5) 緋襷(ひだすき)を焼く。
緋襷は、無釉の作品同士を重ね焼きする際、作品と作品がくっ付かない様に、作品間に藁を挟ん
だり、作品自体を藁で包んで焼いた処、藁(わら)の跡に細長い緋色(赤い色)が出た事から、
発見された ものと言われています。現在では、備前焼の代表的な装飾方法の一つで、緋襷の
文様もある程度計算して藁を巻き付ける事で、思い通りの位置に現す事も出来ます。
本来薪窯で焼成しますが、匣鉢を使い、薪窯以外でも緋襷を焼く事ができます。
① 緋襷用の土。
緋色が綺麗に発色する為には、焼き上がりが白くなる土を使います。
黄ノ瀬に、白い信楽土や伊賀の土を混入させると良いと言われています。
尚、他の作品と同じ窯で焼成する為には、焼成温度を揃える様に調整する必要があります。
一般に、備前の土は高温に弱いです。
② 匣鉢に詰める。
匣鉢は、作品より一回り大きいものを使います。大き過ぎると作品と藁の間が空き過ぎ、緋色が
出難くなります。藁と作品を密着させる事で、緋色に発色します。
) 匣鉢の底一面に珪砂を敷きます。
) 藁を底に敷く。藁以外の植物の茎を使うと、緋色に成りません。
a) 藁は予め水に浸したり、棒で叩いて柔らかくしておき、変形し易くします。
b) 10本程度の長めの藁を、まとめた物を二束用意します。この束を匣鉢の底に十文字に
交叉させる様に差込みます。
c) 作品を匣鉢の中心に入れます。当然、作品の底で藁を押さえ付ける事になります。
d) 藁は作品の周囲から上に立ち上がります。このままでは、立ち上がった状態で緋襷模様に
成りますもで、立ち上がる藁を好みの文様に成る様に、「バラシ」ます。
長い藁を作品の上部に絡ませます。壷や鶴首の様に上部が細く成っている場合、藁が
作品に密着しません。その様な時は、ドーナツ状の物や円筒形の物と匣鉢で藁を挟み
込み密着させる様にします。小鉢などで上から藁を押さえる方法もあります。
e) 皿の内側に緋襷を出したい場合には、作品同士を重ね合わせ、その間に藁を差し込む
事です。(本来の方法です)
f) 作品によっては器の内側に緋色が出るのを嫌う場合があります。その際には、余分な藁を
切り取ります。即ち、藁の高さは作品の高さまでとします。
g) 匣鉢に蓋をします。
蓋と匣鉢の間から食み出した藁は、鋏で切り取ります。切らないと藁の灰が舞い上がり
他の施釉陶器に降掛かり、釉面が汚れ易くなります。
③ 匣鉢の窯出し。十分冷却してから窯出しを行います。(必ず手袋を使います。)
) 蓋を取り除きます。その際、藁の燃えカスはガラス質を含む為、指に突き刺さる事が
あります。又、急に蓋を取り除くと、藁灰が舞上がる事もありますので、ゆっくり取り除き
ます。
) 作品を取り出す。
a) 作品には藁灰の燃えカスが付いていますので、刷毛などで取り除きます。
b) 紙(布)ヤスリを使い、滑らかに仕上げます。
c) 緋襷の出来具合を確認します。但し、緋襷の処理を行ったからと言って必ずしも緋色が
出るとは限りません。窯の温度や藁の状態によって変化したり、全く発色しない場合も
あります。
) 匣鉢の掃除。
匣鉢に残った藁灰の燃えカスと珪砂をまとめて、廃棄処分します。
④ 緋襷釉も市販されています。
今回のテーマとは異なりますが、緋襷釉(火色釉)と呼ばれる釉も市販されています。
この釉を流し掛けたり、筆で塗る事で緋襷風に仕上げる事も可能な釉でし。
この釉は多量の水の中に、少量の釉の成分が含まれた釉で、薄く掛ける事で発色します。
濃く掛けると、薄汚れた感じに成ってしまい易いです。
緋襷は、無釉の作品同士を重ね焼きする際、作品と作品がくっ付かない様に、作品間に藁を挟ん
だり、作品自体を藁で包んで焼いた処、藁(わら)の跡に細長い緋色(赤い色)が出た事から、
発見された ものと言われています。現在では、備前焼の代表的な装飾方法の一つで、緋襷の
文様もある程度計算して藁を巻き付ける事で、思い通りの位置に現す事も出来ます。
本来薪窯で焼成しますが、匣鉢を使い、薪窯以外でも緋襷を焼く事ができます。
① 緋襷用の土。
緋色が綺麗に発色する為には、焼き上がりが白くなる土を使います。
黄ノ瀬に、白い信楽土や伊賀の土を混入させると良いと言われています。
尚、他の作品と同じ窯で焼成する為には、焼成温度を揃える様に調整する必要があります。
一般に、備前の土は高温に弱いです。
② 匣鉢に詰める。
匣鉢は、作品より一回り大きいものを使います。大き過ぎると作品と藁の間が空き過ぎ、緋色が
出難くなります。藁と作品を密着させる事で、緋色に発色します。
) 匣鉢の底一面に珪砂を敷きます。
) 藁を底に敷く。藁以外の植物の茎を使うと、緋色に成りません。
a) 藁は予め水に浸したり、棒で叩いて柔らかくしておき、変形し易くします。
b) 10本程度の長めの藁を、まとめた物を二束用意します。この束を匣鉢の底に十文字に
交叉させる様に差込みます。
c) 作品を匣鉢の中心に入れます。当然、作品の底で藁を押さえ付ける事になります。
d) 藁は作品の周囲から上に立ち上がります。このままでは、立ち上がった状態で緋襷模様に
成りますもで、立ち上がる藁を好みの文様に成る様に、「バラシ」ます。
長い藁を作品の上部に絡ませます。壷や鶴首の様に上部が細く成っている場合、藁が
作品に密着しません。その様な時は、ドーナツ状の物や円筒形の物と匣鉢で藁を挟み
込み密着させる様にします。小鉢などで上から藁を押さえる方法もあります。
e) 皿の内側に緋襷を出したい場合には、作品同士を重ね合わせ、その間に藁を差し込む
事です。(本来の方法です)
f) 作品によっては器の内側に緋色が出るのを嫌う場合があります。その際には、余分な藁を
切り取ります。即ち、藁の高さは作品の高さまでとします。
g) 匣鉢に蓋をします。
蓋と匣鉢の間から食み出した藁は、鋏で切り取ります。切らないと藁の灰が舞い上がり
他の施釉陶器に降掛かり、釉面が汚れ易くなります。
③ 匣鉢の窯出し。十分冷却してから窯出しを行います。(必ず手袋を使います。)
) 蓋を取り除きます。その際、藁の燃えカスはガラス質を含む為、指に突き刺さる事が
あります。又、急に蓋を取り除くと、藁灰が舞上がる事もありますので、ゆっくり取り除き
ます。
) 作品を取り出す。
a) 作品には藁灰の燃えカスが付いていますので、刷毛などで取り除きます。
b) 紙(布)ヤスリを使い、滑らかに仕上げます。
c) 緋襷の出来具合を確認します。但し、緋襷の処理を行ったからと言って必ずしも緋色が
出るとは限りません。窯の温度や藁の状態によって変化したり、全く発色しない場合も
あります。
) 匣鉢の掃除。
匣鉢に残った藁灰の燃えカスと珪砂をまとめて、廃棄処分します。
④ 緋襷釉も市販されています。
今回のテーマとは異なりますが、緋襷釉(火色釉)と呼ばれる釉も市販されています。
この釉を流し掛けたり、筆で塗る事で緋襷風に仕上げる事も可能な釉でし。
この釉は多量の水の中に、少量の釉の成分が含まれた釉で、薄く掛ける事で発色します。
濃く掛けると、薄汚れた感じに成ってしまい易いです。