わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 140 使い易い食器とは? 7

2015-05-24 22:15:19 | 素朴な疑問
6) 使い難い食器。その他の要因。壊れ難い事(丈夫な事)、汚れ難い事などです。

  近年は食洗機も普及し、一般家庭でも使われる様になりました。その為、機械に掛けられる食器

  である事も、使い易い食器の大切な要因に成ってきました。

 ① 陶磁器は割れ物、壊れ物で、消耗品ともなっています。又、陶器は磁器に比べ機械的に弱く、

  若干吸水性があり、料理の汁を吸い込みますので汚れが発生し易いです。特に貫入のある食器に

  は、茶渋や汚れなどが付き易く場合によっては、黴(かび)が生える事も珍しくありません。

  黴を発生させない為には、高台の内側など、空気の流れが無い部分は、良く乾燥させる事です。

  尚、漂白剤などで汚れや茶渋をとる事も可能ですが、一番良い方法は、素焼き時に一緒に焼成

  すると、有機物である汚れは焼失させ、綺麗な状態になります。

 ② 一番壊れる事が多いのは、食器の後片付けの場合と、食器を洗う時です。

  ) 後片付けの際、食器を重ねる事が壊す一番の問題となるます。どうしても一度に数多くの

   食器を片付ける為には、食器を直接重ねて持ち運ぶ事になります。又両手に別々の食器を持つ

   事も不安定になり、取り落とすなどの破損に繋がります。床に落とすだけで簡単に破損します。

  ) 食器を洗う場合、洗剤を入れた狭い桶などに詰め込み、暫く放置する方法をとる場合も

   あります。無造作に詰め込むと、食器の口や縁が欠ける事も起こります。特に角皿などの四隅

   が丸くない場合には欠け易いです。 

  ) 欠けた場合、補修するか廃棄処分になります。

   補修には、再焼成する。割れた部分を接着剤や漆(うるし)でくっ付けた後、金継などで

   見栄えをよくする。等の方法がありますが、補修の仕方などは、以前に取り上げていますので、

   ここでは省力し、参考にして下さい。 

 ③ 上絵付けの作品の絵が剥がれる。

   金銀彩や赤絵が施された食器の表面を、強く擦る(こする)と絵が剥げる事があります。

   下絵付けで描かれた絵は、上にガラス質の釉が載っていますので、剥がれる心配はありませんが

   金銀、赤絵などは、直に作品の正面に露出していますので、強く擦ると剥がれる危険性が

   大きいです。 それ故、洗う時には、強く擦らない特に注意が必要です。

以上にて、使い易い食器の条件に付いての話を終わります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする