わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろのコツ(作品を作る2)

2008-07-03 22:30:58 | 電動ロクロの技法
 電動ろくろで、大皿など底が広く、深みの浅い作品を作る場合、袋物や食器類を

作る方法とは、若干違いがあります。

 即ち、一般に底の広い作品は、「底割れ」と言って、底の中央部に、一直線状に

亀裂が入り易いものです。亀裂が大きいと、向こう側が透けて見えます。

 この亀裂の原因は、色々有りますが、最大の原因は、底になる土の締めが甘い事

です。

 それ故 以下の方法で作陶します。

 イ) 菊練した土を、ろくろの中央に置きます。

 ロ) ろくろを手で、ゆっくり回転させながら、土の中央部を、「拳固」(拳)

   で叩き土を締めます。

  ・底の厚みは約1cm位です。底の広さは作る作品の直径2/3程度にします

   皿は、底から外にはみ出す寸法が、少ない程、安全に作業出来ます。

  (土は無駄に成りますが、底削りで高台の径を、1/2~ 1/3 にします。)

  ・土の外側は、中央部より肉厚にしておきます。(盆地状になります)

  ・叩くと当然、表面は凸凹します。

 ハ) 土の外周(外側)を綺麗な円にします。

  ・その際、濡らした布を使うと便利です。

  ・濡らした布で、外周の内、外、上の土から「ドベ」を出し、滑る様にします。

  ・次に、右手親指が外、人差し指が内側、左手の人差し指が真上と、三方向を

   しっかり押さえ込み、綺麗な円にします。

 ニ) 次に、底になる部分の凹凸を無くします。

  ・濡れた布で、下に押し付けながら、中心から外へ、外から中心へと、二三度

   繰り返し、底の凸凹を無くします。

  ・底の面積が広い場合、「コテ}を使って平らにする事もあります。

  ・底に「ろくろ目」を付ける場合も、この段階でつけます。

   一般には、中心から外側に向かって、右手の指一本で、指に力を入れ、手前

   に引く様にして、「ろくろ目」をいれます。

   回転スピードと、指を手前に引く速さとの関係で、「ろくろ目」の荒さが、

   変化します。

 ホ) 振れを止める

  ・普通の土殺しをしていない為、又径が大きい為、振れは大きく成ります。

  ・両手の親指を内側に、人差し指、中指、薬指を揃えて外側を、親指と人差し

   指の根元で、上部を、以上の指で土の、内、外、上を押さえ込み、振れを

   止めます。

 ヘ) 外側の土を薄く延ばします。そして、その土を外に開いて行きます。

  ・深皿の場合、土をやや高く上げます。

  ・外に開く際には、右手の手のひらで、内側から外に力を加え、土を倒す様に

   します。手の替わりに、「コテ」を使う場合もあります。

  ・土を倒し過ぎると、外周が下に落ちます(支えきれない状態です)。

   何処まで平らに出来るかの判断は、ある程度経験が必要です。

  ・やや硬めの土を使うか、水が回らない内に、速く形を作る事です。

  ・口縁の形状も大切な要素です。直線的な逆「ハ」の字形、端反(はたぞ)、

   内側に湾曲した「お椀」形、西洋皿に多い端が平らな形、などなどです。

 ト) 最後に皮(鹿皮)で口縁を締め、なだらかに仕上げます。

 チ) この方法で作った皿などは、乾燥と伴に、外側が立ち上がります。

   これは「粘土の記憶性」による結果です。即ち、立ったた物を倒しましたの

   で、元の状態(立った状態)に戻ろうとする、性質の為です。

 リ) 口縁を波型にしたり、一部を折り曲げたり、楕円形に変形させたりは、

   手で触れて「ベトツキ」が無い程度に成ったら、細工して下さい。
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