徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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化学療法の後は放射線治療?!(がん闘病記12)

2017年10月18日 | 健康

今日は血液検査とドクターとの面談のためにがん専門クリニックへ行ってきました。

前回の抗がん剤投与前の血液検査では血小板の値が上がってましたが、今日はまた正常値に戻っており、全然心配ないようです。

抗がん剤投与後の副作用は、だるさと関節痛のみ。関節痛は投与後2日目に始まって2日間で収まりました。それ以外の、例えばドクターが特に心配している発熱なども全くなく、吐き気とか食欲減退とか「どこの話?」というくらい無縁です。

世の中には「抗がん剤治療は効果がないばかりか死ぬ原因」とか言って全否定する人もいますが、かと言って代替療法でがんが寛解するのかと言えばそうでないケースもかなりあります。実際にはこの分野では分かってないことが多いので、なにごとも極端な決めつけはよくないと思いますね。

有名な2012年に「Nature medicine」に発表されたNelsonを始めとするアメリカの研究者たちの論文では確かに抗がん剤治療が抗がん剤に対する免疫をもつがん細胞の発生に一役買っていることとそのメカニズムが明かされていますが、これはあくまでもより効果的な抗がん剤を開発するための研究の一環としての論文であり、ちまたの「抗がん剤効果なし」という主張を追認するものではありません。

ドイツでも確かに抗がん剤を含むがん治療剤は巨大な市場(2015年度は28.5億ユーロ)であり、抗がん剤を調合できる薬局またはその権利のある薬局が全国でたった600件しかないことを鑑みれば、少数ががっぽり儲けている構図が明らかになり、またそこに健康保険組合とのやり取りで不正請求(抗がん剤の価格を上乗せて請求)も少なくはないそうで、実に問題の多い所ではあります(Handelsblatt, 7. Sept. 2016, "Das hässliche Milliardengeschäft mit Krebsmitteln")。

とは言えドイツのトレンドとしては化学療法を止めて代替療法へ行くのではなく、「総合的な治療」への移行です。つまり化学療法単独ではなく食事療法や生活習慣改善および精神衛生上のケアを含めたトータルケアですね。私の通院しているクリニックにも栄養コンサルタントがいます。私を担当してるドクターは食べ物に関しては「何食べてもいいよ」とおおらかです(笑) 体重を維持することと散歩などの軽い運動をできる限りすることは勧めてますけど。

因みにドイツのテレビなどで現在話題になって、問題視もされているのは「メタドン(Methadon)」という鎮痛剤です。この鎮痛剤が抗がん剤投与の際に効果を高める作用があることが分かってきており、現在臨床試験の最中です。ただ、これが抗がん剤との併用ではなく、単独でもがん患者の生活の質を高め、あまつさえ寛解を達成できたという報告もあるため、多くのがん患者たちがこの奇跡の薬を求めて、これを処方してくれる医者のもとに殺到しているようです。メタドンはがん治療薬としては認可されていないため、あくまでも「鎮痛剤」として処方されます。

閑話休題。

食事の話に戻りますが、食事の基本はやはり「体を酸性にしないものを食べる」ことでしょう。新鮮な野菜・果物などのアルカリ性食品8割、善玉の酸性食品(全粒のパンや玄米、ナッツ類、発酵食品など)2割摂取するのが良いと例えば「Zentrum der Gesundheit(健康センター)」というサイトの記事で推奨されてます。肉・魚・卵もオーガニックのものを少量であれば「善玉酸性食品」にカテゴライズされているのは意外な感じがしないでもないですが、私も完全なベジタリアンではないのでこういう食品リストの方が実践しやすいです。

こういう食生活の他に3週間前からマリア・トレーゼンの抗がんハーブレシピに従って「ヤドリギ茶6週間療法」をやっています。

私が抗がん剤の副作用が少なく、人混みに行っても変な感染症をもらってこないで済んでいるのはこうしたハーブティーを含む食生活改善によるものではないかと考えています。元々の抵抗力が強いというのもあるでしょうけど、ただ病気をもらってこないというだけでなく抗がん剤投与にもかかわらず快食・快便で肌の調子までいいのはやっぱり食べ物のおかげだと思いますね。

まあそんな感じで結構体調がいいんですが、今日のドクターとの面談で「化学療法後」のことを言われてちょっと「うえっ」となってます。抗がん剤投与はあと2回で終了になり、その後は精密検査をしてどうするか検討する、ということは了承していたのですが、実は私が手術を受けたマルテーザー病院での腫瘍カンファで決まった治療方針によれば「抗がん剤治療、後場合によっては放射線治療」となっていたそうです。「だから検査の後は放射線治療医との面談の予約を入れておく」とドクターに言われました。放射線治療が必要と判断されるかどうかはまだ分かりませんが、治療は3か月くらいかかるようです。

感覚的に放射線治療はお断りの方向で考えてます。「必要なし」と言われればそれに越したことありませんが、「必要あり」でもやるつもりはないです。

がん闘病記13


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

化学療法の準備~ドイツの健康保険はかつら代も出す(がん闘病記2)

化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

抗がん剤投与3回目(がん闘病記8)

医者が満足する患者?(がん闘病記9)

マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

抗がん剤投与4回目(がん闘病記11)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)