わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤の失敗 8 (肉厚について3)

2010-02-18 21:54:10 | 電動ロクロの技法
電動轆轤で、作品の肉厚に、差が出る原因と対策の、話を続ます。

3) 土の厚みが、一定に成らない。

 ② 側壁の厚みに、差が出る原因。

  ) 土を薄く、引き上げる際、肉厚に差が出る(歪む)。

   a) 空気(気泡)や、異物が混入している為。

     前にも説明しましたが、空気や異物が存在すると、その部分のみ、土が薄く伸びません。

     その為、操作しづらいと、共に、厚みに差が出がでたり、歪んだりします。

     空気や異物を、取り除く必要が有ります。

   b) 轆轤の回転速度が、速過ぎる、又は、遅過ぎる為。

     轆轤は、遠心力を発生させる事により、肉厚を、薄くする事が、可能です。

     回転速度が、遅いと、遠心力も弱く、土の振ら付きにも、手が追従して、振ら付きを、

     直す事が出来ません。振ら付くと、確実に、肉厚に差が出ます。

     逆に、速度が速いと、遠心力が強く働き、少しの振れも、増大していきます。

     それ故、調度良い速度を、見つけてください。     
  
    c) 無理に、轆轤目を、付け様とした為。

     土を挽き上げる際、内外を、指で締め上げながら、手を上げる速度を速めると、轆轤目が

     着きます。 轆轤目は、螺旋状に肉厚の差を、故意に付けたものです。

     慣れない内は、この作業によって、綺麗な螺旋状にならず、極端に肉厚が、薄くなる場合も

     有ります。特に、強く轆轤目を、付けたい時には、注意が必要ですが、練習すれば、誰でも、

     上手に成ります。

    ・ 当然ですが、轆轤目は、ある程度、肉厚の状態で、作業します。即ち、作品造りの、

      早い段階でする作業で、完成間近に、する作業では有りません。

     (予め、轆轤目を入れるかどうか、決めておきます。思いつきで、急に変更しない様にします。)

    d) 轆轤挽きの際、理想的な肉厚は、下部ではやや厚く、上部に行く程薄くし、口縁部は、

     やや厚くします。 (出来れば、挽き上げた作品を、縦に裂いて、厚みを確認して下さい。)

     これは、下部が、上部の土を支える為に、必要な肉厚です。

     途中が極端に薄くなると、上部の重さに耐えかねて、撚れや、歪み、「ヘタリ」が発生します。

    ・ 途中で極端に薄くなる原因に、挽き上げる際、手が上がる移動速度が、ある部分で停滞

     (又は停止) して仕舞う為で、停滞の原因は、指より上部の肉厚が、厚い為で、抵抗が増え

      手が止まる事が多いです。

      それ故、上部との差が、大きくならない様に、強く挽き上げない様にするか、上部を薄く

      しておけば、安全です。

     ・ 予め上部を、薄くする方法に、二段挽き、三段挽きの、方法が有ります。

       一気に最下段より、肉を薄く挽き上げるのではなく、上部1/2(又は1/3)の部分を、

       薄くした後、残り1/2(又は1/3を二回)を、薄く伸ばす方法です。

       特に、初心者に、勧める方法です。

 ) 作品の形造りの際、肉厚に差が出る。

以下次回に続きます。

 
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