徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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化学療法スタート(がん闘病記3)

2017年08月08日 | 健康

今日はいよいよ化学療法開始。副作用の酷さにビビりながらがん専門クリニックへ行きました。

先週埋め込み手術したCVポートが初めて使用されました。ポートに針を刺していいのはがん専門医のみで、下手な助手が扱うものではないことに安心感はありましたが、それでも「試し打ち」されてしまいました。教授の称号を持つドクターが事に当たりましたが、助手の用意した針が短すぎてポートに届かなかったのです。これはかなり痛かったです。
長い針を使ってなんとかポートに到達したようでしたが、中の水分が多すぎるとかで、そこから採血することができず、結局助手が従来通り腕の静脈で採血する羽目になりました。ここでも「試し打ち」されちゃいました。2回目のトライでもいまいちあたりが悪くて血の流れが悪かったのですが、なんとか採血できました。こういうことを避けたかったからCVポートを埋め込んだんですけどねえ。。。

投薬は下の写真のような投薬プランに沿って行われます。

I Akynzeo 300mg⇒吐き気・嘔吐抑制剤

II Dexamethason 8mg⇒ステロイド系抗炎症剤

III Paclitaxel (パクリタクセル)300mg⇒抗がん剤

IV Carboplat(=カルボプラチン)500mg⇒抗がん剤

V 生理食塩水 100㎖

VII Emend、MCP、Movicol N2(便秘薬)

IとVIIの薬は錠剤・粉薬として手渡されました。Akynzeoは1錠だけしか入っておらず、その場ですぐに服用するように言われました。

 

治療手帳(Therapie-Pass)も渡されました。来院のたびに持参しろとのことです。

中味は血液検査と投薬の記録です。

クリニックに行ったのは12時半でしたが、出てきたのは午後5時半でした。初めは混んでいた点滴ルームも最後は私一人でした。速い人はトータル30分位の点滴で済んでしまうようです。 

私の場合は、パクリタクセルという抗がん剤の点滴だけに3時間かかるので、その他もろもろの投薬でトータル4時間強になってしまいます。しかしそれは毎週のことではなく、3週間に一度だけです。来週は血液検査のみになります。

まあ、とにかく4時間することがないので、スマホもeブックも持ち込んで暇をつぶしましたが、うたた寝している時間もかなりありました。

全部済んだ時にはわずかな眩暈があり、迎えの車まで歩くのがかなり億劫に感じられました。とにかくひどい眠気があり、帰宅後すぐにベッドに倒れ込むように爆睡しました。2時間ほどで目は覚めましたが、だるさは取れず、あまり長いこと座っていられませんでした。

食欲は普通にあり、夕食後はだるさも随分なくなり、こんなブログ記事を書けるほどには回復しました。

若干耳鳴りがあるような気がします。いまいち定かではないのですが…

 

こうやって、自分の病気のことをオープンに書いているとたくさんの方から励ましの言葉や有用なアドバイスを頂きます。このようなポジティブな社会的つながりは幸福ホルモンの分泌を増やし、免疫力を高める効果があるとケリー・ターナーの『がんが自然に治る生き方』のも書いてありました。本当にありがたいことです。

最も中には「切除、放射線、化学療法は主流ですが延命効果はない」などとわざわざコメントする方もいて、不快感を感じずにはいられません。延命効果のあるなしは癌の種類や治療開始時のステージなどによって大きな違いが出ることは確かで、抗がん剤は逆にがん再発を招くこともあるという所見もありますが、だからと言って全般的に「延命効果はない」と断定するのは非科学的でしょう。それは多くのがんサバイバーの方たちが存在すること、そしてその人たちが必ずしも代替療法を受けたわけではないことからも明らかです。

そういう間違った所見をわざわざ現在進行中で化学療法を受けているがん患者に伝える意味とは何でしょうか?ただの自分の意見の押し付け、「知識」の押し売りではありませんか?

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書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)