撮れたて箕面ブログ

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民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

日本財団に出向している川上と申します。
私は2022年4月から2年間、日本財団にお世話になっており、この3月末で箕面市に帰任いたします。

 

 

皆さんは日本財団というとどのようなことを思い浮かべますか?
福祉車両を街中で見たことがあるという方がいらっしゃるかもしれません。


日本財団は社会課題の解決をテーマに海洋・船舶をはじめとする問題の解決、福祉や教育の向上、大規模災害の影響を受けた地域への復興支援や災害対策支援、人道支援や人材育成を通じた国際貢献など、活動分野は多岐にわたります。


つまり、日本財団は様々なところと連携し、日本最大の社会貢献財団として官民を超えてあらゆる立場の人々と連携し、世の中にいいことをいろいろやっている団体です。
詳細については日本財団の活動内容紹介ページをご覧ください。


新人研修の際に、「これも日本財団がやっているんだ!」と改めて知る内容もありました。
多くの興味深い事業がありますので、皆さんもぜひご覧になって日本財団に興味を持っていただけたらと思います。

たくさんの事業がある中で私が主に担当したのは、
THE TOKYO TOILET事業とウクライナ避難民支援事業です。

THE TOKYO TOILET事業に関しては、私の前に出向されていた平井さんもブログに載せていらっしゃいました。歴代箕面市から出向されていた方が担当されていて、私で三代目です。

 

突然ですが、皆さんは公共トイレといわれてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
公共トイレといわれて思い浮かべるのは4K「暗い、汚い、臭い、怖い」というあまりよくないイメージではないでしょうか。そのようなマイナスのイメージに加えて、公共トイレは広さや設備の点でも十分でなく、車いすユーザーや異性介助者のユーザーが使いづらい状態にあります。そういった状態で、本当に「公共のもの」といえるのか、そのような思いからこのプロジェクトはスタートしています。
渋谷区の協力を得て、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置し、それぞれのトイレのデザインには、世界で活躍する建築家やデザイナーなど16人のクリエイターに参画いただくことで、世の中への発信力と共に、デザイン・クリエイティブの力による問題解決を目指し、新しい社会のあり方を提案しています。
THE TOKYO TOILET公式サイト

私は13カ所目に完成した「広尾東公園トイレ」から担当させていただき、裏参道公衆トイレ、幡ヶ谷公衆トイレ、笹塚緑道公衆トイレ、そして最後に完成した西参道公衆トイレの5ヵ所の竣工式に立ち会わせていただきました。
どのトイレもとても個性的ですが、各クリエイターが利用者のことを考えてデザインをしてくださっていることがよくわかります。
このプロジェクトで重要なのは、トイレが完成して終わりではなく、完成したトイレの「維持管理」にも力を入れているということです。
よくチームメンバーが説明する際には、「トイレが完成して50%、後の50%はトイレの美しい状態が長く保たれるように適切な維持管理が継続して行われるようになること」とお伝えしています。


THE TOKYO TOILETのトイレは1日最大3回の乾式による通常清掃を行っています。
「乾式清掃」というのは、一般的にトイレ清掃の際に行うような、トイレの床に水を撒いてデッキブラシでゴシゴシ擦る「湿式清掃」と異なり、濡らしたモップなどで汚れをふき取っていく清掃方法です。湿式に比べて時間はかかりますが、床が濡れないのでカビも発生しづらく、利用者の服が濡れる不快感もないという点が特徴です。


また、月に一回、トイレ診断士による「トイレ診断」も行っています。トイレ診断士とは「トイレのお医者さん」のようなもので、臭いがきつくないか、設備が壊れていないか、といったトイレに関するたくさんのチェック項目をもとに点検を行います。
人間の健康診断のようなものです。

公共トイレである以上、完成後は区の限られた予算の中で維持していく必要があります。そのように点検した内容や、日常の清掃の記録を参考に、渋谷区、渋谷区観光協会、日本財団の三者で維持管理協議会を立ち上げ、どのタイミングで何回清掃を行うのが効果的かを話し合い、適切な維持管理方法を検討しています。

維持管理の調査を行い、清掃員の皆様が清掃技術を磨いて工夫してくださっていますが、それだけではやはり美しさを継続させるには限界があります。
利用者ひとりひとりが次の人が少しでも快適に使えるようにという「思いやりの心」、また、地域の皆さんも「一緒に守っていくトイレ」という意識醸成として、子どもを対象とした清掃体験やバスツアーの実施や、地域のイベントにて広報活動を行っています。

 


ちなみに、THE TOKYO TOILETではじめに注目されたのは「透明トイレ」といわれる「代々木深町小公園トイレ」と「はるのおがわコミュニティパークトイレ」です。
こちらの写真は「はるのおがわコミュニティパークトイレ」です。

 

撮影:永禮賢、提供:日本財団


こちらのトイレは、人が潜んでいないか、中が汚れていないかといったことが一目でわかるように透明の壁が採用されていますが、ゴミの放置がほかのトイレと比べて少ないといった調査結果が出ています。これもクリエイティブの力で社会問題を解決した一つだと感じます。

その他にも我々が実施したTHE TOKYO TOILET事業をモデルケースとして、全国に「誰もが使いやすいトイレ」の輪が広がっていくことを願っています。

続いで、ウクライナ避難民支援事業についてもご紹介させていただければと思います。

私が出向したのは2022年4月1日、その1ヵ月少し前に何があったか、皆さんは覚えていますか?
2022年2月24日、ロシアはウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始しました。
日本財団はいち早く、ウクライナから日本に避難するウクライナ国民2000人に対して、渡航費・生活費・住環境整備費の支援を発表しました。
詳しい支援内容については、日本財団のウクライナ避難民支援のプロジェクトページをご覧ください。


私はプロジェクトのほぼ初期から携わらせていただきましたが、財団としても、走りながら、調べて、考えて、決定して、を同時並行で進めていく、といった状態でした。
現在はもう新規申請は締め切っており、最大3年の生活費支援と住環境整備費支援を行っています。
2月からは新たに日本からウクライナに帰国する際の航空券等の支援も開始しました。

 

提供:日本財団


日本財団の生活費等の支援は最大3年間で終了しますが、2年たった今も戦争が終わる気配はありません。しかし、それでもウクライナの皆さんの生活は続いています。
日本財団ではウクライナ避難民の皆さんが支援終了後に自立した生活が送れるように、残りの期間もしっかりとサポートを行っていく予定です。

 

私が主に担当した2事業について紹介させていただきましたが、前述の通り日本財団はさまざまな事業を行っています。ほかの事業についても、近くで拝見していて職員の皆さんの「社会をよくしたい」という強い思いに触れることができ、とても勉強になりました。
私は4月で箕面市役所に帰任しますが、THE TOKYO TOILET事業やウクライナ避難民支援事業を通して、日本財団だけでなく多くの自治体、NPOの皆さんにもお世話になりました。
自治体だけで問題を解決できればもちろんいいのですが、やはりそれは難しいのが現状です。官民がさらに連携して、よりよい社会の形成に繋がれば良いと思います。


2年間でお世話になった皆さんにいただいたものを忘れずに、今後の業務に活かしながら、箕面市の今後の発展に貢献できるように励みたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

<川上さん派遣お疲れ様でした。日本財団で得た貴重な経験を箕面市でも生かしてくださいね!

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