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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国祭りの後事情

2011年01月03日 | 米国○○事情
今月いっぱいは飾っておいても大丈夫なクリスマスツリーなのですが、元旦の翌日からはすっかり平常に戻ってしまうここの暮らしに慣れてくると、この飾りを見るたびに、場違いな所に入り込んでしまって困っている子供のような気分になってしまいます。
毎年それでも、ツリー好きの旦那が、「せっかくやからもうちょっと」と言うのを聞いて、最後のツリー回収日まで待ってギリギリに出していました。
けれども今回のツリーは巨大で、いくら好きでも、やっぱり過ぎた祭りの残骸という感じもして、家のレッスンが始まるまでに撤去しようということになりました。

まずは気合いを入れるためのコーヒーとビスケット。
このカンカン、生徒の発表会のために買ったのだけど、量が多過ぎて食べても食べても減りません。


どんだけおっきいかというと……、


携帯と深鍋と比べてくださいませ。え?そんなん食べて大丈夫って?いいえ、ぜ~んぜん大丈夫ではございません!おほほ!

ツリーの飾りをすべて外し、電球もグルグルと巻き取りました。また次のクリスマスまで休憩です。


旦那と恭平とでえっさほいさと運び出し、とりあえずは前庭にゴロリン。木曜日の回収日までひとまずここで寝転んでいただきます。


さて、家の中はというと……大掃除じゃ~!



今回のクリスマスに来てくれたお客さんの中でただひとり、どうしても靴を脱いでくれなかったお方がいらっしゃいます。
それは……旦那父。
彼は今までもそうだったのだけど、どんなにお願いしても「靴を脱ぐことがどうしてもできない」と言って脱いでくれません。
それはまあしょうがないのであきらめていたのだけれど……。

リクライニングの椅子に腰掛けていたおとうさん。そのすぐ横の床に座っていたわたしの目の前に、彼の組み足の方の靴の裏が。
うん?……ま、ま、まさかっ!いやぁ~!そんなこと絶対にあったらいかぁ~ん!

もうお判りでしょうね。しくしく。そしてアレを見た時のわたしの心の慟哭も……。
「あのぉ~おとうさん、踏んじゃってますよ、アレ」
「え?そう?ふ~ん」
って……シャレ言ってんじゃね~よ!(英語でも音的に一緒だった……)脱げ!さっさと脱げ!無視るな!
と叫びながら、無理矢理彼の足首を抱え込み、靴を脱がしたい気持ち500%だったのですが、ドンペリの乾杯の直後だったし、それ持ってきてくれた本人なのでそれもできず……でももうそれからは、彼の行く場所行く場所が気になり始め、
あ、あそこ歩いた!あ、あそこも!うぎゃ~あそこも!と、わたしの目はもう探知機と化し、それでもうすっかり疲れてしまったのでした。
で、こんなのは精神衛生上まことによろしくない。幸い、ブツも靴裏の模様の凹みにすっかり入り込んでいて、ほぼ乾いた状態だし、と観念したわたしは、すっぱり無かったことにしようと決めたのでした。
そんなこんなで、すっかりそのことを忘れてしまっていたわたし(←どんだけ忘れとんじゃ~!)今日の掃除前になっていきなりあの時の映像が……ぎゃ~!!

葉っぱをほうきで掃き、掃除機で吸い込み、それから床を拭くこと3回。洗剤入り→水拭き→乾拭き。
まあ、這いつくばって匂いをクンクン嗅いだりはしませんでしたけど、ぴっかぴかにきれいになりました。とさ。


さあ、明日から完全無欠の新年の始まりです。
仕事も平常に戻ります。
8日のコンサートの練習もせにゃいけん。
15日のピアノコンチェルトの合わせの練習もせにゃいけん。
ほんでもってついに、書きたいモードになってきました。
どひゃっと忙しくなりそうな予感です。(って、全部自分で決めちゃったことなんですけどね……)



父ちゃんごめん!

2011年01月02日 | 家族とわたし
父が亡くなってから11回目のお正月に、お祝いのお供えをするのをすっかり忘れてしまっていた。

昨日の晩、皆がいなくなり、台所の片付けをしている時に、「今年はおとうさんのお祝いは?」と旦那に聞かれるまで気がつかなかった。

あっ!と慌てて台所を見渡した。
今年はおせちもろくに作らなかったし、お雑煮はみんなのお腹の中に消えてしまっていたし、父の好きな日本酒だってもう、瓶の底に少し残っているだけだった。

今日の早朝からスノボをしに出かける予定の拓人が、集合場所になっているキリコちゃんのアパートに昨晩から行くと言い出したので、風邪でダウンしている彼女に、カニ鍋で作った雑炊と黒豆と雑煮を持たせたので、本当の本当にスッカラカンの台所だった。

仕方が無いので、恭平が作ったぜんざいと黒豆、それからお猪口いっぱいだけの日本酒をお供えすることにした。


焦って温めたぜんざいの湯気が、遺影の中の父の顔を少し曇らせた。
白い霧の向こうから、遅かったやないか、と文句を言いた気な父の目が、わたしを睨んでいるような気がした。

甘納豆が好物だった父のことだ。しゃあないやっちゃな……とブツブツ文句を独りごちながらもきっと、娘のことを許してくれるに違いない。

新年こちらも明けました!

2011年01月01日 | 家族とわたし
思いっきり寝坊して起きたら、すでにあさこは散歩に出かけ、旦那はコーヒーを作りながらストレッチを少々。
夜更かしの後の朝ってほんと、なんでこうもボォ~ッとするのでしょう。

「もうめちゃええ天気やねんで!まうみもほれ、2分でええから外に出てみ」

この2分、アメリカンが言うとめちゃんこ怪しい。ほんの数秒が15分に延びるのが常識だけに、覚悟を決めて行動せにゃいかん。

ところが……おぉ~、マジでいい天気。素晴らしい快晴の元旦なのでした。

リスやうさぎ、ほんでもって正体不明の両足飛び動物の足跡が点々とついている裏庭。


テーブルもほれ、ここまで見えてきましたよ。


おぉ~、自由の女神のトゲトゲもかなり姿を現しております。(何人おるねん?)


あさこが散歩中に撮ってくれた我が家の元旦ショット。ウーちゃんが作ったレンガの家は、雪の嵐にも負けず、すっくと建っております。


 
さて、昨日から放っといた黒豆、仕上げにかかります。今回も美味しく煮上がりました。


昨日の夜に巻いた伊達巻。


お餅入りのお雑煮とお屠蘇も。


ここで大論争勃発!
お屠蘇の味について、あさこが薬草入りの甘い酒、と言い出し、そんなもん生まれてこのかた飲んだことがないわたしは、なんのこっちゃ?とさっそくウィキペディアを訪問。

『屠蘇(とそ)とは、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む薬酒である』
って……はっきりそんなこと断言されても……

さらに読み進めていくと、

『「屠蘇」とは、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという意味である。
数種の薬草を組み合わせた屠蘇散(とそさん)を日本酒に味醂や砂糖を加えたものに浸して作り、小・中・大の三種の盃を用いて飲む。
昔から、「一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し」と言われ、伝統的な正月の祝いの膳には欠かせないものとなっている。

飲む人の順には地域間で差があるが、年齢の若い者から順に飲むのが正式である。
これは中国の習慣からきたもので、若い者が毒味をするという意味があった。
しかし日本では、明治もしくは昭和初期に家長から飲むことも行われるようになったようである。

「屠蘇散」の一例

 
屠蘇散の初出は、一説には三国時代の名医・華佗の処方によるものと言われている。
その処方は『本草綱目』では赤朮・桂心・防風・抜契・大黄・鳥頭・赤小豆を挙げている。
現在では山椒・細辛・防風・肉桂・乾薑・白朮・桔梗を用いるのが一般的である。
人により、健胃の効能があり、初期の風邪にも効くという。 時代、地域などによって処方は微妙に異なり、最近ではトリカブト(煎ってよく加熱しないと猛毒)やダイオウ(下剤としても使われる)など作用の強い生薬は使われない』

知らんかったぁ~……これって常識なんやろか?

人生始まって53回目の正月に、またまた新たな感動に胸がいっぱいになりました。って……知らんことあり過ぎやし……

気をとり直してと。
みなさん、あけましておめでとうございます。今年もまた、これまで同様、よろしくお願いいたします
 


大晦日ブルース

2011年01月01日 | 家族とわたし
いつかきっと、それも近い将来、大晦日とお正月を家族揃って迎えることができんようになる。
そやからこうやって、できる時を大切に、おおいに楽しみたいと切に願うわたしの気持ちを思い遣ってくれるんやろうね。
大晦日の年越しとお正月のお祝いをする時間帯には、必ず家に居ようとしてくれる息子達。
ありがとう。お互いに口には出さないでいるけれど、わたしにはあんたらの気持ちがものすごう嬉しいで。

毎年やることが違うのがわたしの欠点。
そやから計画性が無いったらない。
今年はクリスマスホストファミリーの大役と、その直後の大雪と、アードリー一家の滞在延長が続いて、やっと家の中が静かになったのが29日。
静かになったけどあっちゃこっちゃがグチャグチャで、それこそ地下室から家の勝手口まで、残り物の料理がウジャウジャとあって、そんなんを前に、また新しくなんかを作ろう、なんて気持ちにはなかなかなれず……。
で、気がついたら大晦日……あわわ~

まずは買い物。食材を揃えんことには始まらん。
ミツワに行かにゃ~とわかっていながら、なんかひとりで行くのはつまらんなどとグズグズしていて、治療から戻ってきた旦那から「ボクも一緒に行ったるで」と言うてもろてやっとお尻が上がった。
ヘアケア製品を買いたい恭平もついてきてくれて、彼の運転で大にぎわいのミツワへ。
お米も切れかけてたし、普段の食べ物や漬け物も欲しかったし、そこに祝い酒やおせちの材料、そこにせんべいやお餅なんかをポイポイカートに入れてたら、レジでとんでもない金額になってて、それ見て思いっきり呆れる男一名。
ええい正月や!せこいこと言うな

散財ついでにコリアンマーケットに行き、大晦日のカニ鍋のカニをゲット。あ~しゃ~わせ!


家に戻ってからはひたすら料理、料理、料理!
いつもやったらひとパックしか入れんキノコさんも豪快にふたパックずつ。苦しゅうない、近う寄れ近う……。


家族揃ってお祝いできたしゃ~わせを感謝!


黒豆かてね、いっつもより大粒の、しかも北海道産!気絶しそう……。


けど、おせち売り場に売ってた、一握りぐらいの黒豆煮がどんだけ高かったか……と思いながら大鍋の中の黒豆をじぃ~っと見つめる。
こんだけの黒豆、売ったらどないに儲かるやろか……。
 
恭平のガールフレンドニーナちゃん、日本人のおかあさんのホームメイド餅をお土産に持ってきてくれた。
あ~この感触、やっぱ本物……うっとり……。


あ~よかった!実はこののしもち、あと一枚買おかどうしょうか、売り場の前で5分は立って迷てたけど、例年より2ドルも高なってて、涙を飲んであきらめたとこやったんで、この↑エキストラはかなり嬉しい。


バタバタとおせちと並行して蕎麦の準備開始。
今夜は家族以外に、あさこと息子達のガールフレンド、ほんで軍のブートキャンプを終えたカミーロ夫婦も加わる予定。
なので、蕎麦の具をなんにしよか悩んだけど、野菜と海老のかき揚げにすることにした。


うぎゃ~年越しが年またぎ蕎麦になってまうぅ~
なってまった←名古屋風。


まあ、かたいことは言わんと、これでも食べなはれ!


あさこの持ってきてくれたヴーヴクリコのシャンペンと、超ウマのチョコレートコーティングイチゴでお祝い!


恭平とみゆきちゃんがクラッカーでさらに派手にお祝いしてくれて、そこにコレも登場!さらに盛り上がる。
 

カミーロが熱く語る軍隊生活。
人それぞれの生き方考え方があるんやけど、それでもやっぱりわたしは思う。カミーロ、軍隊なんかやめてまえ。


カミーロ、あんたが人を殺したり人に殺されたりせなあかん状況に陥らんよう、わたしは強く強く祈ってる。
ほんであんたは、必ず生きて帰ってこなあかん。ハイロのためにも、あんたの家族のためにも、ほんでもちろんあんた自身のためにも。
そう念じて別れ際に彼をぎゅうっと抱きしめた。

みんながそれぞれの家や部屋に帰ってから、あさことあれこれ語ってたら3時になってもた……明日はもう朝無しやな。