徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

2018年03月06日 | 書評ー小説:作者ア行

この『小説以外』というエッセイは「ヤバい」です。

商品紹介には、「本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか? ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女漫画、日本文学……あらゆるジャンルを越境する読書の秘密に迫る。さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。」とありますが、その通り本の話題が多く、しかも著者の読書歴が私の読書歴とほとんど重ならないため、読みたい本が大量に発生してしまったのです!!!

ただでさえ興味を覚えた本はどんどん買ってしまう癖がついている私には未読の本が山のようにあるのに、さらに大量に「アレも面白い、これも面白い」とお勧めされてはチェックしないわけにはいかないではないですか!

それで早速買ってしまったのがアガサ・クリスティーのミスマープル・シリーズやポワローシリーズなどの9冊です。誕生日のプレゼントに同僚からいただいた図書券を使って原語の電子書籍を1冊あたり4~5€で。(ダン・ブラウンの「オリジン」やカズオ・イシグロ作品数点も原語で買ってあるのに、いつ読めることやら)。クリスティーは推理小説の古典で、すでに大量に映画化・ドラマ化されているため、原作を読んだことなくても題名や粗筋を知ってたりするわけですが、ずっと気にはなっていたのです。

そういう意味では江戸川乱歩作品も気にしてます。小・中学校の時に何冊か読んでいるのは確かですが、「読んだ」という事実を認識しているだけで、題名も粗筋もすっかり忘れてしまっています。大人になった今読んだら別の感慨があるかも知れないと思うのですが…

まあ、そういう感じで『小説以外』には著者の読書熱が伝染するエッセイが盛りだくさんなのです。

その他恩田氏自身の小説の裏話とか、書こうとしている小説の話とか、「ふーん、こういう風に考えていたんだ」と興味深く読ませていただきました。萩尾望都の漫画が好きで、そのイメージが小説にも反映されているというのを読んで親近感が湧いた一方で、全然それが分からなかったことにちょっとショックを受けたり...

巻末には恩田作品の一覧が年表になって(2008年まで)記載されており、その中にも未読のものが何冊かあるのを発見してしまい、なんかもうきりがないです。

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