七五三の千歳飴の中に入っている、棒状の金太郎飴は切り口が常に金太郎の顔が出てくる様に
作られています。即ち同じ模様を多数作りたい場合には、この方法が役にたちます。
太巻きと言われる海苔巻きにも、同様に切り口が常に同じに成った物があります。
それぞれ材料は異なりますが、作り方はほぼ同じと見て良いでしょう。当然色土を使ってもこの様な
表現技法は可能です。金太郎飴は丸い模様で、太巻きは丸又は四角形ですが、好みの形にする
事は不可能では有りません。勿論、具象的な物だけでなく、抽象的な模様であってもかまいません。
但し、作った模様をどの様に使うかが問題に成りますが、一般的には作品の一部に取り込んで使い
ます。薄くスライスした模様を作品に貼り付ける方法や、やや肉厚に切り出した模様を、刳り貫
(くりぬく)いた作品の一部に嵌め込む技法などがあります。
その他、模様をどの様に生かすかは作者次第です。
前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
1) どの様な模様にするかを考える。(準備)
模様の種類、模様の大きさ、使う色土の種類と数などですが、重要なのは、海苔巻きの海苔に
相当する色を決める事です。基本的には、作品の土の色と合わせます。合わせる事で、貼り
付けたり、嵌め込んだ際に、繋ぎ目の処理が楽に成ります。
2) 必要な色土と海苔に相当する土を用意します。
① 海苔に相当する土は、一般的には四角形ですが模様の大きさや形状に合わせて厚みや
大きさを決めます。
② 良く菊練された色土を棒状にします。模様によっては太い物や細い物、丸い物、四角い物
更には三角形や不定形の物など、模様に応じて様々な棒に成ります。但し、棒の長さは統一
する必要があります。
3) 巻き取って模様を作る。
① きつく絞った布や蚊帳の上に、海苔に相当する土を載せます。その上に、上記の色土を並べて
いきます。当然、意図的な模様にするには、それに適した色の配列が必要です。
準備の段階で紙などに配置図を描いておくと作業が早いです。
又、実際に色土片を寄せ集め、模様を作って試作し状態を確認する事です。
② 海苔巻きの様に巻き取る。
下に敷いてある布や蚊帳ごと丸め込みます。
巻き取る際、各々の色土同士が圧着する様にきつく締ます。巻き取りは一周以上にし、
重なり部分もしっかり接着します。巻き取りは円形の方がやり易いです。もし四角が必要ならば
丸くしてから四角や楕円などの形に変えます。当然模様のバランスは変わります。
③ 巻いた太さを調整する。
太さを細くしたい場合には、回転させながら手を左右に広げます。逆に太くするには左右の手を
近づけます。尚、次の模様の確認の際にも、全体を大きくしたり小さくしたりする事が可能です。
4) 模様を確認する。
① 海苔巻き状の両端を切れる刃物や細い糸で切断し、切り口を見て模様を確認する。
両端は模様が崩れている事が多いですので、切り取りますが、その際その切断面を見て
模様を確認できます。
② 模様を微調整する。
棒状のままで微調整する事も可能ですが、棒状の物をスライスして薄くしてからの方が調整
し易いです。微調整は色土の位置と形、色土の面積の増減、及び模様全体のバランス等です。
5) スライスし微調整が終わった土を、上下を板で挟み圧を掛けて、よりしっかり土を締めます。
スライスする厚みは、模様を作品に使う方法によって異なります。
以下次回に続きます。