怪我をしたら思い出して欲しい

今日はちょっと怖い話。
知人がゴザの材料のい草を取ろうと水場へ入ったら足を切ってしまった。帰宅して消毒したので安心して生活していたが、翌日には発熱し解熱剤を服用したそうだ。そして２日後には「腹が熱い」と訴えたので集落のクリニックへ連れて行くと、医師からこれは手に負えないと国立ウドンタニ病院へ行くように指示され、すぐに入院したそうだが、強烈な痙攣が来たりで生死の境を彷徨い、ICUへ一ヶ月入っていたそうだ。先日ようやく普通病棟へ移ったが、退院まではまだ時間が掛るらしい。
ここまで読まれて何が起きたか気付かれただろうか？そう、破傷風なのだ。
wikiの破傷風のページによると、最初の症状として肩が強く凝る、口が開きにくい等、舌がもつれ会話の支障をきたす、顔面の強い引き攣りなどから始まり、徐々に、喉が狭まり硬直する、歩行障害や全身の痙攣（特に強直性痙攣により、手足、背中の筋肉が硬直、全身が弓なりに反る）、など重篤な症状が現れ、最悪の場合、激烈な全身性の痙攣発作や、脊椎骨折などを伴いながら、呼吸困難により死に至る。感染から発症までの潜伏期間は3日〜3週間で、短いほど重症で予後不良となり死亡率は５０％だそうだ。破傷風菌は、芽胞として自然界の土壌中に遍く常在しており、多くは自分で気づかない程度の小さな切り傷から感染するらしい。
怪我で病院へ行くと、破傷風ワクチンを最後に接種した時期を尋ねられ、５年以上経っていれば外傷後ワクチンの接種を勧められるが、小さな怪我でも感染するのなら、５年に１回定期的にワクチンの接種に行くのが安全だろう。
私がタイで生活していて驚いたのが、体にバイ菌が入った後の進行の早さ。釘を踏んで数時間で足が黒ずんだり、目を擦って２時間で顔が腫れ上がったり・・今日は夜遅いので明日という判断は命取りだったりする。数年前に破傷風を発症した近所の人はICU経由で退院まで３ヶ月掛かったそうだ。幸い命は助かっても、治療費の支払いだけでうんざりするほど苦しむのは間違い無い。
ちょっとした怪我をした時も思い出して欲しい。前回破傷風ワクチンをいつ接種したか？５年以上経っていれば、ワクチン接種は数百バーツで済むので、病院へ行くべきだ。

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