大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

08年J聯賽掲幕戰 大阪鋼巴 0-0 千葉杰夫

2008-03-09 07:03:35 | サッカー全般
パン・パシフィックで優勝し、「今年はいける」という雰囲気に対していきなり冷や水を浴びせられる形となった開幕戦。まあ、とりあえず、パンパシの結果は結果として評価しても、シーズンとは分けて考えよう。相手のレベルや真剣度という点ではJリーグとは比べ物にもならないし、明神が1ボランチで対応できたレベルでしかなかったのであるから。

その点千葉は開幕に照準を合わせてしっかりとガンバ対策を施した。相手のクゼ監督はかつてガンバを率いていた人だが、かつて率いたチームと対戦する監督は古巣との対戦で相手の力を出させない術というのを知っている傾向にあるものだが、この日の千葉は前線に巻を残し、守備は3バックで当初斉藤がルーカスに、ガンバから移籍した青木良太がバレーにマンマークし、ボスナーが余る形でスタートし、良太が足首を痛めて前半途中で下がっても、結城がその役割を引き継ぐ。そして中盤を厚くして高い位置でボールを奪ってはサイドから追い越す動きで2列目以降の選手が飛び出して来る形で攻めてくる。全体的にガンバが主導権を握っても、去年のナビスコ予選で0-1で負けた時のようにゴール前で決定的な仕事をさせて貰えない。

まあ、ガンバの方は、代表組が合流して連携不足ということもあるのであるから、まだまだ仕上がり具合は完璧ではない。それでも随所に持ち味は出ていたとは思うので、個人的に気になった点を以下の通り挙げておこう:

1.水本は対人能力が高い。千葉時代の3バックから4バックになったけども、上手く対応し、守備面で持ち味を発揮。ただ、ビルドアップに関しては山口に頼ってしまうのは致し方ないか?この試合でも最終ラインから縦に入れていたのは智の方で(実際1本二川にロングフィードを出してそこからバレーへのフィニッシュとなるクロスを演出した)あることに象徴されるように、去年智とシジでやっていたビルドアップの仕事が、今年は智の側のサイドに偏ってしまうところに、シジが抜けてしまった影響というものを改めて感じさせられる。まあ、現時点で水本に全てのことを要求するつもりはないから、得意分野で頑張ってくれればいいけども、この試合を見た限り、水本の代わりは中澤や福元が居るのとは対照的に智の代わりはいないという気がした。

2.佐々木は上がりが少ないものの、それでも攻め上がった時のアーリークロスは正確で攻撃の武器にはなる。守備面で青木孝太に抜かれたり、坂本に出し抜かれたりした部分で、加地に比べると不安は残るのだけども、少々の不安には目をつむって見守っていれば攻撃面で持ち味を出し続けるだろう。

3.ルーカスにはボールがよく収まる。この点を見据えての獲得はとりあえず成功であるが、彼はどちらかと言えば2列目にいた方が機能するのではないか?現時点で攻撃のベストな布陣はFWはバレーと山崎、2列目は二川とルーカス、そしてボランチにヤットと明神だとは思う。FWの起用に関しては去年もそうだが、カントクの用兵が少し硬直しているように感じるのは私だけだろうか?

4.ミチはトラップが上手くなって来たか?昨年を通じて一番伸びているのは彼であって、この間の代表でも唯一の救いは彼ではなかったかと思うくらい。この試合でも左サイドを制圧してクロスを上げる仕事は「相変わらず」という表現が当てはまるくらい板についてきた。

5.山崎はなぜスタメンではなかったのかが不思議ではあったのだけども、彼が後半入ったことで前線を活性化できた。ただ、あの決定的なシュートが立石に止められていなかったら、去年のバレーみたいにいきなりヒーローになれたし、その後のカントクの起用法にも影響を与えられたかもしれない、と考えるとあれは惜しかった。

6.ヤットは前半の2列目では坂本あたりのマークのお陰であまりいい仕事は出来なかった。後半ボランチの位置に下がったけども、2列目やFWとの兼ね合いを考えるとボランチがベストなのか?ただ、この試合は連携不足という点もあるけども、やはり数日前まで別メで調整していたように、東アジア選手権からの、もっと言えば去年一昨年からの疲労というのを引きずっていた。2年前の開幕時期も代表の遠征などで、今年と似たような状況かもしれないが、あの時と異なるのは、2歳年をとっていることと、あの頃からの連戦続きで、疲れが相当たまっていることだ。この辺りは倉田との併用で、状況に応じて休みが必要かもしれない。

そうなると、セットプレーにおいてヤット頼みというのも考え直す必要があるかもしれない。前半にいい位置で得たFKも、去年の苦い記憶のせいか、千葉の壁はジャンプして対応していた。こういう場合は一度下を狙ってみて、下もあるぞ、と思わせるのがいいんですがね。それでも今の段階でヤットに変わるキッカーというのはいないから、カントクも外せないのは判っているけども、二川や倉田あたりがしっかり蹴れないとヤットへの負担は増すばかりとなる。

7.カントクは選手交代によって攻撃的なメッセージを送り続けたが、加地不在の影響が出た。右サイドに関しては佐々木を下げて橋本を一度持ってきたのは守備のテコ入れであったが、右サイドからの仕掛けを考えて更に寺田を入れざるを得なかった。しかし、寺田と換える相手が二川というのが妥当だっただろうか?本当に「超攻撃的」に行くなら、むしろ精彩を欠いていた遠藤を下げて1ボランチにしてでも(その分カウンターのリスクが大きくなるのは止むをえない)攻めに行くべきであったかもしれない。最後はミチを下げて左サイドからのクロスと引き換えにの播戸投入によって4トップ状態して、パワープレーを狙ったがこれもチグハグ。パワープレーでのターゲットという点では、ここでもシジが抜けた穴というのが影を落としていた。

まあ、ガンバについて言えばこんな感じでしたかね。

一方の千葉であるが、クゼ監督の言葉通り、守備から入る形でチーム作りをしており、それはある程度この試合では達成できた。けど、それはアウェーの試合で、ガンバ相手であるから、ある意味押され気味の展開であったため、引き分けでもよしと出来たわけで、攻撃力にかつての面影は無い。今の戦力から見ればそれが現実的なのかもしれないが、これはあくまでもチームとしての最低限の土台を築いたに過ぎないため、攻撃をそこから上積みできなければ、シーズンは相当厳しい。

レフェリーについても言及しておこう。この日の佐藤主審のレフェリングには疲れたとしか言いようがない。明神が巻へタックルしたのがイエローを取られた場面であるけども、アズーリで録画を見直してみると確かに明神の足の裏が巻に対して入っている。けど、明神はあくまでもボールを奪いにいったプレーの中で結果的にああなったまでのことで、決して悪質なプレーではなかったとは思う。それに対してカードを提示したのは主審の判断だが、ガンバの選手たちが抗議していたことが象徴するように、周りも納得するような、ゲームをコントロールしたカードとは言いがたい。結局これがその試合の基準となって両チーム合わせて6枚もカレー券が入り乱れる結果となった。ガンバも千葉もそれほどカードが多く出るチームではないというにも関わらず。

他にも、コーナーキックとゴールキックの判定がいい加減であったり(前半巻がアピールしていた場面など)、アドバンテージというルールを知らんのかと思うくらい、アドバンテージよりもファウルを優先してカードを出してしまう場面も見受けられた。確かに、危険なプレーと判断したら止めるという判断でもいいとは思うけども、本当に倒れていればこちらから自主的にボールを出すわけだから、もう少しアドバンテージを見てもよかったとは思う。

しかし、これは何も佐藤主審だけの問題ではなく、日本国内における判定基準の問題に行き着くだろう。ゼロックススーパーカップといい、この試合といい、どうも取り締まるという発想がゲームを円滑に運営するという発想を上回っているように思うのは筆者だけだろうか?

といった具合にこのように開幕戦の感想を書き連ねて来たが、0対0のスコアとは言え、これだけのことを書けてしまうのだから、スコアレスが退屈だなんて部外者には言われたくはないね。まあ、リーグ戦では徐々に連携を深めてコンディションを上げていけばいいわけで、当面結果が求められるのはACLの方であるわけで、水曜のチョンブリ戦は結果を出して貰いたいものだ。


2 コメント

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Unknown (ウナギイヌ)
2008-03-10 23:48:47
おつかれさまでした。
確かに西野さんの采配は少し硬直感がある気がします。今日くらいの遠藤を外すくらいの選手起用は望みたいですね。FKは寺田に蹴らしたいなあ。

あと練習で見ていても福元はロングフィードが本当に良さそうなので、どこかで彼を試してもらいたいです。

そういった意味も含め、ルーカス・山崎・ミネイロの起用やポジションはチョンブリ戦、どうでるか楽しみです!!
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Unknown (民国97年)
2008-03-12 07:33:21
>ウナギイヌさん

先日はお互いにお疲れ様でした。

今日のチョンブリ戦の起用ですが、恐らく勝つ為に最初は千葉戦と同じ顔ぶれで言って、点差が開けば主力を途中で休ませる交代というのもあり得るでしょうね。そうなると、ダイヤモンド型の中盤で明神の1ボランチに寺田・二川・ルーカスが2列目に入り、FWは山崎とバレーという布陣になるかもしれないです。

福元、そうですね。実は途中で休ませるとしたら、疲れの見えたヤット、智、そして明神というベテランじゃないかとは思いますが。
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