撮れたて箕面ブログ

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民間企業派遣職員からのメッセージ

2024年03月27日 | 民間から学ぶ

撮れたて箕面ブログをご覧の皆さまこんにちは。
2022年4月から2年間、株式会社ディー・エヌ・エーに出向中の皆川と申します。
出向期間が2024年3月末をもって終了するにあたり、民間企業での体験を寄稿します。

出向先の紹介
私が出向中の株式会社ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」と言います。)は、エンターテインメントと社会課題解決の二つの領域で事業を展開している民間企業です。
みなさんの身近では「横浜DeNAベイスターズ」の親会社としてご存じという方も多いのではないでしょうか。

DeNAの事業展開


DeNAではゲームやライブストリーミング、ヘルスケア、スポーツなど多角的な事業展開をしています。


 
箕面市とDeNAは、2021年10月に包括連携協定を締結しました。
包括連携協定では、「自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」という項目があり、その一環として職員のDeNAへの出向が行われています。
今回のブログではDeNAへの出向における学びや気付き、自治体と民間企業の違いについて紹介します。


出向先での担当業務
DeNAでの所属は「IT本部IT戦略部」です。
IT戦略部では「社内向けシステムの管理運用」、「従業員からの問い合わせ対応」、「新規ツールの導入検討や社内ITコスト管理」などの実務を行っています。
日々の業務を行いながら、最新のデジタル技術やDXに関する取組、業務効率化の手法を学んでいます。


市役所とDeNAの違い
DeNAでの業務内容は、私がこれまで市役所で担当してきた業務と内容も異なりますが、「働き方そのもの」に大きな違いがあります。
この記事では「リモートワーク」と「ペーパーレス」についてDeNAと箕面市役所の違いについてご紹介します。


リモートワーク
出向の内示をいただいた時から「DeNAはリモートワークを中心とした働き方ですよ」と聞いていました。
市役所ではほとんどリモートワークをしていなかったため、リモートで業務をスムーズに進められるか不安でした。


結果としてこの不安は杞憂に終わりましたが、市役所とは「リモートワークのスタイル」が大きく異なっており、「オフィスでもリモートワークでも差のない働き方が実現できている」ことで、業務がスムーズに行えることを体感しました。


リモートワークでのコミュニケーション
まずは市役所とDeNAでの「リモートワークでのコミュニケーション」を簡単に比較してみます。

 

 

【主な連絡手段としてのチャットツール活用】

市役所のリモートワークでは主に「電子メール」を使用しています。一方でDeNAでは「チャットツール」でコミュニケーションのほとんどを行っています。
市役所ではチャットツールを電子メールの補助的連絡手段として利用しており、全員が利用しているものでもなかったため、出向間もなくは「チャットだと反応が遅くて対面と同じようにはできないのではないか?」と考えていましたが、社員のみなさんの反応がとても速く、資料や過去の会話のリンクを共有することもできるため、課題や相談を素早く解決できています。
市役所で主に使われている電子メールと比較し、チャットツールは「即時に送信が通知され、そのまま返信できる」点や「他の人同士のやり取りが見える」点で異なります。

 

また、業務や議論テーマごとの「チャンネル」を分ける運用が社内で共通化されているため、分類された情報にアクセスしやすいメリットもあります。
電子メールではどうしても「送信→受信→送信」を繰り返すことになりますし、大量のメールを探す手間も大きいです。
また、「リモートになることでコミュニケーションの量が減るのではないか?」と思っていましたが、チャット上では他の人同士の会話が見える状態でやりとりが行われます。


そのため、オフィスでよくある「隣の人の会話が聞こえる」、「少し遠くで上司と誰かが話しをしているのがわかる」状態がチャットツール上で表現されます。
オフィスと違い、会話を文字でやりとりすることになりますが、「リアクション(OKマークやありがとうスタンプ)」が用意されているので、思っていたよりも「やわらかい」コミュニケーションが可能でした。


また、「電話」については派遣期間を通じてほぼ使うシーンがありませんでした。市役所と違いお問い合わせの電話や外線の着信がない環境ですが、社内の調整はチャットツールや電子メール、外部業者との調整も電子メールやWeb会議を使用し、電話を使うチャンスはありませんでした。
振り返ると電話は「相手の時間を拘束」します。不在なら折り返しですし、内線で長い会話になることも市役所ではしばしばありました。


チャットツールを使用するコミュニケーションでは「後で見る」こともできますし、電子メールよりも関係者を巻き込みやすいため「主なコミュニケーション手段」として十分使用できることを体感しました。


実際の体験として、出向初日から1週間ほどは毎日渋谷のオフィスに出社していましたが、2週間目から今まで「1週間毎日出社」したことはとうとうありませんでした。リモートでスムーズに仕事ができるのかと思っていましたが、「出社しても自宅にいてもコミュニケーションは特に変わらない」認識です。
 


渋谷オフィスのラウンジです。渋谷スクランブルスクエア40階にあり、都内が一望できます。
 
【オンライン会議ツールの活用】
チャット上での文字のやりとりではなく、「画面を共有して話したい、話したほうが絶対に早い」案件はオンライン会議を使用します。
リモートを中心とした働き方であり、部署には遠方居住の方(8人の部署のうち2名が関東以外にお住まいです)もいらっしゃるため、基本的にミーティングはオンライン会議での開催です。


オンライン会議ではカメラをONにして顔を出して参加するため、相手の反応も見えますし、開始前にちょっとした雑談をすることも多くあります。
この点も「対面でないことのデメリット」を感じないポイントなのかなと感じています。


【コミュニケーションにおける気付き】
市役所とDeNAの両方でリモートワークをしてみて感じたのは、「コミュニケーションの量」が重要なポイントなのではないかという点です。


市役所でのリモートワークでは「黙々と一人で作業する」ことが多かったのに対し、DeNAでは「出社と同じようなコミュニケーションが発生する」点が大きな違いです。リモートワークで1人で仕事をしていても、オフィスで仕事をしているときと同じように「即時的な周りのやりとり」や「自分の行動に対する反応」ができることで場所にとらわれずに求められる仕事を行うことができると2年間を通じて体感しました。


ペーパーレスの取組
続いては「ペーパーレス」に関する違いを紹介します。市役所では「紙」を使うことがとても多く、日常的でした。
私自身も驚いているのですが、DeNAに出向してからこれまでを振り返るとDeNAの業務でプリンターを使用したことがありませんでした。
市役所と民間企業の違いはあれど、資料の作成や人事・労務の手続き、庶務や上司への説明など「普遍的な部分」は変わりません。


しかしながら実際に「プリンターを使わなくても仕事ができる」状況が確かにあります。
ふと「市役所でどんなときに紙を使用していたのだろうか?」と思い返すとこんな使い方をしていました。

 

 

市役所での紙利用シーンをDeNAに置き換えるとほぼすべてが「電子データ」上で作成し、「紙への出力」が行われていません。
一方で「DeNAで使用する書類の例」は市役所で使用する書類と大差ないことがわかります。
ただし、入社時の資料やパソコンの設定マニュアルなど「パソコンがない状態」で共有が必要な場合は「紙」が登場します。(こればかりは紙が最適ですね)


さて、市役所では「文書を印刷して作業にあたる」ことが前提でした。DeNAでは資料の作成から利用まで一貫して「電子データ」で進んでいきます。
印刷した資料と比較し、自分なりに感じたメリットは以下のとおりです。


● 修正や改版による印刷や確認の手間が少ない
 ○ 修正した場合の再印刷や資料組みが不要
 ○ 電子データならではの「改版履歴」や「修正提案」を閲覧することができるためどのような更新があったか即座にわかる


● 関連する情報の確認が容易
 ○ 「◯◯ページを参照」や「別紙◯◯を参照」ではなく、資料内のリンクから別の資料を表示することができる
 ○ 過去の議事録や資料を検索することができる


● 紙の印刷コストや保管場所を気にしなくて良い
 ○ 印刷のための紙代や印刷インク代がかからない
 ○ 保存するためのキャビネットが不要


市役所を思い出し、「なぜ資料を印刷してしまうのか」を考えました。

 

 

印刷シーンを分解していくとこのような結果になりました。DeNAでは同じようなシーンでも印刷を行わずに課題を解決できていることがわかります。


最近は「ペーパーレス」という言葉をよく聞きます。これまでは「とにかく紙を減らす・使わない」というイメージが先行していましたが、DeNAでの業務において「紙を使わず、より効率的に業務を行う」実例を体感しました。
そもそも印刷する必要がなければ、「画面上でより見やすいデザイン」にしたり、「関連資料をすぐに閲覧比較できる状態」が実現できます。


また、DeNAではパソコンの交換、備品貸出や、調達依頼などの庶務業務が全て電子申請で行われています。
電子申請では「文書ファイル」を添付するような形式ではなく、画面上に申請者の情報や所属を入力し、リストから必要な項目を選択する形式がほとんどであり、申請者も申請を受け付ける部署も双方が少ない時間で対応できるようになっています。


箕面市役所でもペーパーレスの取り組みや庁内向け電子申請など一部で活用が始まっていますが、これまで体感した内容をもとに「できるところから少しずつ」でも改善を行うことで着実に業務効率化が可能である気づきを得ました。


終わりに
最後になりましたが、2年間お世話になったDeNAのみなさま、本当にありがとうございました。
DeNAで働いてみて、市役所でも実現したいと思うことがたくさんありました。


全く同じように実現することはもちろん難しいですが、「ここまでならできそう」、「こういう工夫をすれば実現できるかもしれない」というヒントを得ることができました。
2年間で学んだことを市役所で活かしていきたいと思います。

<皆川さん、派遣お疲れ様でした!学んできたことをぜひ箕面市でも生かしてくださいね!

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