6) 足で踏み潰す、床に叩き付ける、切り刻む、針で刺す行為とは?
結構物騒な事柄ですが、これらは、ある目的で行う行為です。即ち、素地(粘土)中の空気を抜く
為に行う技法です。但し、昔から行われている方法ですが、最近では見られない物も多いです。
陶芸では、生素地の中の空気を極端に嫌います。単に作品が作り難いだけでなく、乾燥に従い、
変形したり、「ひび割れ」を起こしたり、最悪窯の中で、作品が破裂し、粉々になる場合もあり
ます。それ故あらゆる方法で空気を取り除く努力をします。
一般的な方法は、手による菊練と言う方法で行いますが、大量の土の場合、土練機を使います。
但し、単なる土練機では、十分空気を抜く事が出来ません。空気を抜く事が出来るのは、真空土練
機です。但し、かなり高価ですので、特別な場合以外は余り必要としません。
① 踏み潰す。
足で踏み潰す行為は必ずしも、空気を抜く為に行う訳ではありません。副次的に空気を抜く事が
出来る訳です。本来は、大量の素地の塊などを踏み潰す事で、均一な固さにする土練の一種です
床上に置いた素地を、踵(かかと)を使い円の中心から外側に、渦を描く様にして順に踏み潰し
ます。但し、近年ではこの光景は、余り見受けられなくなっています。
② 床に叩き付ける。
投げ付けられる程度の量の素地を、床に強く叩き付ける事で、空気を抜く事が出来ます。
素地の量が比較的に多い時に行う方法です。床は木材でも、プラスチック、レンガであっても
良いのですが、打ち付けた素地の「へばり付」か無い様にするには、木製の床が適します。
更に、木製ですと素地の水分を吸収しますので、素地を固める効果もあります。床の空いた空間
に次々に叩き付ける方が、打ち付けた素地の上に叩き付け重ねるより、効果があります。当然、
空気の量が多い程、素地が適度に軟らかい程効果が出ます。打ち付けた素地は、全て集め適量に
分け、使用前に再度、菊練すると万全です。
③ 切り刻む。多くの場合、切糸で素地を細かく切ります。
切る方向はランダム(でたらめ)の方が良いです。空気は何処に入っているかは不明ですので、
あらゆる場所を切る必要があります。空気の閉じ込められた部分を切る事で、空気が逃げる事に
なります。又、細かく切る事は、土の固さの調整にも成ります。
④ 針で突き刺す。
空気のある場所が判っている場合には、その場所を針で突き刺します。突き刺す場合、向側に
付け抜ける様にするのが「コツ」です。中途半端に突かない事です。
突き刺した部分を表面から撫ぜると、その部分が凹む時には、空気が抜けた事に成ります。
タタラ状にした素地では圧縮させて作る為、表面が凸状に膨らむ事が多く、比較的容易に空気の
存在が判りますが、轆轤作業中では見付け出しが難いです。轆轤作業中では土を上に伸ばし、
肉厚が薄く成るに従い、よりはっきり判る様になります。即ち指に強く当たりますので、空気の
存在は直ぐに判るのです。しかし轆轤を止めて探す段階では、空気(気泡)が何処にあるかは、
中々見付け出し難いです。慣れない方は、空気のある場所が判断できません。その為、轆轤を
回転させた状態で針を当て、空気の有りそうな場所を中心に、ある幅で溝を付ける方法もあり
ます。即ち数回回転させます。「数打てば当たる」作戦です。付けられた溝は、次の轆轤作業で
消し去る事が出来ます。轆轤作業で見付けた空気は、一度では取り切れない場合も多いです。
どうしても取り切れない場合には、その土を使う事をあきらめ、別の土を使い最初から轆轤挽き
した方が、早く綺麗な作品を作れる事が多いです。それ故、思い切る事も大切です。
以下次回に続きます。
結構物騒な事柄ですが、これらは、ある目的で行う行為です。即ち、素地(粘土)中の空気を抜く
為に行う技法です。但し、昔から行われている方法ですが、最近では見られない物も多いです。
陶芸では、生素地の中の空気を極端に嫌います。単に作品が作り難いだけでなく、乾燥に従い、
変形したり、「ひび割れ」を起こしたり、最悪窯の中で、作品が破裂し、粉々になる場合もあり
ます。それ故あらゆる方法で空気を取り除く努力をします。
一般的な方法は、手による菊練と言う方法で行いますが、大量の土の場合、土練機を使います。
但し、単なる土練機では、十分空気を抜く事が出来ません。空気を抜く事が出来るのは、真空土練
機です。但し、かなり高価ですので、特別な場合以外は余り必要としません。
① 踏み潰す。
足で踏み潰す行為は必ずしも、空気を抜く為に行う訳ではありません。副次的に空気を抜く事が
出来る訳です。本来は、大量の素地の塊などを踏み潰す事で、均一な固さにする土練の一種です
床上に置いた素地を、踵(かかと)を使い円の中心から外側に、渦を描く様にして順に踏み潰し
ます。但し、近年ではこの光景は、余り見受けられなくなっています。
② 床に叩き付ける。
投げ付けられる程度の量の素地を、床に強く叩き付ける事で、空気を抜く事が出来ます。
素地の量が比較的に多い時に行う方法です。床は木材でも、プラスチック、レンガであっても
良いのですが、打ち付けた素地の「へばり付」か無い様にするには、木製の床が適します。
更に、木製ですと素地の水分を吸収しますので、素地を固める効果もあります。床の空いた空間
に次々に叩き付ける方が、打ち付けた素地の上に叩き付け重ねるより、効果があります。当然、
空気の量が多い程、素地が適度に軟らかい程効果が出ます。打ち付けた素地は、全て集め適量に
分け、使用前に再度、菊練すると万全です。
③ 切り刻む。多くの場合、切糸で素地を細かく切ります。
切る方向はランダム(でたらめ)の方が良いです。空気は何処に入っているかは不明ですので、
あらゆる場所を切る必要があります。空気の閉じ込められた部分を切る事で、空気が逃げる事に
なります。又、細かく切る事は、土の固さの調整にも成ります。
④ 針で突き刺す。
空気のある場所が判っている場合には、その場所を針で突き刺します。突き刺す場合、向側に
付け抜ける様にするのが「コツ」です。中途半端に突かない事です。
突き刺した部分を表面から撫ぜると、その部分が凹む時には、空気が抜けた事に成ります。
タタラ状にした素地では圧縮させて作る為、表面が凸状に膨らむ事が多く、比較的容易に空気の
存在が判りますが、轆轤作業中では見付け出しが難いです。轆轤作業中では土を上に伸ばし、
肉厚が薄く成るに従い、よりはっきり判る様になります。即ち指に強く当たりますので、空気の
存在は直ぐに判るのです。しかし轆轤を止めて探す段階では、空気(気泡)が何処にあるかは、
中々見付け出し難いです。慣れない方は、空気のある場所が判断できません。その為、轆轤を
回転させた状態で針を当て、空気の有りそうな場所を中心に、ある幅で溝を付ける方法もあり
ます。即ち数回回転させます。「数打てば当たる」作戦です。付けられた溝は、次の轆轤作業で
消し去る事が出来ます。轆轤作業で見付けた空気は、一度では取り切れない場合も多いです。
どうしても取り切れない場合には、その土を使う事をあきらめ、別の土を使い最初から轆轤挽き
した方が、早く綺麗な作品を作れる事が多いです。それ故、思い切る事も大切です。
以下次回に続きます。