☆良い映画でした^^
優しさに溢れたテューイ家の母親役を演じたサンドラ・ブロックは、この作品で今年のアカデミー主演女優賞とのことですが、「女王」の如く美しかったですよ^^
今まで、「馬」とか「ホース」とか、「鼻の下が長い」とか言って、すいませんでした。
役柄もあるのでしょうが、魅力的だった。
実話だそうで、暗くなった冬の寒い日に、通りで行き場を失っていた黒人青年を引き取った家族の物語。
私は、斜に構えてみる男なので、『マーリー/世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を思い出してしょうがなかったのですが、
この黒人青年(クイント・アーロン)、母性本能をくすぐるような素朴な魅力に溢れている。
心は少年、身体はオトナ・・・、と言う、年頃の娘のいる家庭において、また、子供好きらしい性格も含めて、危険な立ち位置ながらも、
その素直な立ち居振る舞いで、家庭や大学、その恵まれた体格からはじめたアメフト部で、次第に「社会」に受け入れられていく。
◇
テーマは、重層的である。
サンドラ・ブロック演じる母親は、この物語の中心となる個性の一つでしかない、
その夫や、娘と息子、大学教授たち、アメフト部のコーチ、民主党員の家庭教師、それぞれの物語が際立っている。
特に、おそらく、今年の「ナカデミー賞」(クリック!)の美少女ナンバー1と噂されるリリー・コリンズ演じる娘とのエピソード一つとっても、深みをもって描かれている。
家族に迎えることになった巨大な体の黒人青年マイケルへの、ティーンエイジャーの娘の複雑な思い。
感謝祭の食卓で、家族で輪になって手を結ぶときに、触れ合う少女と黒人の手。
そして、この物語のテーマと言うべき、「争いを好まない牛」の童話を、リー・アンから聞かされるマイケルの姿に、幼少時を思い出し、扉の陰で聞き入る娘のシーン。
最初は怖がられていたのに、いつしか公園の子供たちとも仲良くなるマイケルの姿を好意的に見つめる瞳。
そして、同年代の黒人が家庭に入ってきたことに、口さがない噂を立てられながらも、図書館でポツンと孤独に勉強しているマイケルの横に意を決して座り、「家ではいつも一緒に勉強してるじゃない^^」と言うシーン。
私は、このようなシーンで泣く。
孤独なる魂は、一人の美しい存在が認めてくれただけで、人生が一変する。
◇
マイケルは、母性本能に訴えるような存在でありながら、同時に、「母性本能」も強い。
「争いを好まない牛」でありながら、家族(仲間)の危機に対しては、防衛の力を最大限発揮する。
アメフト部でなかなか闘争心をもてないマイケルに、「チームのメンバーは家族、守らなくてはならない存在」と教えることによって、リー・アンはマイケルにモチベーションを与える。
それは、騙すことではなく、マイケルの固い思考を柔軟にさせる一言であった。
また、試合中のトラブルで、審判に「自分の息子同然のこいつ(マイケル)に危害を加えられて黙ってられるか!」とコーチが食って掛かるのだが、その一言を聞き、マイケルは俄然強くなる。
ここら辺が、『噂の刑事 トミー&マツ』のクライマックスの、「それでも男か! お前はトミ子か!」のマツの言葉で毎度奮起するトミーを思い出させられた^^;
マイケルは、ひたすらに家族を求めていた。
自分の力を発揮できるモノを求めていたのだな。
・・・そして、学業も全うしつつ、プロのアメフトプレーヤーとして大成する。
◇
この話は実話だそうで、エンドロールで、実際の家族とマイケルのフォトが掲載されている。
実際の家族やマイケルが、作品と違和感がないのに驚いた。
公開からかなりの時間が経っているのに、館内は賑やかだった。
良作なので、口コミで観に来る方が増えているのだろう。
固い話じゃないよ、コメディ要素もたっぷりで楽しめます^^
(2010/03/11)
優しさに溢れたテューイ家の母親役を演じたサンドラ・ブロックは、この作品で今年のアカデミー主演女優賞とのことですが、「女王」の如く美しかったですよ^^
今まで、「馬」とか「ホース」とか、「鼻の下が長い」とか言って、すいませんでした。
役柄もあるのでしょうが、魅力的だった。
実話だそうで、暗くなった冬の寒い日に、通りで行き場を失っていた黒人青年を引き取った家族の物語。
私は、斜に構えてみる男なので、『マーリー/世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を思い出してしょうがなかったのですが、
この黒人青年(クイント・アーロン)、母性本能をくすぐるような素朴な魅力に溢れている。
心は少年、身体はオトナ・・・、と言う、年頃の娘のいる家庭において、また、子供好きらしい性格も含めて、危険な立ち位置ながらも、
その素直な立ち居振る舞いで、家庭や大学、その恵まれた体格からはじめたアメフト部で、次第に「社会」に受け入れられていく。
◇
テーマは、重層的である。
サンドラ・ブロック演じる母親は、この物語の中心となる個性の一つでしかない、
その夫や、娘と息子、大学教授たち、アメフト部のコーチ、民主党員の家庭教師、それぞれの物語が際立っている。
特に、おそらく、今年の「ナカデミー賞」(クリック!)の美少女ナンバー1と噂されるリリー・コリンズ演じる娘とのエピソード一つとっても、深みをもって描かれている。
家族に迎えることになった巨大な体の黒人青年マイケルへの、ティーンエイジャーの娘の複雑な思い。
感謝祭の食卓で、家族で輪になって手を結ぶときに、触れ合う少女と黒人の手。
そして、この物語のテーマと言うべき、「争いを好まない牛」の童話を、リー・アンから聞かされるマイケルの姿に、幼少時を思い出し、扉の陰で聞き入る娘のシーン。
最初は怖がられていたのに、いつしか公園の子供たちとも仲良くなるマイケルの姿を好意的に見つめる瞳。
そして、同年代の黒人が家庭に入ってきたことに、口さがない噂を立てられながらも、図書館でポツンと孤独に勉強しているマイケルの横に意を決して座り、「家ではいつも一緒に勉強してるじゃない^^」と言うシーン。
私は、このようなシーンで泣く。
孤独なる魂は、一人の美しい存在が認めてくれただけで、人生が一変する。
◇
マイケルは、母性本能に訴えるような存在でありながら、同時に、「母性本能」も強い。
「争いを好まない牛」でありながら、家族(仲間)の危機に対しては、防衛の力を最大限発揮する。
アメフト部でなかなか闘争心をもてないマイケルに、「チームのメンバーは家族、守らなくてはならない存在」と教えることによって、リー・アンはマイケルにモチベーションを与える。
それは、騙すことではなく、マイケルの固い思考を柔軟にさせる一言であった。
また、試合中のトラブルで、審判に「自分の息子同然のこいつ(マイケル)に危害を加えられて黙ってられるか!」とコーチが食って掛かるのだが、その一言を聞き、マイケルは俄然強くなる。
ここら辺が、『噂の刑事 トミー&マツ』のクライマックスの、「それでも男か! お前はトミ子か!」のマツの言葉で毎度奮起するトミーを思い出させられた^^;
マイケルは、ひたすらに家族を求めていた。
自分の力を発揮できるモノを求めていたのだな。
・・・そして、学業も全うしつつ、プロのアメフトプレーヤーとして大成する。
◇
この話は実話だそうで、エンドロールで、実際の家族とマイケルのフォトが掲載されている。
実際の家族やマイケルが、作品と違和感がないのに驚いた。
公開からかなりの時間が経っているのに、館内は賑やかだった。
良作なので、口コミで観に来る方が増えているのだろう。
固い話じゃないよ、コメディ要素もたっぷりで楽しめます^^
(2010/03/11)