戯曲を書く。演出家が、役者や音や光の専門家が、それを読む。そして時間をかけて舞台という形に作り上げていく。お客さんの目に触れるのは、その作り上げられた舞台だ。舞台は、私にとっていつもなんとなく他人事だ。私は、観客の一人となって拍手を送る立場になっている。私にとっての一番の喜びの時はというと、作品を書き上げた時なのだ。舞台にたつ役者のように拍手をあびることもないし、誰も共感してもくれないけれど、そんなことは関係ない。書き上げた原稿を前にして、私は一人で祝杯をあげる。もちろん、出来上がった舞台の評判がよければうれしいし、悪ければがっかりもする。でも、得意になったり反省したりは、あまりしない。良くも悪くも他人事だ。それでは寂しいかなと、今回は衣装や小道具を担当させてもらったりしたが、やっぱり途中で音を上げてしまった。はた迷惑な衣装・小道具係だった。でもまあ、とにかく公演は始まった。小さなスペースは満員になった。遠くから駆けつけてくれた人、何年ぶりかで会えた人、いつもの顔、初めての顔…。
公演中は入口に立って「いらっしゃいませ、ありがとうございました」を言うぐらいしか私には出来ない。でも、人見知りで引きこもりで自分勝手で挨拶もろくに出来なかった子供の頃の私が、今の私をみたらどう思うだろう。今回は「いらっしゃいませ、ありがとうございました」の言葉が、前回よりもスムーズに言えた。それがちょっとうれしかった。みんなで作っていく舞台が、他人事ではなくなる一歩って、そういうことなのかもしれないなと、ふと思った。
公演は終わった。公演にかかわってくださった皆様、「森陰アパートメント」にご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
公演中は入口に立って「いらっしゃいませ、ありがとうございました」を言うぐらいしか私には出来ない。でも、人見知りで引きこもりで自分勝手で挨拶もろくに出来なかった子供の頃の私が、今の私をみたらどう思うだろう。今回は「いらっしゃいませ、ありがとうございました」の言葉が、前回よりもスムーズに言えた。それがちょっとうれしかった。みんなで作っていく舞台が、他人事ではなくなる一歩って、そういうことなのかもしれないなと、ふと思った。
公演は終わった。公演にかかわってくださった皆様、「森陰アパートメント」にご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。