わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 58 モザイクとは?

2015-01-08 22:10:53 | 素朴な疑問
モザイクとは、小片を寄せ集めて、床や壁面、舗道などを装飾する技法です。

モザイクの歴史は古く、古代ギリシャの時代に遡るとの事です。その後紀元前4世紀頃にイタリアへ

技法が伝わり、ローマ人により、神々や英雄の肖像がモザイクで表現される様になります。

現在では、小片は陶磁器(セラミック)やガラス製の物が主流ですが、当時は大理石などの綺麗な

石を加工した物(テッセラと言います)が多く使われていました。

現在の著名な使用場所として、有名なデザイナーによる、ロンドンの地下鉄の駅などにあります。

1) タイルとモザイクの違い。

 ① 一般にタイルは正方形、長方形、三角形、六角形など規則的な形であるのに対し、不規則な

  小片をステンドグラスの様に、ぴったり嵌め込む事が特徴に成っています。

 ② タイル自体には絵が描かれている物もありますが、モザイクでは、絵画の点描の様に色違いの

   小片で紋様が構成される事に成ります。即ち、前者が平面的なのに対し、後者はやや立体的に

   なります。

 ③ タイルに描かれた文様は、近くで見ても遠くで見ても、さほど見た目に違いがわかりませんが

   モザイクの場合、近くで見ても絵柄が判然としません。遠く離れた場所から見る事で絵柄が

   認識できる事に成ります。

 ④ 小片が細かい程、絵柄は鮮明に表現できますが、石を削って細かい片が作られるのに対し、

   施釉した細かい陶磁器片を、多数焼成するには、それなりの手間や技術が必要に成ります。

   モザイクの各片が細かい程綺麗な紋様に仕上がります。

2) モザイク紋様を作る方法は、同じ形の小片を組み合わせる方法と、異なる形の小片を繋ぎ

   合わせて作る方法があります。前者であれば、各種の色違いの小片を多数焼いてから、組み

   合わせれば良いのですが、後者の場合、全ての小片で作品を組み合わせてから、再びバラシ

   各小片に担当する色で施釉し、焼成します。その後再度組み立てる事になります。

   施釉した小片がどの様に発色するかは、ある程度偶然性に左右される場合もあります。

   なるべく、安定して発色する釉を使う事になり易いです。

3) タイルに比べ各小片が細かい(小さい)事が多いですので、タイルよりも作業の量は増えます

   更に、細かい小片を焼成するには、窯詰めに工夫が必要に成ります。

   尚、小片の焼成は手間隙が掛かる為、やや大きな陶片を焼成後、適度の大きさにカットして、

   使用する場合もあります。

4) 公共的な建物に、陶壁などが取り付けられているのを見掛けますが、これは大規模なモザイク

   と見る事が出来ます。但し、モザイクよりも各片は格段に巨大で、肉厚で立体的です。

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