大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

なるほど、大きく出たな

2012-11-25 22:04:35 | ガンバ大阪
デイリーとサンスポだっけ。シーズン終了後に全選手と契約更改の交渉を行うと報じていたのは。まあ、チーム解体の危機というのは、今回ガンバが選手に対してやろうとしていることの趣旨を考えると的が外れているかな、というのが現時点での感想。てか、どこかガンバに対する冷やかしが入っているだろうな。

複数年契約で契約期間中にも契約を行うのか、というのは意外に感じるかもしれないけども、クラブからしてみれば複数年契約にはリスクが伴うんで、年俸に関しては、大幅ダウンは難しいけども、その年の成績に応じて見なおしていき、パフォーマンスによっては微増、微減という余地を残していくものだろう。

一番判りやすい例が今年インテルと契約を延長した長友のケースで、数年先まで契約を伸ばしたけども、每年年俸は交渉出来るらしい。まあ、インテルにしてみればサイドバックのポジションは手薄なんで、よそからの強奪防止目的で長期契約で縛った上で、更に年俸を見直せる余地が出てくるというメリットはある。この辺実にモラ爺は抜け目ないですなあ。

逆に言えば、こういうシステムというのはクラブの方が契約で拘束出来る分、契約期間中の年俸見直しというのは、基本的にはクラブが優位に立っていると言えるのではないか?まあ、サッカーの世界では、NBAでやっているみたいな、よそに強奪されないようにするというPoison pill(毒薬)と呼ばれる、契約最終年に近づく程に徐々に年俸が上がっていくような、選手強奪を防ぐ複数年契約の仕組み(かつてのメロや最近のジェレミー・リンの契約がそれに当たる)はなかなかないんだろうけども、長友との契約だって、インテルにしてみれば充分なPoison pillに当たるのかもしれない。

そう考えると、今でもサッカーの世界での契約においては、まだまだクラブの方が立場が強くて、旧来の移籍金撤廃というのはクラブにとっては収入ダウンや選手のプロテクトが難しくなったんだけども、見方を変えるとようやく選手らも対等にモノを言えるようになったとも言えるのだろう。契約期間中は年俸等の諸条件を含めて拘束を受けるからこそ、契約切れになったら違約金なしで出ていくというのが選手に残された抵抗手段だったりもする。まあ、これはあくまでも選手側の言い分なんだけども・・・

で、今回のガンバのケースなんだけども、恐らく残留・降格に関わらず、契約期間中の選手らには厳冬更改が待っていることだろう。この成績だったら当然そうなるだろうね。これに対して、選手の側が対抗する手段としては、どこそこからオファーがあることを匂わせるということなんだろうけども、ウチで払っている高年俸を負担出来るクラブが国内にあるかというとこれは疑問。あと、30代のベテラン選手に声を掛けるところがあるかという話。

仮にどこかのクラブが、ウチが面倒みますから、と言った途端、金銭的にはその選手を負担出来たとしても、今度はそのクラブが強奪した選手らを基準にして他の選手の年俸を上げないと、彼らの不満が続出してしまう、っていうことにもなりかねない。つまり、移籍っていうのは今のクラブと結んでいる、年俸を含めた契約の譲渡っていう考えが解りやすいだろう。

だからまあ、これから牽制球オファーみたいな話は色々と出てくるかもしれないが、食いつけるもんなら食いついてみろや、毒に当たっても知らんからなっていう風にガンバのフロントは思っているわけです。これがまさにガンバ流 Poison Pillって、決まった?w 仮にそれでも出ていかれたらしゃあないけども、違約金は残してくれるし、その選手に払っていた人件費は浮くという保険は残る。

逆に、20台の選手で、年俸も高くないという選手には本当に食いつかれる可能性があるんで、そこら辺には逆に契約切れなら好条件での再契約とか、契約期間中でも延長の話を持ちかけたりする必要はあるだろう。その為の年俸見直しっていうのをやろうとしているんだろうな、ともとれるし、リスクヘッジはきちんと出来ているな、というのが今回の深読み。だからまあ、一連の記事を読むと、今回は大きく出たな、というのが率直な感想ではある。

J聯賽第33輪 大阪鋼巴2-2FC東京

2012-11-25 10:56:29 | ガンバ大阪
試合後のセレモニーにおいて正信に対するブーイングや辞めろコールが出たことに対して、この場でこういうことを言うな、とか彼もある意味被害者やったんや、という擁護コメントがスタンドで出たわけなんだけども、多分正信に対しては言いたいことはある人は多い。

実際、この試合においても、選手交代については議論の余地があるだろう。交代の負の側面に関しては、毒殺日記さんが触れておられるので割愛するけども、正の部分について言えば、秋に替えて勇人を入れたことで攻撃が活性化し、2点目の起点となるレアンへの楔パスを入れたことだろう。フタの交代にしても阿部を入れたことで運動量は取り戻せている。しかし、3人めの家長=>パウの交代が微妙だったかもしれないが、意図としては前線からのチェイシングをさせようとしたらプレスバックしない家長では不満があったということかもしれない。だから交代させられる家長にだって足りない部分があったのは確かなんだけども、それ以上にパウが消えていたというのが誤算、というかあそこでパウに頼らざるを得ない今のFW陣の層の薄さが正信的には問題だったかもしれない。

ただ、問題はこの場でこれを言うことなのかっていうことだろう。自分たちは正信に対して盲信するつもりはないからというのならば、本当はもっと前に監督を替えるタイミングがあったわけで、その時にもっと声を上げていればなんだけども。ただ、それでもその時期には悩みどころではあっただろうな。

個人的には、仙台戦に敗れてからは、加地さんの途中交代というアクシデントがあった広島戦(秋の有給もなにげに痛かった)を除いては、正信は彼なりに攻撃を活性化させる交代はやっていた。その意味で、失点は多いけども得点も多いという今のサッカーを良くも悪くも彼はやっているとも言えるかもしれない。正信を批判してきたけども、この点については認めている。いいところはいいと言い、悪いところは悪いといのならば、この試合でのガヤのセーブがなければ負けていたわけだからガヤについてもっと褒めてあげたらいいだろう。

今朝になって日刊で出ていたのが長谷川健太さんですか。確か去年の今頃に彼に期待していたことを書いていたっけ?この人の清水時代の選手交代もバランスを意識してリスクヘッジをしつつ前がかりになるということを意識したものだったと思う。例を上げれば、健太の清水での最後の試合となった天皇杯決勝の鹿島との試合なんていうのがそれに当たるわけ。市川なんかを投入したというのは決して清水で最後となる彼への温情とかではなく、サイドからの攻め上がりとか、意外性のあるミドルとか(いい時の市川はそういう武器を持っていた)、あるいは後ろの誰かを前に上げるとかいうものを意図したものだったかもしれない。その意味で健太も正信と似たところはあった。

ただ、健太の場合は守備練習というのには時間を割いてはいたらしい。試合前日にはセットプレーからの守備というのを確認していたというし、そうした練習は逆に攻撃の時にも役には立つものではあるけども。健太招聘というのは、そうした守備の部分でのバランスを意識したものかもしれないが、それはガンバ生え抜きのコーチ陣よりは外部から招聘した方がいいという判断かもしれない。まあ、どうせなら去年のオフに健太と話出来ていればだけどもね。

だからまあ、このことから伺えるのは、結局今季途中で正信を解任出来なかったのは、金銭的な理由というのが大きかったんだろう、ということなんですな。2年目の違約金よりは、むしろ今年の監督に掛ける人件費の問題。それは、確かにセホロペで使いきったということもあるだろうし、夏の補強というのが監督人事に影響を及ぼした点もあるだろう。

これと似たような事例がNBAのレイカーズで、大型補強したもののプレシーズンゲーム全敗で、開幕から勝てない状況が続いたら、ついにシーズン開幕早々で、HCのマイク・ブラウンを解任した。ただ、フィル・ジャクソン待望論が出たにも関わらず、後任が結局マイク・ダントーニに落ち着いたのは結局はジャクソンを呼ぶとなった場合の年俸の問題(ダントーニの倍以上の1千万ドルだと言われていた)にピッペン入閣という条件が今のレイカーズには過大だったと言われている。

まあ、NBAの場合近年サラリーキャップが骨抜きになっているような状態の中で、選手総年俸だけで1億ドルで、ラグジュアリータックスだけでも3千万ドル近く払っているという状況となると、流石に前と同じ条件でジャクソンを再度招聘するのは難しかったかな、と個人的には思いますね。

ここから学べる教訓というのは、レイカーズにしても、ガンバにしても使えるカネは全然違うけども、限られた予算の中から、選手への人件費とチーム首脳陣の人件費のバランスをどう考えるかってことですかね。

ところで、今のNBAは追いかけていくには充分面白いとは思います。追いかけている人にとってはいつまでマイケル・ジョーダンやねん、というくらいにw レブロンやコービーは言うに及ばずだが、その他にもデュラント、ウエストブルック、C・ポール、ローズといった能力の高い選手らが揃っている。ただ、そうした人気が日本では一部のマニアだけのものにとどまっているんよね・・・