柔らかな水彩画のタッチのチラシを、デザイナーの荒木康代さんが描いてくれた。とても素敵。
今回は、稽古をしながらかなり本を書き直している。自分の頭のなかだけで作り上げていた物語は、役者の言葉や行動となって現出すると、なんだか違うなと、思うことも多い。今までも、稽古が始まってから書き直すことはもちろんあったけど、今回、自分が演じる立場にもいて、はじめてみえてくることがたくさんあった。まだまだ出てくるだろう。幸さんの演出は、とてもわかりやすい。私が雰囲気で書いてしまっていたり、なんとなく処理してしまっていたつながりを、演出家はちゃんと形にしないと舞台化することができない。演出家って、いいかげんな作家のつじつまあわせにこんなに苦労してるんだと、つくづく反省。
京阪三条駅近くにある稽古場には、阪急河原町駅から歩いていく。河原町を横に逸れて、木屋町の高瀬川沿いや先斗町の狭い酒場通りを通り抜ける。新しい店が出来ても、このあたりの街並みは変わらない。古い街ならではの詩情がある。
直木三十五記念館のある大阪の谷町六丁目のあたりも、そういう感じで、私は好き。
谷六といえば、この間、パブデッシャロというパブで落語会があった。デッシャロって何語かなと考えてたら、なんだ、大阪弁じゃない。で、落語。目月亭一門に入門して、目月亭色目なんて名前がついた松本クンのはじめての高座を、奥さんの愛紗ちゃんと観る。古道具屋のねこが売れるとちゃわんも売れるというのを語っていた。なんだかすっごく上手だったのでびっくり。芝居では上手だと思ったことなんてなかったのに(ゴメン)。ほんと、正統派の古典落語を聞いているようだった。いつのまにそんなに上手くなったの?
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