大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

サイドへの修正対応を可能にするSB-その名はダイキニワ~あと岩下の件についても

2015-05-14 00:51:16 | ガンバ大阪
現地で参戦していて思ったのは、広島というかミシャ式に対してWBに対してしっかりつくようにはなったかな、ということ。勿論浦和戦においてもSBが大外のWBを見るという部分はあったんだけども、あの時は多少なりとも中のギャップを作らせない為に中絞り気味で、大外での幅は作らせないようにしたんだけども、今回はサイドでしっかりついた分だけ、開いたペナ角あたりのスペースにはボランチもしくはSHが埋めるという約束事は徹底できていた。浦和戦の失点場面だけでなく清水戦での最初の失点でもそうだけどもSHとSBが中を見るという選択をしてフリーの大外のところからファーサイドにクロス上げられるところが弱いとは考えられていた為に、健太監督の修正力には感心してしまう。今回は柏、清水、それにミキッチといったWBには間合いを詰めすぎると抜かれるリスクがある中で、抜かれない程度の間合いを取って詰めていったのが良かった。

そこでキモとなるのがサイドバックの人選なんだけども。小椋は小椋なりに急造サイドバックとしてよくやってくれていたのは認める。ただ、健太監督からすれば浦和戦では失点時の対応よりもむしろ前半43分過ぎに宇賀神に対する軽い対応っていうのが引っかかっていたのかもしれないのと、あとは城南戦での大輝の躍動っぷりを見て決めたのかもしれない。実はまあ、サイドバックの本職不在で一番穴が開いているのが守備ではなく攻撃の方ではあるんだけども。

ところで、広島戦ということであれば岩下と清水の一件というのは避けて通れないことなんで、岩下の行為を弁護するつもりはないという前提で私の意見を書かせてもらいます。

正直言うと岩下に対しての出場停止処分は覚悟していた。とはいえ、最近のJリーグにおける処分というのは大体海外などにもおける同等の事例に対する処分をある程度基準にしながら起こった状況を考慮しつつ決定するという流れになっている(例えば昨年浦和への無観客試合処分がヨーロッパリーグへのラツィオへのもの、キム・ミンヒョクへの4試合の出場停止処分がプレミアにおけるバロッテリへの処分と同等のものであることがそれを物語っている)というところからすると、恐らく処分があったとしても2年前の栗原に対してのものと同じで1試合の出場停止処分程度だろうとは思っていた。

それが厳重注意で済んだということは、一つにはこの試合の主審の扇谷主審から判定基準について確認したマッチコミッショナーの報告や、審判アセッサーの評価というのも加味されていたのかもしれない。というのも例のシーンがある前に岩下が清水の進路に対して体を入れる形で対応した場面があったが、その時清水は倒れたまま右手を押さえながらファウルをアピールしていたわけ。こういう場面ですぐに起き上がれないんだとしたら清水は扇谷主審への心証を悪くしていたのかもしれない。で、その後に清水が挑発しただの岩下がそれに対して肘ドンやっただのっていう場面なんだけども。BSの録画見てみるとより分かるんだけども、扇谷主審の位置からだと岩下自体が壁になっていた為に肘ドン肩ドンが見えていなかった可能性が高い。ただ、清水が顔を押させて倒れたというのも、扇谷主審の目からはその前の倒れてなかなか起き上がらなかったプレーと併せて、コイツまた演技しているのか、って映ったのかもしれない。

岩下を試合の翌日に上京させて事情聴取したJリーグのことであるから、マッチコミッショナーを通しての扇谷主審の見解であるとか、審判アセッサーからによる該当する判定への評価というのは間違いなく確認しているだろう。同じ主審が担当したキム・ミンヒョクの件との違いは、報復の前に挑発の伏線があったか否か、という判断であったことが考えられる。まあ、こうした基準というのは絶対にリーグから語れることはないだけに推測するしかないんだけども。ただ、こういう流れになったということは、キム・ミンヒョクの時にしても今回の件にしてもある程度扇谷主審の見解も訊いているのだろうということは考えられるわけで、ミンヒョクの時とは何がどう違うのか、という部分を突き詰めていくには推測を積み重ねていくしかないだろう。

勿論だからといって報復そのものが正当化されるものではない、というのはその通りだ。ただ、挑発した側も報復した側と同等とまでは行かないけども相応の処分が下される事例で一番わかり易いものがジダンとマテラッツィの件ではあったと言える。

そのように考えると、今回岩下にだけ厳重注意という形で終わらせたのは、処分の内容には不満があるかもしれないけど、広島の側からすれば清水を守ることが出来、かつ岩下に責任を追わせたという形において広島の言い分が通っている(形で立てている)とも言えるわけ。実際去年の試合前に青山が試合前に言っていたような形が実現-岩下がある意味目をつけられる形にまで持っていけているわけだから。実は今後担当する審判への心証という部分こそが出場停止処分以上の岩下へのより大きな足かせになるかもしれないと筆者は考えてます。だから厳重注意イコール免責ではないということです。

勿論今回のJリーグの裁定に不服であれば広島は提訴する権利というのは尊重します。サッカー界ではより重い処分を求めてとか(こないだの鹿島がキム・ミンヒョクへの処分への申し立てとか)、あるいは逆に処分の軽減を求めて提訴する例(ユーロ12においてルーニーへの処分軽減を求めて提訴したイングランドとか)なんていう例はある。ただ、その場合広島の方も相応の返り血を浴びる覚悟をしなければならないかもしれないが。