大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

松波監督の功罪を考えるならば、もし今のチームで西野なら、という風に考えてみよう

2012-11-29 23:09:01 | ガンバ大阪
松波監督の功罪について他のブログでも検証されていて、かつ毒殺日記さんの方ばかりにその役割ばかりを押し付けたりするのも申し訳ないし(ガンバのスタイルなんていう定義の難しい上このないものについても考えこませてしまった)ここらで自分も書いておくことにします。

その前にサポの間では西野さんへの郷愁を未だに強く持っておられるひとが居るんで検証前に書いておく必要があるのは、もし現有戦力を西野氏に率いさせたらどうなっていたか、というのを仮定した場合、そんなにいいサッカーにはなっていないんじゃないかっていうこと。

多分、前線の組み合わせはレアンパウの舶来2トップでこの二人に如何に点を取らせるかというところから逆算したチームづくりをしていただろう。となると、ポゼッションを基調としつつも、去年のようなカウンターを織りまぜてというスタイルになっていたかもしれない。守備に関して言うと、今の正信よりは整備は出来ているかもしれない。まあ、勝負はカウンターで決めるんだから、リトリートしてブロックを形成するということもやっていたかもしれない。その場合に必要なのは汗かきタイプの選手で、武井なんかは未だに2列目で起用されていたかもしれない。

その一方でやはりベテラン頼みは続いていただろうし、選手起用も特定の選手に偏っていたかもしれない。実はまあ、正信は割といろんな選手にチャンスを与えているわけです。横谷やジョンヤはそうしたチャンスをモノにしたとは言い難いんだけども、途中までは重宝されていた。

まあ、全体的にはもう少し順位を押し上げていたのかもしれないんだけども、ただそこで今と比べると得るもの失うものは見えて来ているかな、という気はする。

今のサッカーってグノやアドなんかに頼っていた去年に比べるとカウンターの精度というのは落ちてはいる。その辺はコンセプトの違いかもしれない。ガンバはもっとカウンターは得意だったはず、という自分の周りから聞こえてくる声もそうした点を指摘していると言えるだろう。

ただ、レアンが前回いた時に比べると今のサッカーにはすごくフィットしているという現状を考えると、やはりそれは西野時代の09年の前半のような戦術レアンになっていた時よりは、パスを繋ぐ戦術の熟成というのが計られているからじゃないかという気がしないでもない。勿論、家長の存在も忘れてはならないだろう。スペインから戻ってきて、スペイン語が話せるようになってからはレアンとはプライベートでも一緒に買物を楽しむくらい打ち解けられる存在が身近にいることも大きい(今でも物足りなさはあるが、以前の家長を知っているものからすれば、前よりは走る意識は上がっていることも付け加えておこう。これはそのことに気づくまでスタメン起用しなかった正信のお陰とも言えるが)。けど、根本的にはサッカーのコンセプトの問題にも行き着くんじゃないかって思うわけです。

まあ、こういう風に書くと、今年の状態だったらば西野のやり方の方が良かったんじゃないかっていう声が上がるかもしれない。ただ、そこそこの結果を出しながらも、これがパスを繋ぎ倒すガンバスタイルなのかっていうと正直微妙だったし、西野時代の末期なんかはそうした西野流に対する閉塞感というのも漂っていたっけ?

その意味では、確かに今の状態って苦しいどころか土曜の結果で今後のガンバの運命が左右されるというところではあるんだけども、正信が決していわゆる残留仕様なサッカー(これも定義が難しいが、リトリートしてブロックを作って、カウンターで点を獲りに行くみたいな)を選択していない、というのは勿論それをやるために必要な人材がいない(特に後ろの方に)という問題もさることながら、それ以上に彼自身の志の問題というのが大きいかと。つまり、彼自身は何かをガンバに残そうという風に考えていたかもしれない。そして監督としての経験不足並びに前任者の負の遺産の引継ぎといったハンデを抱えながら、色々と試行錯誤を繰り返した挙句、最後は殴り合いしかない、という境地に辿りつけたということなのだろう。そうやって開き直ってからの彼の采配は良くなった。ターニングポイントがアウェーの仙台戦だったというわけです。

まあ、残留仕様にシフトしなかったという点については色んな批判があるかもしれない。ただ、残留出来るか出来ないかというのは実は短期的な問題であって、目先の残留を選んだとしても、それが将来的に上に行けるという保証はないだろうし、そうした形で勝ち取った残留後遺症といったものがサッカーのスタイルに染み付いてしまうと、それを取り除くというのは結構大変なものかもしれない。まあ、これについては何が正しいということをここで断言するつもりはないんだけども、将来的になことを考えると目先のことを取るのがいいか悪いかなんてことは誰にも判らないことじゃないだろうか?個人的には今は評価されていないし、結果はなかなか出なかったけども、後になってみれば、正信がやろうとしていたことはこういうことだったのかと理解出来るようになるし、評価出来るようになる日が来るかもしれない。彼が残留仕様にしなかったことがいずれ生きてくるだろうとは思うわけです。

その意味で、良くも悪くも我々が今応援しているのは「ガンバ大阪」だということだけどもね。