わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手芸粘土2 (紙粘土、樹脂粘土)

2011-05-11 17:53:18 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
手芸粘土では、一般的に余り大きな作品は、作らない様です。

掌(てのひら)に、乗る程度の大きさ、即ち、小物の部類が多いです。

2) 粘土の種類と特徴

   紙粘土、軽量樹脂粘土、樹脂粘土、石粉粘土、油粘土、小麦粉粘土、パン粘土などの種類が

   あり、その他、高価な銀粘土も有ります。

  ① 紙粘土

   細かく裁断された紙に、糊などを加えて、粘土状にした物です。

   原材料にパルプを含む為、紙粘土といいます。又、粘土分を含む物もあります。

   近年、非常に軟らかく軽量のものや、液状のチューブ入りの物なども、開発されています。

   又、パルプを含まない、紙粘土も開発されている様です。

   ) 他の粘土類よりも、安価で、ホームセンターや、100円ショップなどでも、販売され、

      入手が容易です。

   ) 非常に軽く、乾くと固形化します。又、水彩絵の具で彩色でき、その作り易さから、幼児の

     遊び道具や、工作材料として、小、中学校での図工、美術教材などにも、用いられています。

   ) 紙粘土にも、重さ(重量)や、手触りに違いが有ります。

      弾力のある、もぞもぞした、紙粘土は、細かい細工には向きません。

      持った時にやや重く、しっとりした感じの物の方が、細かい細工に向いています。

      尚、 複雑な作業に適した、手芸用紙粘土の材質に、シラスバルーン(石の粉末)、タルク、

    合成粘結剤、パルプ繊維粉、保存剤、保湿剤、保白剤、水などで、作られた紙粘土も有ります。

   ) 芯材などを入れて、使います。但し、水分に触れると、溶けて形を崩し易いです。

      更に、乾燥した紙粘土は、衝撃に弱く、破損し易いから、注意が必要です。

   ) 乾燥後に着色や、ニスなどで表面を覆い、光沢を与え、質感を変える事も出来ます。  

      更に、紙粘土に絵の具を混ぜ、粘土自体に色を付ける事が出来ます。

  尚、愛好家により、大人向けの関連図書も、多数出版され、作品も多く紹介されています。

 ② 樹脂粘土

   樹脂粘土は、紙粘土よりも高価ですが、手触りが良く滑らかで、細かい造形に適します。

   固まると少し透明がかった、陶器の様な質感に変わる特徴が有ります。

   樹脂粘土には、、自然乾燥で硬化させる、一般的な樹脂粘土と、焼成して硬化させるタイプ

   「ポリマークレイ」の、2種類の粘土があります。

  ) 自然乾燥用にも、幾つかのの種類が有ります。

      粘土の種類によって、耐水性が有る物もありますが、基本的には、水分を避けてご使用します。

     完成品には、弾力がありますが、微細な構造や薄いエッジに強い力を加えると、破損

     変形する事もあります。

    (商品は各メーカーから、色々な名前で、市販されていますが、一例を挙げておきます。)

    a) 商品名:ハーティー

      他の樹脂粘土より、安価な物で、軽量粘土です。

      軽いが固まった後は、紙粘土より、しっかりしています。

      用途としては、最も「スイーツデコ」に適している種類の粘土です。

      軽いので、ストラップに最適です。(500~700円)

    b) 商品名:グレイス

      弾力性もあり、透明度も優れ、とても便利な粘土です。

      殻粉を原料とした樹脂粘土で、きめが細かく、柔らかで、薄く延ばすことができます。

      アクリル絵の具等での彩色が容易で、乾燥後にカッター等で切ると、断面が非常に綺麗です。

      乾燥後も壊れにくく、プラスティックのように頑丈です。

      デコパーツ作り(花作りなど)に最適ですが、少々重く感じます。(600~1000円)

    c) 商品名:コスモス

     殻粉を原料とした樹脂粘土です。白味がかった粘土で、陶器の感覚を表現したい場合に

     最適です。軟らかいですが、乾燥後は頑丈になります。

     乾燥後の色はグレイスに比べて、やや透明度が欠けます。デコパーツ作りに便利です。

    d) 透明粘土(レジックス粘土)

     澱粉と特殊樹脂(スターチ&レジン)を主原料とした樹脂粘土です。

     非常に透明度の高い仕上がりになります。透過性を作品に出したい時は、最適です。

     乾燥が早いので、作業は素早く進める事です。

  ) ポリマークレイ: 焼成(オーブン加熱など)して、硬化させる樹脂粘土です。

    主にポリ塩化ビニルが、主成分の粘土です。 耐水性があり、一般的な樹脂粘土より

    強度がありますが、落下や強い衝撃などによる破損が、起こりますので、注意が必要です。

    色落ちは通常使用では、まず心配ありません。

以下次回に続きます。
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