燃焼の「メカニズム」の話を、続けます。
2) 温度上昇に伴う土の変化
⑦ 1000℃以上に成ると、化学反応が、活発に成り、素地は急激に、収縮し始めます。
) 1000℃周辺で、発熱反応が起こります。
吸熱反応とは逆に、少ない熱エネルギーで、温度上昇が起こります。
これも、鉱物の種類に拠って、温度範囲、反応の強さなどに、差が有ります。
) ガラスには融点は、ありません。
融点とは、ある決まった温度で、熔ける事で、全部熔け終わるまで、その温度を保持します。
ガラスは、ある温度に成ると、次第に軟らかくなり、次第に熔けてきます。
その温度範囲は、幅があり、長時間焼成し続けると、次第に流れる様に成ります。
) 焼成によって縮む率は、生素地から12~13%程度が、一般的ですが、素地の組成、
焼成温度により、差が出ますが、最大でも20%以下です。
⑧ 「ならし焚き」
所定の温度まで上昇したら、この温度を保ちながら、数十分~1時間ほど、釉を熟成させます。
この焼き方を、「ならし焚き」又は、「焚き上げ」と言い、酸化炎で行います。
目的は、窯内の温度のばらつきを、無くし、釉を均一に、熔かす事です。
⑨ 冷却
冷却の速さも、作品の良し悪しを決める、重要な要素です。「冷やしも、窯焚きの内」と言う
言葉も有ります。
) 自然冷却と除冷、及び急冷
・ 自然冷却:「ならし焚き」した後、燃料や電気を断ち、窯が自然に、冷えるのを待ちます。
但し、窯の構造、大きさ、壁の厚さ、作品の量などにより、冷える速度は、窯によって異なります。
・ 除冷: 燃料や電気を全て、断つのでは無く、一部残しながら、冷えるスピードを、遅くします。
特に、結晶釉の場合には、結晶が成長する温度付近で、一定温度を保持するか、少しづつ温度を、
下げていきます。この場合、燃料を全て断ち、所定の温度まで、自然冷却した後、再度点火して、
温度を保持する方法や、ゆっくり下げる方法も、有ります。
・ 急冷: 楽焼に多い方法です。釉が十分熔けたら、窯の中から、火箸で挟んで、引き出します。
場合に拠っては、水の中に、投じたりします。これは黒色を、発色する時に行い、この色を
引き出し黒と呼び、珍重されます。尚、火箸の痕が、付いています。
但し、楽焼用の土(急熱、急冷用)を使わないと、いけません。
・ 一般の作品では、900℃位までを、急冷すれば、光沢のある、良い釉面に成ります。
) 色釉(着色釉)は、急冷が良く、結晶釉は、除冷が良いと、言われています。
昔から、「窯を冷ます時間は、窯焚きに要した時間と、同じにする」と、言われています。
) 「冷め割れ」に注意
600~500℃の間を急冷すると、石英が多く、肉が厚い素地は、「割れ」を起こします。
これは、石英がこの温度付近で、急に縮む為で、他の成分との間に、歪が生じるからです。
「冷め割れ」は、割れた断面を見ると、判ります。
即ち、断面に釉が、掛かっていません。釉が固まった後に、割れが生じた、証拠と成ります。
以下次回に続きます。
2) 温度上昇に伴う土の変化
⑦ 1000℃以上に成ると、化学反応が、活発に成り、素地は急激に、収縮し始めます。
) 1000℃周辺で、発熱反応が起こります。
吸熱反応とは逆に、少ない熱エネルギーで、温度上昇が起こります。
これも、鉱物の種類に拠って、温度範囲、反応の強さなどに、差が有ります。
) ガラスには融点は、ありません。
融点とは、ある決まった温度で、熔ける事で、全部熔け終わるまで、その温度を保持します。
ガラスは、ある温度に成ると、次第に軟らかくなり、次第に熔けてきます。
その温度範囲は、幅があり、長時間焼成し続けると、次第に流れる様に成ります。
) 焼成によって縮む率は、生素地から12~13%程度が、一般的ですが、素地の組成、
焼成温度により、差が出ますが、最大でも20%以下です。
⑧ 「ならし焚き」
所定の温度まで上昇したら、この温度を保ちながら、数十分~1時間ほど、釉を熟成させます。
この焼き方を、「ならし焚き」又は、「焚き上げ」と言い、酸化炎で行います。
目的は、窯内の温度のばらつきを、無くし、釉を均一に、熔かす事です。
⑨ 冷却
冷却の速さも、作品の良し悪しを決める、重要な要素です。「冷やしも、窯焚きの内」と言う
言葉も有ります。
) 自然冷却と除冷、及び急冷
・ 自然冷却:「ならし焚き」した後、燃料や電気を断ち、窯が自然に、冷えるのを待ちます。
但し、窯の構造、大きさ、壁の厚さ、作品の量などにより、冷える速度は、窯によって異なります。
・ 除冷: 燃料や電気を全て、断つのでは無く、一部残しながら、冷えるスピードを、遅くします。
特に、結晶釉の場合には、結晶が成長する温度付近で、一定温度を保持するか、少しづつ温度を、
下げていきます。この場合、燃料を全て断ち、所定の温度まで、自然冷却した後、再度点火して、
温度を保持する方法や、ゆっくり下げる方法も、有ります。
・ 急冷: 楽焼に多い方法です。釉が十分熔けたら、窯の中から、火箸で挟んで、引き出します。
場合に拠っては、水の中に、投じたりします。これは黒色を、発色する時に行い、この色を
引き出し黒と呼び、珍重されます。尚、火箸の痕が、付いています。
但し、楽焼用の土(急熱、急冷用)を使わないと、いけません。
・ 一般の作品では、900℃位までを、急冷すれば、光沢のある、良い釉面に成ります。
) 色釉(着色釉)は、急冷が良く、結晶釉は、除冷が良いと、言われています。
昔から、「窯を冷ます時間は、窯焚きに要した時間と、同じにする」と、言われています。
) 「冷め割れ」に注意
600~500℃の間を急冷すると、石英が多く、肉が厚い素地は、「割れ」を起こします。
これは、石英がこの温度付近で、急に縮む為で、他の成分との間に、歪が生じるからです。
「冷め割れ」は、割れた断面を見ると、判ります。
即ち、断面に釉が、掛かっていません。釉が固まった後に、割れが生じた、証拠と成ります。
以下次回に続きます。