二ホンジカ

「鹿だよ、ほら。」

車で我が家を出て間もなく、主人がそう言いました。

なるほど、森の切れ目のわずかな草地で
草を食んでいるオスの二ホンジカがいます。
鹿は数頭で群れを作っていることが多いのですが、
この鹿は１頭だけのようです。

二ホンジカのオスは、生後１～２年で産まれた群れから独立すると言われ、
生後２年以上のオスはオスのみで群れを形成するそうです。

そんなことから考えると、群れから独立したばかりなのでしょうか。

つい昨日、お散歩の途中にある畑で働いておられる人と
「最近は、鹿をあまり見ませんね。」と言ったばかりでした。

数年前までは、我が家のまわりでも鹿の群れをよく見ました。
玄関の前にまで来る時もありました。
鹿は臆病らしく人の気配を感じると、まず静止します。
群れのリーダーの合図があるようですが、
安全とわかると、ゆっくりと進み始め。
危険と判断すると走って逃げていました。

ところが一昨年、伐採されたばかりの森の跡地に、
ぽつんと佇んでいた鹿を見たのが最後で、
しばらく見たことがなかったのです。
少なくとも、我が家の周りでは…。

ですから、今日、我が家からすぐの場所で見た時は
ちょっと驚きました。
しかも、私たちが乗っている車が、すぐそばに停車したにもかかわらず、
チラッと見ただけで、また草を食べ始めたのですから。

最近は、鹿やイノシシ、ハクビシンなどが畑の作物を食べないよう
広い範囲で電気柵が付けられています。
また、害獣として扱われているため、駆除の対象にもなっています。
可哀そうです。

もしかすると、この鹿は人に追われたことがないのでしょうね。
いつまでも元気でいてね。