わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

ゆがみ(歪み)と変形8(歪みの原因5)

2011-07-29 22:41:35 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、歪みの原因について、お話します。

作品が、歪む原因は、多肢に渡りますが、電動轆轤作業で、歪むのは、必ずしも、自然現象では、

有りません。早い話、轆轤技術が未熟な為の事が、多いです。

電動轆轤については、今まで何度も述べて来ましたので、詳しい話は抜きで、要点のみを記します。

詳しい事は、当ブログの「電動ロクロ入門」「電動ロクロの技法」「轆轤の上達法」等を、ご覧ください。

電動轆轤作業で、作品が歪む原因は、以下の様な事が上げられます。

1) 土の固さの不均一な為。

2) 土に空気や異物が入っている為。

3) 土殺しが完全ではない。

4) 土の中央に穴が掘られていない(中心より「ズレ」ている)

5) 作業者の手の位置が、しっかり固定されていない。

   特に外側の手(時計回転方向では、左手の肘)が、体の一部から、離れている。

6) 土を薄く延ばす際、内外の力のバランスが悪い。(遠心力に負けない様に)

   又、手を上に挙げるスピードに、バラツキが有る。(途中で止まらない様に)

7) 水の使い過ぎ。又は作業に時間が掛過ぎる。(手早く、土が水分を含まない内に作業終了)

8) 轆轤の回転スピードは、作品の径に合わせて、調整する事(手元のみでなく、足の方も注意)

9) 極端な、下膨れで作品が潰れる(常に作品の形を見ながら作業)

10) 上部の土を支える為には、ある程度の肉厚が必要で、極端に横に張り出すと、支えきれずに、

    作品が潰れます。

11) 「よれ」が発生すると、作品は歪みます。

    「よれ」を解消するには、ある程度の技術が、要求されます。

    「よれ」は、肉厚が極端に薄くなった場合と、急に肉厚に成った場合に起こります。

    特に肉が薄く成り過ぎた場合には、補修するより、最初からやり直す方が、良い位です。

    (補修には、時間も掛り、完全に補修できる事は少なく、出来たとしても、土の記憶性により、

     自然乾燥時に、歪みが現れてきます。)

12) 底削りの際に、片削りに成らない様にする事

    その為には、伏せた作品の底周辺が、轆轤の中心に無ければ成りません。

    (この作業は、意外と難しいです。不得意な方は、他の人に確認して貰うと良いのですが・・)

13) 削り作業で、肉厚が極端に薄くしない事です。高台脇を薄く削り過ぎると、本焼きで、

    作品が、潰れたり、割れが入ったりします。

    (作品を指で弾いて、音で判断しますが、この作業も、慣れないと、かなり難しいです。)

14) 轆轤で作った作品を、故意に変形させると、思わぬ方向に歪む事があります。

15) その他

以上の様に、色々な原因で、轆轤作業中や、作業後に作品は変形します。

次回は、変形について、お話します。
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