに求められる仕事を行うことができると2年間を通じて体感しました。


ペーパーレスの取組
続いては「ペーパーレス」に関する違いを紹介します。市役所では「紙」を使うことがとても多く、日常的でした。
私自身も驚いているのですが、DeNAに出向してからこれまでを振り返るとDeNAの業務でプリンターを使用したことがありませんでした。
市役所と民間企業の違いはあれど、資料の作成や人事・労務の手続き、庶務や上司への説明など「普遍的な部分」は変わりません。


しかしながら実際に「プリンターを使わなくても仕事ができる」状況が確かにあります。
ふと「市役所でどんなときに紙を使用していたのだろうか?」と思い返すとこんな使い方をしていました。

 

 

市役所での紙利用シーンをDeNAに置き換えるとほぼすべてが「電子データ」上で作成し、「紙への出力」が行われていません。
一方で「DeNAで使用する書類の例」は市役所で使用する書類と大差ないことがわかります。
ただし、入社時の資料やパソコンの設定マニュアルなど「パソコンがない状態」で共有が必要な場合は「紙」が登場します。(こればかりは紙が最適ですね)


さて、市役所では「文書を印刷して作業にあたる」ことが前提でした。DeNAでは資料の作成から利用まで一貫して「電子データ」で進んでいきます。
印刷した資料と比較し、自分なりに感じたメリットは以下のとおりです。


● 修正や改版による印刷や確認の手間が少ない
 ○ 修正した場合の再印刷や資料組みが不要
 ○ 電子データならではの「改版履歴」や「修正提案」を閲覧することができるためどのような更新があったか即座にわかる


● 関連する情報の確認が容易
 ○ 「◯◯ページを参照」や「別紙◯◯を参照」ではなく、資料内のリンクから別の資料を表示することができる
 ○ 過去の議事録や資料を検索することができる


● 紙の印刷コストや保管場所を気にしなくて良い
 ○ 印刷のための紙代や印刷インク代がかからない
 ○ 保存するためのキャビネットが不要


市役所を思い出し、「なぜ資料を印刷してしまうのか」を考えました。

 

 

印刷シーンを分解していくとこのような結果になりました。DeNAでは同じようなシーンでも印刷を行わずに課題を解決できていることがわかります。


最近は「ペーパーレス」という言葉をよく聞きます。これまでは「とにかく紙を減らす・使わない」というイメージが先行していましたが、DeNAでの業務において「紙を使わず、より効率的に業務を行う」実例を体感しました。
そもそも印刷する必要がなければ、「画面上でより見やすいデザイン」にしたり、「関連資料をすぐに閲覧比較できる状態」が実現できます。


また、DeNAではパソコンの交換、備品貸出や、調達依頼などの庶務業務が全て電子申請で行われています。
電子申請では「文書ファイル」を添付するような形式ではなく、画面上に申請者の情報や所属を入力し、リストから必要な項目を選択する形式がほとんどであり、申請者も申請を受け付ける部署も双方が少ない時間で対応できるようになっています。


箕面市役所でもペーパーレスの取り組みや庁内向け電子申請など一部で活用が始まっていますが、これまで体感した内容をもとに「できるところから少しずつ」でも改善を行うことで着実に業務効率化が可能である気づきを得ました。


終わりに
最後になりましたが、2年間お世話になったDeNAのみなさま、本当にありがとうございました。
DeNAで働いてみて、市役所でも実現したいと思うことがたくさんありました。


全く同じように実現することはもちろん難しいですが、「ここまでならできそう」、「こういう工夫をすれば実現できるかもしれない」というヒントを得ることができました。
2年間で学んだことを市役所で活かしていきたいと思います。

<皆川さん、派遣お疲れ様でした!学んできたことをぜひ箕面市でも生かしてくださいね!


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