わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 62 陶磁器の表面装飾方法 4

2015-01-17 22:04:18 | 素朴な疑問
2) 彫る削る方法。(前回の続きです)

 ⑤ 透かし彫り。

  一般に食器として使用する容器には、透かし彫りは施されませんが、ランプ等の照明器具や、

  菓子鉢の様に液体を入れない容器などには、模様として透かし彫りを行う事も多いです。

  更に、花瓶や壷などの場合、壁を二重に作り、その外側のみに透かし彫りを施す技法も古くより

  行われています。又、蛍焼きと呼ばれる技法は、小孔を開け釉でその孔を塞ぐ方法が取られて

  います。釉のみの部分は、透明感のある焼き物になります。特にご飯茶碗などで見掛けます。

  (尚、孔は貫通した物で、穴は行き止まりの物です。)透かし彫りを行うには幾つかの方法が

  有ります。

  ) 抜き型を使う方法。

   a) クッキーの抜き型は、容易に手に入る物です。金属製や樹脂製の物が多いです。

    ハートの形や、動物の形、木の葉型、花型など種類は豊富です。しかし、模様としては

    小型の物は少ない様で、使い勝手が必ずしも良くありません。

   b) 私事ですが、東京の浅草の近くの合羽橋(かっぱばし)で、小型の抜き型を買い求めて

    います。桜の花びら一枚程度の小さな抜き型も売られています。又、幾何学文様に適する

    三角形、四角形、六角形などの基本形や、他に楕円状の物もあります。これらを組み合わせ

    れば連続模様の透かし彫りも可能です。

   c) 抜き型を使う場合、作品の形にしてから、抜き文様を加えます。

     勿論、タタラ(粘土板)での段階で型抜きする方が、簡単な為、型抜き後に組み立てる

     事も多いです。型抜きをする際には、粘土が適度に乾燥している事が大切です。軟らかい

     と抜く事は簡単ですが、全体の型が崩れます。乾燥し過ぎると抜けません。

   d) 型抜きの際には、裏面を手(指)や板で押さえると、抜き易くなります。

     当然、肉が薄い方が抜き易いです。更に、抜いた裏面には「ばり」(毛羽立ち)が発生

     しますので、端面と裏面の「ばり」は取り除きます。

  ) ドリルの刃を使う。

   a)「ドリル」とは、金属や木工用の丸い穴(孔)を開ける道具です。金属製の物は1~10mm

    以下の物が多く、木工用のはそれ以上の物が多いです。モーターを使ってドリルで穴を開け

    すると効率が良いのですが、出来れば一孔づつ手で開ける事を薦めます。

    尚、ドリルの無い場合、金属製のパイプを使う事も出来ます。例えば、傘の中心棒の様な

    物も使えます。そのほか、プラスチックのパイプも役に立ちます。場合によっては瓶などの

    蓋も使う事も出来ます。  

   b) 「ドリル」で穴を開ける際、刃先が食い込まず、逃げる事がありますので、必ず穴の

     中心部には、針などで小さな凹みを付けておきます。(尚金属に穴を開けるの場合には

     「センターポンチ」と言う道具があります。)

   c)「ドリル」の刃は時計回転(右回転)で先に(中に)進みます。逆回転で抜け出す事に

    成りますが、完全に抜け切るまで右回転させます。

 ) 任意の模様の透かし彫り。

以下次回に続きます。

  
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする