1945年(昭和20)、東京大空襲、沖縄戦、2発の原爆という国際法違反の無差別殺戮などの悲劇的出来事を経て、8月15日に日本はポツダム宣言を受諾し戦闘を停止した。この日が終戦ということになっているがそれは正しくない。
8月28日、米軍の第一次進駐部隊が神奈川県の厚木飛行場に着陸し、2日後には占領地である日本の最高権力者となったD・マッカーサーが厚木飛行場に降り立った。
9月2日に米戦艦ミズーリ号の甲板で降伏文書の調印式が行われ、マッカーサーが終戦を宣言した。降伏文書が調印され、足かけ5年にわたる太平洋戦争は公式に終了した。だから、この日が終戦日ということになる。
9月2日に米戦艦ミズーリ号の甲板で降伏文書の調印式が行われ、マッカーサーが終戦を宣言した。降伏文書が調印され、足かけ5年にわたる太平洋戦争は公式に終了した。だから、この日が終戦日ということになる。
並木路子が歌った「リンゴのうた」は日本の戦後のヒット曲第1号となった。可憐な少女の思いを赤いリンゴに託して歌う歌詞が、終戦後の焼け跡の風景や戦時の重圧からの解放感とうまく合っていたのと、敗戦の暗い世相に打ちひしがれた人々に明るくさわやかな歌声がしみわたり、空前の大ヒットとなった。
私は昭和27年頃鉱石ラジオを作ってもらい、以降ラジオの虫となった。その中で最も楽しめたのは落語と歌謡曲であった。
当時、ヒットした歌謡曲の寿命は今より遥かに長かった。「リンゴのうた」は終戦間も無く発表になったが、その頃も頻回に放送されていた。
私は2008年以来、NHKで放送された歌謡曲は録音し、ライブラリーとして蓄積してある。多分、1.5000曲は溜め込んでいると思う。
その中から、昭和20年代にヒットした曲、私の記憶にある曲を抜き出し分類してみると以下の如くである。
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(1)昭和20年代 焼け跡・復興の街に頻回に流れた歌
●リンゴの歌 ●長崎の鐘 ●長崎のザボン売り ●帰り船 ●君待てども ●東京花売り娘 ●東京ブギブギ●星の流れに ●異国の丘 ●モンテンルパの夜はふけて ●東京キッド ●東京シュウシャインボーイ ●テネシーワルツ ●お富さん ●東京の屋根の下・・・・・
(2)昭和20年代 男性歌手のヒット作
●夢淡き東京 ●憧れのハワイ航路 ●上海帰りのリル ●ハバロスフク小唄 ●ダンスパーティの夜 ●伊豆の佐太郎 ●町のサンドイッチマン ●若者よ恋をしろ
(3)昭和20年代 女性歌手のヒット作
●愛のスイング ●港の見える公園 ●かりそめの恋 ●東京の門 ●赤い靴のタンゴ ●連絡船の歌 ●ドミノ ●愛のスイング ●三味線ブギウギ ●お祭りマンボ ●君忘れじのブルース ●情熱のルンバ ●星屑のタンゴ ●静かな夜のビギン ●水色のワルツ ●東京ワルツ
(4)昭和20年代 デュエット作
●しらとりの歌 ●トンコ節 ●黒いパイプ ●誰か夢なり ●サムサンデイモーニング ●夢で逢いましょう ●火の鳥 ●頬寄せて ●モダン金色夜叉 ●さいざんすマンボ ●花の命は ●貴方と共に
(5)昭和20年代モダン歌謡集
●愛のスイング ●待ちましょう ●巴里の夜 ●銀座カンカン娘 ●ユトリロのうた ●午前2時のブルース ●東京の門 ●夜の囁き ●陽気なバイヨン娘 ●そよかぜのビギン
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昭和20年代といえば私は小学校3年であった。もちろん、童謡や唱歌にも親しんでいたが、よくまあこんな大人の曲を聴いていたものだ、と思う。