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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素焼と本焼きとの違い(2)

2009-05-11 22:45:35 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
前回の続を述べます。

4) 焼ける作品の量が違う。

 ① 素焼は、本焼きの1.5~2倍程度の作品を焼く事が出来ます。

   それは、5)で述べる、窯詰めの方法の違いによるものです。

  ・ 作品の量が少ない場合、注意点として、作品の「冷め割れ」の問題が有ります。

    窯の大きさが、小さい場合、又は窯の壁が薄い場合で、作品の量が少ないと、

    窯の冷める速度が早く、作品に髪の毛程の太さの、「ヒビ」が入ります。

    (この「ヒビ」は本焼きでは、確実に大きく成ります。)

  ・ 対策として、棚板の数を増やす(二枚重ねて使うなど)か、不要な作品や、

    使用して汚れた(茶渋や、汁物の汚れ)作品を同時に詰め、冷めを遅くします。

    (素焼をすると、汚れは取れ、新品同様に成ります。)

5) 窯詰めの方法が違う。

 ① 素焼は、作品を重ねて焼く事が出来ます。

  ) 大きな器の中に、小さな器を入れる。

    但し、重量の有る作品を内側に入れる(入れ子)場合、外側の底に衝撃が掛からない様にします。

    又、「入れ子」の数も、あまり多せず、底に負担が掛からない様に、考慮します。

  ) 皿などの、平たい(薄い)作品は、なるべく立てて窯詰めします。

    背の高い作品に、寄り掛けたり、作品同士で、持たれ合いして、立てて下さい。

    但し、作品が丸い場合、立てると、点で支える事に成りますので、その部分に、

     負荷が掛からない様に、注意する必要が有ります。

  ) 燃料で焼成する場合、素焼表面や、重ねた部分が、煤(すす)で黒く成る場合が有ります。

    下絵付けをする場合には、絵の具の色が、見え難く成りますので、重ねる面に注意してください。

    尚、単に釉薬だけで処理したい場合には、黒くなっても、問題は有りません。

  ) 棚板などは、なるべく少なくし、作品全体が、縦に並ぶ様にします。

    窯の中の熱が均一になり、燃料費の節約にもなります。

 ② 本焼きの窯詰めに関しては、後日説明したいと、思います。

6) その他の違い。

 ① 本焼きは、素焼に比べ、焼成時間が長くなり、温度上昇が、順調に推移しているかを、

   常に注意する必要が有ります。

  ) 温度上昇が、突然遅くなったり、逆に温度が下がる場合も有ります。

   その原因も、窯によって、色々癖の様なものが有ります。窯の性質を掴むまでには、

   数回~数十回、窯を焚かなければ、解からない場合も有ります。

   窯の癖を理解した上で、対策や対処方法をとる事に成ります。

   この事は、素焼の場合の癖、本焼き時の癖と有り、その対処方法も、違う事が多いです。

   尚、窯の癖は、その窯特有の場合や、特有の窯詰めの仕方に、原因がある場合が多いです。

   それ故、他の人の助言や、助けが得られない場合が、多いです。

  ) 同じ窯で炊いても、作品を置く場所によって、作品の出来が、大きく違う事が多いです。

   又、前回の窯焚きで、良い作品が出来たからと言って、今回も同じ様に焼き上がるとは、
 
   限りません。

  ・ 「窯焚き、一生」と言う言葉が有ります。

 私も、200回近い本焼きをしていますが、満足いく焼成とは、程遠い状態です。

 陶芸の窯焚き(素焼) 
コメント
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