新品同様のタイヤを半額以下で入手する

ソンクラン前日の１２日に車でコンケンから帰っていると、突然「ゴー！！！」と頭のすぐ上を飛行機が飛んでいるような轟音。飛行機ならすぐに通り過ぎるが、ずっと轟音がしたままなので車の故障だと思い、そっと左へ寄せて止まった。最初はエンジンか変速機の故障を疑ったが、車を降りるとゴムが焼けたような異臭があり、空気が抜けて少し裂けた左前輪の４，５箇所から煙が立ち上っていた。異音発生から４００ｍくらいで停まったが、タイヤの負担は大きかったようだ。
タイヤが発火すると小さな消火器では消せないそうで、このままだと車ごと燃えると思った私は乗っていた妻と娘を降ろし、ちょうど車内へ有ったペットボトルの水をタイヤへ。給油の時に貰った１．５リットルのボトルが２本有ったので、何とか消せるだろうと思っていたが、タイヤのサイドに開いた穴からの煙がどうしても止まらない。水を使い果たしてこれはマズイと思ったところで近くの家から様子を見ていたおばちゃん達から声が掛かり、大きなバケツへ入った水を頂いたので、タイヤ全体にしっかり掛けてようやく煙が止まった。
スペアタイヤへ取り替えて、さてどうしようと妻と相談。スペアタイヤは溝無しのつるつるだし、ソンクランの前日なので、できれば今日中に代替のタイヤが欲しいが、新学期を控えたこの時期は懐が寂しい。それじゃあまた安いのにしようかとなって、車はタイヤ販売店ではなくパンク修理業者へ。パンクしたタイヤは裂けたので修理不能だが、中古のタイヤを買うのだ。
タイでは中古タイヤが流通しており、ピックアップを含めたトラック用のタイヤは豊富。ピックアップトラックのタイヤだとスリップサインが出ていても一本３００バーツくらいで廃品回収業者が買ってくれる。走行面やサイドに傷があるタイヤでも使えればOK。またタイヤ販売店と懇意なら頼んでおくとドレスアップでタイヤ交換した下取りの新品同様のタイヤが１本千バーツくらいで入手できる。但し、中古タイヤは常時在庫してないので、事前に頼んでおき、出物があれば連絡を受けて買うようになる。この場合大部分は４本セットであり、１本だけというのは歓迎されない。今回欲しいのは１本だけだし、すぐ欲しかったので、タイヤ販売店の出物待ちは諦めて、割高でもパンク修理業者へ向かったのだ。
１軒目はヒゲ付き（ほぼ未使用）の良いのが有ったが幅違い。もう一本はサイズが同じでも走行面に大きな傷。２軒目も傷付きと劣化したひび割れで使えない。相手をしてくれた若い従業員へ、まともな物を持ってる店を教えろと言うと、以前仕事をしていた店を教えてくれた。その３軒目は中古タイヤを洗浄して陳列してあり、私が欲しいサイズのタイヤも新品と見間違えそうなくらい。一皮剥けた程度だが千五百バーツと言うので、仕入れは千バーツだろと言うと百バーツ引いて千四百バーツになった。「良いタイヤだから千八百で売ろうと思ったのに・・」とボヤきながら交換してくれた。新品だと三千四百バーツなので二千バーツは安く済んだが、素性が分らないというリスクはあるだろう。パンク修理業者が教えてくれたが、タイヤに製造年が表示されているので参考にすると良いそうだ。ブリジストンのWEBを読むと、適正に保管された条件で新品同様の性能を保つのは製造から３年。使用開始から５年を目安に超えて使うなら点検、１０年を超えるなら交換を奨めるそうだ。パンクした私のタイヤは２００９年製造であり、製造から７年目だった。サイドに直径６センチ程の穴が空いており、縁石で擦る等の損傷が有ったのかも知れない。数週間前にタイヤの空気を入れた時に、こちらだけ空気圧が下がり気味だったので気になっていたが、まさか突然抜けるとは思わなかった。タイでは市街地以外だと制限速度は８０キロの高速道路であり、点検で異常が見つかれば早めの対処が必要だと認識した。

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