ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

海のみえる美術館

2007-05-24 | Weblog
再びサントリーミュージアムへ。今の時期は「20世紀の夢 モダン・デザイン再訪」というのをやっていて、20世紀前半に作られた家具やウイリアムモリスのポスター、カンディンスキーの絵など、モダンデザインのさきがけとなった数々のコレクションが展示されている。平日の美術館は閑散としている。2,3人の先客。聞こえるのは空調の音と足音だけ。展示室を出たところで、景色がひらける。この美術館のなかで、私が一番好きな場所だ。広々とした空間に対峙されたソファー。床を、窓枠に切り取られた光が横切っている。正面のガラス窓いっぱいに広がる海、水平線、船、光る波頭。普段は目に触れることのないものたち。硬くなっていた心がほぐされていく。
いつものカフェでコーヒーを飲む。カフェの窓からも海がみえる。停泊している大きな船。汽笛がなると、私はそのまま船の乗客になっている。この船はどんな思いも乗せて行ってくれる。懐かしい場所へ。誰かとの時間へ。なんとかなるかと思う。なんとでもなるよと思う。コーヒーを飲み終わる頃には、来た時よりも少しだけやわらかくなった自分がいる。

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