ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

「夜の言箱」、終了です。

2013-11-17 | Weblog
築およそ100年という蔵カフェ・月心庵での「杏&佳葉のろうどく会・夜の言箱」。

心配していた客席も、月心庵の店長さんの声かけで来てくださった方やアポなしでひょっこり来てくださった方たちが加わって昼の部はいっぱいになり、夜の部もそこそこに。
同じ茨木市でBRAを経営されている方も観に来てくださって「今度うちでもやってください」なんてアンケートに書いてくださったり。「箱」をとりあげた企画のせいか、私の本「微熱の箱」もたくさん売れて、これにもびっくり。

受付をお願いしたまっさんは当日制作全般に気を配ってくれたし、照明・音響をお願いしたゆりさんは前説や舞監も引き受けてくれた。まあ、やらざるを得ない状況だったんですが(-_-;)。

佳葉さんは詩で等身大の心情を書く人だし、私の書く作品の多くは物語の世界だ。
一つの公演としてばらばらの印象にならないか心配だったが、二人の作風の違いや声質の違いを、かえって変化があって楽しめたと言ってくださったお客様もいたし、フリートークの苦手な二人が30分以上もおしゃべりした「箱あそび」も以外に好評でほっとする。

今回はそれぞれが自分の書いたものを読み、バックに流す音楽もそれぞれが自分で選んだ。
私が選んだのは、作品に合いそうと軽く決めた彩愛玲さんの演奏するアイリッシュハープの曲だったのだが、その音色は、稽古していくにつれて読む呼吸とも心とも密に重なっていった。
愛玲さんは、5年ほど前、東京の劇団大樹さんが「月と語りとアンサンブルーみ群杏子の世界ー」を企画された時に、生演奏を聴かせてくれた人だ。
私は劇団大樹の川野さんにメールして、あのアンサンブルの公演の時の生演奏を愛玲さんのハープに決めた理由を聞いてみた。
川野さんはアイリッシュハープの形からあの時のテーマである「月」をイメージしたそうで、その音色を「身体のなかの水が反応するような」と表現されていた。
そういわれれば、私のなかの何かがその音色に反応したと思える瞬間が確かにあった。
夜中に一人で曲に合わせて「夜光虫」を読んでいた時だ。作品世界がわさわさと迫ってきて私は声を詰まらせた。
この音色は危険だ。この音色に同化しないように飲まれないように語らなければならないと思った。

最近肩こりから解放されていたのに、昨日から久しぶりに肩が凝っている。
佳葉さんに「緊張する」と盛んに言われて、私のほうは緊張しそびれたと思っていたのだけど、やっぱり緊張していたんだ(笑)。

佳葉さん、お疲れ様!
まっさん、ゆりさん、月心庵の店長さん、お客さま、本当にありがとうございました!

(写真は当日の月心庵。ばたばたしていて写真を撮るのを忘れたので、酒匂さんの写真をお借りしました)。