わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼き物は壊れ物 3 粘土とは2

2013-12-15 19:53:00 | 焼き物の材料(原料とトラブル)

  ④ 粘土とは?(粘土は英語でclayと言います。)

    「ねばねばした物質」、粘る(ねばる)土の意味で粘土と呼ばれている様です。

    学問的な定義では、「1)粘着性を有する物。 2)微細な粒子の集合体。 3)主に珪素、アルミ

    ニウム、アルカリ金属(または土金属)、水分などの化学的成分を持つ天然物である事」

   とされている様です。

   ・ 一般に親水性が強く(泥、泥漿状態)、水を含むと可塑性、粘着性、低透水性を示し、乾燥

     すれば剛性を示します。岩石の風化作用、熱水変成作用などで生成され、地上、海底などに

     広く分布しています。

   ・ 粘土は、表面活性、イオン交換性、吸着性、コロイド性(分散、凝集)、膨潤性などの化学的、

     物理的性質の特性を生かし、様々な分野で利用されています。

   ・ 焼き物については、用途に応じて煉瓦用粘土、陶器用粘土(陶土)、磁器用粘土(磁土)が

     あります。

  ) 粘土の特性

   a) 親水性が強い。又、低透水性を示します。

     親水性に強いとは、水に良く溶ける事です。透水性が低いとは、水を通し難い事を言います。

     互いに相反する現象ですので、一瞬間違いではないかと思われるかも知れません。

    イ) 一般に粘土は水を通さない物質として認識しています。それ故、雨水が地中に浸透せず、

      大雨などでは粘土層で水が溜まり、崖崩れなどの災害を起こしますし、粘土質の為、樹木の

      根が十分張れず大きな木が育たないとも言われています。それ故、粘土を自ら探す場合には

      大きな樹木の無い、草原などを探すと良いとも言われています。水田など水を貯める必要の

      ある場所には、粘土質の土で囲みます。いずれも、粘土が濡れている状態の場合に当て

      はまります。

    ロ) 透水性が強い場合は、粘土が乾燥している状態の時に起こります。

      特にカラカラに乾燥している塊の粘土に水を加えると、瞬く間に水を吸い込み、どんどん

      塊を溶かし、ドロドロの状態に成ります。それ故、固まった粘土を軟らかくするには、機械的

      に細かく粉砕した後、天日などで完全に乾燥させて、水を加えると簡単に軟らかく出来ます。

      これは、細かい粒子からなる粘土には、乾燥により無数の隙間が出来る為で、その隙間に

      水が入り込む事で起こります。

   b) 可塑性(かそせい)と剛性(ごうせい)。

      可塑性は軟らかく自由に変形し、そなままの状態を維持するを言います。剛性は硬くて

      自由に変形し難い状態を言います。いずれも相反する現象です。

    イ) 適度に濡れた粘土は、用意に手で捏ったり、延ばして自由に細工することが出来ます。

      作品の大きさによって濡れ具合(水分量)を調節し、可塑性を調節する事ができます。

      やや乾燥し作り難くなれば、水を加える事で、容易に元の状態に戻す事も可能です。

      それ故、太古より土器の材料として利用されてきました。

    ロ) 粘土に含まれる水分が蒸発するに従い、剛性が出てきます。

      特に粒子の細かい粘土ほど、剛性の強度が強くなります。

      水分は粘土の粒子間に存在しますが、乾燥が進むに従い、粒子間の間隔が狭まり、

      乾燥収縮が大きくなります。 即ち、大きく縮む事に成ります。

      (収縮率や焼成収縮については、後日お話しする予定です。)

以下次回に続きます。

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