前回に続き、歪みの原因について、お話します。
作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。
④ 本焼き時に起こる歪み
素焼きまでは、なんら歪みも無く、順調に作業が進んでいても、窯出しで歪みが、見つかる事も
稀ではありません。1200℃以上の高温に曝されると、土の種類や、作品の形状によって、
色々な力が働き、予想もしない歪みとなって、現れてきます。
) 前々回にお話した様に、皿に脚を付けると、歪みが出易いのも、この為です。
) 土と釉のミスマッチでも、歪みが出易いです。
何度も、お話する様に、土の耐火は、種類によって、若干の差があります。
同様に、釉にも最良の温度範囲と、その窯での最良の場所があります。
即ち、土の耐火度と、釉の最適温度と位置が、一致した時に、綺麗な色や、歪みの無い作品と
成ります。
a) 耐火度の低い土に、熔けにくい釉を使う事により、作品に歪みが、発生します。
又、熔け易い釉でも、結晶釉の様に、高い温度を、長時間保持する必要がある場合でも、
同じ現象が、起こります。
) 窯の中の温度分布は、必ずしも、一応ではありません。
電気の窯ですと、電熱線に近いほうが、温度が高いはずですし、燃料を使う窯でも、炎の当たる
位置によって、作品が受ける熱量も、違ってきます。
a) 炎が直接作品に当たると、過熱状態に成りますので、火盾と言う耐火性のレンガを、作品の
前に置く事があります。作品に直接火力のある、炎が当たると、作品が歪むだけでなく、
裂ける場合も有ります。
b) 炎が良く伸びると、良い結果が出るとも、言われています。
しかし、炎の場所場所によって、温度や、窯の雰囲気(酸化、還元など)は微妙に変化
しています。炎の根元は、酸素と燃料(ガス等)が十分混ざり合っていません。
炎の中ほどは、酸素とガスが適度に混じり、還元焼成に、成り易いです。炎の先端では、
ガスと酸素が十分混じり合い、酸化焼成に、成り易く、火力も強く、温度が高い部分と
成ります。この様に、複雑な炎が、電気の窯では、決して出ない、窯変を引き起こす事に
成ります。又、炎のどの部分が、作品に当たるかによって、同じ釉であっても、発色状態は、
変化します。それ故、窯の位置によって、釉が良く発色する、特定の場所が、あるのです。
c) 以上の理由により、大きな作品では、炎の当たる側と、その反対側では、温度差や、雰囲気に
違いが出易いです。その結果、色の違いの他、作品の歪みも、出る事に成ります。
尚、この様な変化を嫌う場合には、 匣鉢(さや)を用います。
以下次回に続きます。
作品が、自然に歪む原因は、多肢に渡ります。
④ 本焼き時に起こる歪み
素焼きまでは、なんら歪みも無く、順調に作業が進んでいても、窯出しで歪みが、見つかる事も
稀ではありません。1200℃以上の高温に曝されると、土の種類や、作品の形状によって、
色々な力が働き、予想もしない歪みとなって、現れてきます。
) 前々回にお話した様に、皿に脚を付けると、歪みが出易いのも、この為です。
) 土と釉のミスマッチでも、歪みが出易いです。
何度も、お話する様に、土の耐火は、種類によって、若干の差があります。
同様に、釉にも最良の温度範囲と、その窯での最良の場所があります。
即ち、土の耐火度と、釉の最適温度と位置が、一致した時に、綺麗な色や、歪みの無い作品と
成ります。
a) 耐火度の低い土に、熔けにくい釉を使う事により、作品に歪みが、発生します。
又、熔け易い釉でも、結晶釉の様に、高い温度を、長時間保持する必要がある場合でも、
同じ現象が、起こります。
) 窯の中の温度分布は、必ずしも、一応ではありません。
電気の窯ですと、電熱線に近いほうが、温度が高いはずですし、燃料を使う窯でも、炎の当たる
位置によって、作品が受ける熱量も、違ってきます。
a) 炎が直接作品に当たると、過熱状態に成りますので、火盾と言う耐火性のレンガを、作品の
前に置く事があります。作品に直接火力のある、炎が当たると、作品が歪むだけでなく、
裂ける場合も有ります。
b) 炎が良く伸びると、良い結果が出るとも、言われています。
しかし、炎の場所場所によって、温度や、窯の雰囲気(酸化、還元など)は微妙に変化
しています。炎の根元は、酸素と燃料(ガス等)が十分混ざり合っていません。
炎の中ほどは、酸素とガスが適度に混じり、還元焼成に、成り易いです。炎の先端では、
ガスと酸素が十分混じり合い、酸化焼成に、成り易く、火力も強く、温度が高い部分と
成ります。この様に、複雑な炎が、電気の窯では、決して出ない、窯変を引き起こす事に
成ります。又、炎のどの部分が、作品に当たるかによって、同じ釉であっても、発色状態は、
変化します。それ故、窯の位置によって、釉が良く発色する、特定の場所が、あるのです。
c) 以上の理由により、大きな作品では、炎の当たる側と、その反対側では、温度差や、雰囲気に
違いが出易いです。その結果、色の違いの他、作品の歪みも、出る事に成ります。
尚、この様な変化を嫌う場合には、 匣鉢(さや)を用います。
以下次回に続きます。