徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

放射線治療終了(がん闘病記23)

2018年02月20日 | 健康

今日で28回の放射線照射が終了しました。2月12日のローゼンモンタークを除き平日は毎日通院するという人生初の体験でした。照射自体には時間は大してかからないので、病院に入ってから出てくるまで30分以内で済むことが多かったです。だから通院の負担は軽かったと言えます。副作用の方は、下腹部照射のため尾籠な話になってしまいますが、結局一回の便秘で痛めた肛門とその周辺の傷が治ることなく、その後便が柔らかになっても痛みが治まらずに血が混じります。処方されたクリームは塗っているのですが、傷の治りが遅いのも放射線照射の影響のようです。回復はこれから、というところでしょうね。副作用や後遺症に関して経過観察するため、6週間後に再度来るように言われました。

今月は婦人科の検診にも行ってきました。本当は去年の夏に摘出手術を受けた後すぐに行くべきだったのですが。。。まあとりあえず異常はなかったので、結果オーライということで。ただし、「膣内容塗抹で若干の変質が見られた」とのことで、引き続き「要観察」だそうです。こちらは半年後に再検診です。

この「若干の変質」って嫌な響きですね。以前、2015年に子宮筋腫で子宮掻爬手術を受けた際に子宮壁の細胞にも「若干の変質」があって、結局それが2年後に子宮内膜がんに発展したと思われるので、「心配するほどのことじゃない」と言われても心配になってしまいます。

明後日は化学療法を受けたがん専門クリニックで血液検査と担当医との面談があり、そこで今後の方針を決めることになります。恐らく「段階的復職」の段取りを決めることになると思いますが、その前に何もしないバカンスが欲しいですねぇ。温泉とかで療養できたらいいですね。

がん闘病記24


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

抗がん剤投与5回目(がん闘病記13)&健康ジュースいろいろ

抗がん剤のお値段とがん代替治療の死亡率(がん闘病記14)

抗がん剤投与6回目&障碍者認定(がん闘病記15)

化学療法終了…その後は(がん闘病記16)

放射線腫瘍医との面談(がん闘病記17)

放射線治療の準備(がん闘病記18)

放射線照射第一回(がん闘病記19)

放射線治療の経過(がん闘病記20)

放射線治療半分終了~副作用キター!(がん闘病記21)

直線加速器メンテナンスのため別病院で放射線照射(がん闘病記22)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)



書評:恩田陸著、『木曜組曲』(徳間文庫)

2018年02月20日 | 書評ー小説:作者ア行

『木曜組曲』は物書きの女ばかりが登場するミステリーです。謎の死を遂げた耽美派小説家・重松時子が木曜日を愛したことから、彼女を偲ぶ宴も命日のある週の木曜日を挟んだ3日間催されることから、このタイトルが来ています。

商品説明

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、いつしか告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子は、自殺か、他殺か? 気鋭が贈る長篇心理ミステリー!

感想

商品説明だけではこの作品の魅力が伝わらない気がします。亡くなった時子を含めて6人の女たちはそれぞれに一癖も二癖もあって、その独特のキャラクターがよく描写されており、また6人のうちの4人は血縁関係(静子が時子の異母妹、尚美、つかさが時子の姪)にあり、それはそれで複雑に絡んだ感情がうごめいているし、編集者のえい子は時子を見出して育ててきたという数十年に及ぶ濃厚な関係があり、また現役編集者としての若手作家たち3人(尚美、つかさ、絵里子)に対する思惑もあるので、かなり濃厚な心理ドラマが味わえます。

「謎のメッセージ」は花束と共に来ます。差出人は「フジシロチヒロ」。時子の最後の作品となった「蝶の棲む家」の主人公の名前。カサブランカの花束は、時子の旧居「うぐいす館」にある黒い花瓶のためにしつらえたかのよう。一体こんなことをしたのは誰なのか?

「重松時子さんの家に集う皆様に
皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます。」

この差出人は何を知っているのか?「皆様の罪」は何を指しているのか?時子の謎の服毒死はやはり他殺?それぞれの記憶を突き合わせていくと色々と不自然な点が出てきます。

自殺か他殺かの結論が出てからさらに2バウンドくらいして話が終わるところがまた面白いです。

物書きの女たちって怖い(笑)

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三月・理瀬シリーズ

書評:恩田陸著、『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『黒と茶の幻想』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『黄昏の百合の骨』(講談社文庫)

関根家シリーズ

書評:恩田陸著、『Puzzle』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『六番目の小夜子』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『象と耳鳴り』(祥伝社文庫)

神原恵弥シリーズ

書評:恩田陸著、『Maze』&『クレオパトラの夢』(双葉文庫)

書評:恩田陸著、『ブラック・ベルベット』(双葉社)

連作

書評:恩田陸著、常野物語3部作『光の帝国』、『蒲公英草紙』、『エンド・ゲーム』(集英社e文庫)

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学園もの

書評:恩田陸著、『ネバーランド』(集英社文庫)

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劇脚本風・演劇関連

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書評:恩田陸著、『中庭の出来事』(新潮文庫)~第20回山本周五郎賞受賞作品

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短編集

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書評:恩田陸著、『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎単行本)~第156回直木賞受賞作品

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書評:恩田陸著、『私の家では何も起こらない』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『ユージニア』(角川文庫)

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書評:恩田陸著、『ネジの回転 FEBRUARY MOMENT』上・下(集英社文庫)

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エッセイ

書評:恩田陸著、『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)