梅雨期といえばアジサイである。我が家には5本ほど開花している。
6月下旬になり、わが家の庭に紫陽花が満開となった。
原産地は日本で、ガクアジサイから改良されたもの。外国で品種改良され逆輸入されたものはセイヨウアジサイと呼ばれる。6月から7月にかけて開花し、白、青、紫または赤色に咲く。
正岡子規のを詠んだ俳句に、「紫陽花や きのふの誠 けふの嘘」という句がある。「七変化」と呼ばれる紫陽花に、ふと句作する気になったのだろう。
その他にも
「紫陽花や紫尽きて浅緑」 、「紫陽花や赤にならぬが面白き」 、「紫陽花や赤に化けたる雨上り」、「念入れて又紫陽花の染め返す」・・・などがある。
人だって紫陽花と変わることはない。長雨が続けばお天気を欲し、お天気が続けば雨を欲しがってしまう。そんなわがままな気持ちを抱いてしまうのは、仕方のないことかもしれない。
私は梅雨時のアジサイが好きだ。雨にぬれて、こうべを重そうにしているアジサイは、何とも言えぬ風情がある。
以前はこの時期にカタツムリも見掛けたが、ここ何年も見ていない。
間も無く梅雨が明け、本格的夏を迎えようとしている。
梅雨ながらじめじめ感の少ない今年の初夏。美しい日本の四季はいつから変わってしまったのかと思う。だが、美しい四季を失うことのないよう、自然を大切にしながら日常生活を送りたい。草木にも癒やされて心を満たしたい。
永井荷風が昭和6(1931)年に発表した「あぢさゐ」という短篇小説がある。また
渡辺淳一にも「あじさい日記」と言う作品がある。紫陽花のことを調べてみるとあず (集まる) さい(藍色)からこの名称がが生まれたという。
紫陽花は、植えられた土壌により、アルカリ性だと赤い花に、酸性だと紫色に変わるところから「七変化」とか、「八仙花」などの名がある。さらに花言葉として、「移り気」 「心変わり」と記されている。
この辺のことがあってか、小説の題材になったり俳句にも多数読まれている。
「あぢさゐの鏡にあふれくしけづる」 長谷川ふみ子
「紫陽花に昼を彩りて何失ふ」 馬場移公子
「紫陽花の藍きはまると見る日かな」 中村汀女
「紫陽花に秋冷いたる信濃かな」 杉田久女
などなど。
日本人は古くから紫陽花を好んだようで、万葉集にも2首の和歌に詠まれている。
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