本日が映画「クラシコ」の上映初日だということで、テアトル梅田へ、サッカー割引を使ってチケットを買って見に行きました。
映画、というかドキュメンタリーの感想という風に言うべきだろう。この映画の題材は地域リーグのライバル2チームにスポットをあてたものでしかない。それは、そこにだけしかないというものではなく、日本全国各地に転がっているような話だろう。サッカーの熱さとか、ダービーの因縁だとかは。確かに松本と長野市の間には何かしら因縁めいたものがあるらしいけども(なんかそれはケンミンショーっぽく思えるんだけども)、それは単なる入り口に過ぎないわけで、そうした入り口なしでもダービーとして盛り上がっているケースはなんぼでもある。全体的にJの理念というものが東京などの都心ではなく、周縁で生き続けているというコンセプトに上手く乗っかっている(丁度かつての甲府や大分のように)ようなものでしかないのかもしれない。だから、この映画の題材自体に何か真新しさを見出すのは難しい。
そう言い切れてしまうのは、地方クラブの光と影の双方のうち、もっぱら光の部分に注目しているからだろう。本当は長野において地域リーグでやって行くというのは本当に厳しい。実際、この作品中においても、長野がシーズン終了後に9人の選手と契約を更新せず、気さくにインタビューに答えていたバドゥ監督もその09年シーズン終了後に退任しているという事実をクレジットでサラリと触れている。
でも、こういう手法で影の部分に触れるというのが却っていいのかもしれない。ここで苦しいところを取り上げて、そこから成功への階段を駆け上がっていくというような手法だけでは、もう今の世の中で人々は感動したりはしないだろう。実際、この作品の中でもこうした手法はよく取り上げていて、信州ダービーでも松本山雅が先制して、ホームのサポの盛り上がりに達した直後に、これまたいい味出していた山雅サポだる、まるちゃんに愚痴らせることで現実に引き戻す、というところにも現れている。
そう、この作品の真の持ち味というのは、決して飾らない、感動の物語を作ろうともせずに淡々と日常と現実を描写し続ける、というところや、光と影の影にもサラリと触れることでそれとなく我々に気づかせてくれるというところに現れているのかもしれない。そしてこの映画を見て良かったと思うとしたら、信州においても自分たちと同じサッカーで繋がった、熱い思いを共有出来る同士を見いだせたという喜びが見いだせるからなのかもしれない。
その意味では、一歩間違えれば東京メディアによる単純な地方礼賛というトーンになってしまいそうなところを、独自の手法でもって地方クラブの現実というものを、抑えた形でサラリと描いてみせたところなんかが、なんかヤットのプレースタイルに通ずる味わいがあるんですけどもね。
映画、というかドキュメンタリーの感想という風に言うべきだろう。この映画の題材は地域リーグのライバル2チームにスポットをあてたものでしかない。それは、そこにだけしかないというものではなく、日本全国各地に転がっているような話だろう。サッカーの熱さとか、ダービーの因縁だとかは。確かに松本と長野市の間には何かしら因縁めいたものがあるらしいけども(なんかそれはケンミンショーっぽく思えるんだけども)、それは単なる入り口に過ぎないわけで、そうした入り口なしでもダービーとして盛り上がっているケースはなんぼでもある。全体的にJの理念というものが東京などの都心ではなく、周縁で生き続けているというコンセプトに上手く乗っかっている(丁度かつての甲府や大分のように)ようなものでしかないのかもしれない。だから、この映画の題材自体に何か真新しさを見出すのは難しい。
そう言い切れてしまうのは、地方クラブの光と影の双方のうち、もっぱら光の部分に注目しているからだろう。本当は長野において地域リーグでやって行くというのは本当に厳しい。実際、この作品中においても、長野がシーズン終了後に9人の選手と契約を更新せず、気さくにインタビューに答えていたバドゥ監督もその09年シーズン終了後に退任しているという事実をクレジットでサラリと触れている。
でも、こういう手法で影の部分に触れるというのが却っていいのかもしれない。ここで苦しいところを取り上げて、そこから成功への階段を駆け上がっていくというような手法だけでは、もう今の世の中で人々は感動したりはしないだろう。実際、この作品の中でもこうした手法はよく取り上げていて、信州ダービーでも松本山雅が先制して、ホームのサポの盛り上がりに達した直後に、これまたいい味出していた山雅サポだる、まるちゃんに愚痴らせることで現実に引き戻す、というところにも現れている。
そう、この作品の真の持ち味というのは、決して飾らない、感動の物語を作ろうともせずに淡々と日常と現実を描写し続ける、というところや、光と影の影にもサラリと触れることでそれとなく我々に気づかせてくれるというところに現れているのかもしれない。そしてこの映画を見て良かったと思うとしたら、信州においても自分たちと同じサッカーで繋がった、熱い思いを共有出来る同士を見いだせたという喜びが見いだせるからなのかもしれない。
その意味では、一歩間違えれば東京メディアによる単純な地方礼賛というトーンになってしまいそうなところを、独自の手法でもって地方クラブの現実というものを、抑えた形でサラリと描いてみせたところなんかが、なんかヤットのプレースタイルに通ずる味わいがあるんですけどもね。