わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り(てひねり) 7 板(タタラ)つくり2 布目の模様

2018-07-18 11:05:41 | 手捻り陶芸
板状にした陶板(タタラとも言います)を用いて陶磁器の作品を作る事を板(タタラ)作り、

又は板起こしとも言います。

広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の作品

又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事ができます

1) タタラを作る。

 ② タタラを作る。

  ⅰ) タタラ板を使う場合。(以上が前回までの話です。)

  ⅱ) 木枠を使う場合。

   e) タタラの作り方は以下の通りです。

    イ) 粘土が木枠や叩き板、延ばし棒に張り付かない様に、木枠と粘土の間に無地の

     布を入れます。布を水で濡らし木枠に貼付く程度のやや緩く絞り、使用する木枠の

     内側に敷きます。出来れば布は、上下から粘土を挟む形になりますので、布の半分

     程を使います。その際、皺が寄らない様にします。皺が有ると皺がそのままタタラ

     上に現れます。

    ロ) よく練った粘土を木枠内に置き、拳(こぶし)で叩き広げます。

     注意点は、延ばす事も大事ですが、上から叩き締める様にする事です。

     又叩き過ぎて枠の高さより低くしない事で、若干高い程度が理想的です。

     叩き延ばす際、予定に近い形になる様にすると、無駄な部分が少なくなります。

    ハ) 布を上から被せるてから、叩き板で上から満遍なく強く叩き、土を締め割れ

     が出ない様にします。粘土の端の部分が叩き不足に成り易いですので注意。

    ニ) 延ばし棒を使い布の上から粘土を延ばします。延ばす方向は左右方向、上下

     方向と隅方向です。面積の広いタタラの場合、中央から外側へと棒を転がし延

     ばしす。手前に引く様にすると力が入りませんので、押す方向で延ばします。

     少なくとも同じ場所を二度程度延ばして下さい。

    ホ) 粘土の量が多い場合、木枠からはみ出す事があります。その際には、枠の内

     側5mm程度の粘土を針で切り取ります。その後更に四方に土を延ばします。

     木枠上に粘土が残ると、枠の高さが所定の寸法より高くなる為、所定のタタラの

     厚み様様により厚くなります。又、延ばし棒の一端が木枠から落ちてしまうと、

     その部分が薄くなりますので、落ちない様に気を付けます。尚、面積が大きいと

     かなりの力仕事になりますので、棒に全体重を掛ける様にし、所定の面積まで延

     ばします。

    ヘ) 棒で延ばすと転がった跡が残ります。これをロール目とよびます。

     これを消すには、棒を転がさずに粘土の上を、上下左右方向に滑らせます。

    ト) 上の布を取り除き、平らな板を上に被せ、木枠ごと上下をひっくり返します。

     布を押さえ木枠を取り除き、更に上に載った布を取り除きます。 裏表どちらの

     面が綺麗かどうか確認し、綺麗な面を上又は外側として使います。

    チ) 板に必要な粘土の量は肉厚と必ずしも比例しません。

     肉厚が厚くなるに従い、締まる量も多くなりますので、粘土の量も多くなります。

     例えばタタラの厚みが5mmと10mmでは、単に2倍に成るのではなく、2.5

     倍になる場合もあります。

 2) タタラの表面に模様を施す。

  模様の施し方には、多くのやり方が有りますが、一般に行われている方法は、布目と糸切

  による方法です。これらは作品を形作る前に行うのが普通です。

 ① 布目による方法。木枠を使うタタラ作りの時に行います。

  一般には、無地の布を被せて、ローラーを掛けて平らに延ばします。しかし表面に模様を

  漬けたり、凹凸を付ける際に特有の布を使うと、容易に模様を付ける事が出来ます。

  特有の布とは、蚊帳(かや)、タオル、麻、網目模様(網目の種類は多いです)の布、

  その他レース(カーテン等)、凹凸のある布等、身近な布が利用できます。

  どの様な模様になるか、試してから本番に入ります。一般には、布を全体に広げてから

  延ばしますが、あえて途中を折り返したり、皺を作ったりすると、変化のある布目を作る

  事もできます。

  尚、布目を付けたタタラから皿等を作る場合、切り口(端面)に布目が付きません。

  端面にも布目を付けたい時には、所定の形にしてから布目を付けます。その際布を端面に

  押し付けます。

 ② 切糸を加工したり、切り口を変化させて、タタラに模様を付けます。   

以下次回に続きます。
     
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