銅版画制作の日々

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ツォツィ 南アフリカの後遺症(>_<)は今も・・・・。

2007-05-26 | 映画:ミニシアター


この日は、「ツォツィ」と「13/ザメッティ」の二本を連続鑑賞しました。どちらかと言えば、「13/ザメッティ」の方が私は好みの映画ですね。「13/ザメッティ」については、この記事の後、また紹介したいと思います。

ツォツィとは?“不良”または“チンピラ”という意味する南アフリカのスラング。じゃあスラングって?特定の集団で通用する俗語や略語らしいです。ここをクリックして下さい。スラングについてのより詳しい説明がされています。

2006年アカデミー賞 外国語映画賞受賞に輝いたこの作品は、南アフリカの現状をフィクションではありますが、リアルに表現された物語。アカデミーが認め、評論家も絶賛観客も支持したという注目の作品です。

舞台は南アフリカ最大都市、ヨハネスブルグ。「人類に対する犯罪」とアパルトヘイトが国連に糾弾されたそのアパルトヘイト廃止から10余年、差別のない平等な社会を取り戻したはずの南アフリカはその後遺症に苦しんでいた

そのヨハネスブルグの最大のタウンシップ(旧黒人居住区)のソウェトのスラム街にツォツィと呼ばれる少年が住んでいた。本名は誰も知らない。その少年は、仲間とつるんで窃盗やジャックを繰り返していた。名前を捨て、過去に口を噤み、未来から目を逸らして・・・・・。ある日、彼は奪ったの中にいた生後数ヶ月の赤ん坊と出逢う生まれたばかりのその小さなその命は封印していたはずのさまざまな記憶を呼び覚ました「生きること」の意味を見失っていたツォツィは、その命と向き合う事で、はからずも命の価値に気づき、希望と償いの道を歩みはじめる。

アパルトヘイトその後、「世界一の格差社会」といわれる南アフリカの過酷な現状は終わっていなかった豊かな生活を手に入れた黒人はほんの一握り人種格差の上に、黒人内の格差まで加わったのだそのため空前の格差社会へと犯罪は激化され、エイズ孤児の問題も暗い影を落としている豪邸に住む黒人の富裕層もあれば、電気・水道が通っていないボロボロの家に住む黒人。この映画の中でも印象的なのは、奪う側も黒人ならば、奪う側も黒人電車の中で裕福な黒人がツォツィ一味に金を奪われたあげくに、殺されるシーンやツォツィが裕福な黒人女性のを強奪して、大怪我を負わせるシーン。まさにその格差社会の象徴的なものだ。

 アフリカ全体が病んでいることを、またこの映画で再確認する。ただ、この作品は悲劇的なお話ではなく、心病んだ少年が小さな命と出会った事で、希望を見出したというポジティブなもの

希望と再生の物語。

監督は、「南アフリカが問題を抱えている中でも未来に希望を抱いているように、どんな人生にも救済とセカンドチャンスがあることを描きたかった」という。

 

ギャヴィン・フッド 監督・脚本 1963年南アフリカ生まれ、南アフリカの大学を卒業し、一時俳優として活動。本作の成功により、次回作でハリウッドデビューを果たす今もっとも旬な監督だ。

 

ツォツィ役 新星プレスリー・チュエニヤハエ 1984年南アフリカ ソウェト生まれ、演じた役柄同様、治安の悪い地域で育つ。母が将来のことを考えて、演劇の道を勧めた。舞台での活躍が多い。今回のオーディションで主役に抜擢された。

 

 

元南アフリカ大統領 ネルソン・マンデラ “自分もかってツォツィだった”

 

映画「ツォツィ」公式サイト 

 

 

 

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