ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

家買うてまんねん!

2008年08月05日 | お家狂想曲
50才を過ぎて生まれて初めて、しかも唐突に、家買うてまんねん。

プロフィール写真の家が、1階だけを使わせてもろてる借家。築180年。家賃は少々高いけど、大満足で8年間過ごしてきた。
旦那とわたし、新米鍼灸師とベテランピアノ講師は、二人の大学生の息子を抱える親として、貯金どころの話やなかった。
カードの借金がやっとこさ5千ドルを切り、それをしみじみ祝てたとこに、お金持ちの旦那パパから突然のオファーがきた。
『まとまったお金を融通したるから、それを頭金にして、せっかくの今のこの情勢が変わらんうちに家を買うたらどうや?』
びっくりしつつもウッヒョ~とばかりに大興奮!さっそく家探しを始めたわたし。
けど、そこには哀しくも大きな誤解が!
融通してもらえるお金には高めの金利がつき、毎月それを旦那パパに支払わなあかんのだって……。
ってことは、貯金の無いわたし達は結局、旦那パパからのお金も含めて丸々借金するってことで(ただでもらえると誤解する方が甘い?)、
そこに、ここらへん特有のジョークのような固定資産税(年1万ドル以上なんて全然珍しくない)の月割りも加わると、あかん……払えん…… 。
かなり盛り上がった後だけに、ものすごぉ~落ち込んだし、もうこんな状態でやっぱり家なんか買わん方がええやんと拗ねたりもしたけど、
それでもやっぱり今の金利の安さは見逃さん方がええで、という意見が多くて、
自分で自分を励ましつつ、ピアノ弾き特有の集中力&根気で検索を続行。

5万ドル単位で家の内容がはっきり違てくる。
検索する家の値段を下げていくにつれ、まざまざと見せつけられた現実……。
わたし達にはいろいろと条件(ピアノの部屋、旦那の診察室、息子のゲーム部屋←夜中にオタクボーイがかなりの人数集まる)があるから余計に難しい。

わたし達が賄える価格の家は、コンディションが悪いか、近所がヤバいかのどちらかになってしもて、それにめげずに検索するのはかなりの根性が必要。
広い砂地でなくした指輪を探すみたいに、モニター画面の家の査定価格付き航空写真を睨み、住所と雰囲気を確かめ、車で実際にそこまで行ってみる。
あれって意外と時間と体力がいる。やってみて初めて分かった。

それで、ようやくやっとの思いで見つけたステートセール(遺産として受け継がれた家のセール)の家。
100年前に建てられたまんまの、古き良き時代のアメリカがいっぱい残ってる、アンティークそのものの家。
物件はオークションにかけられていて、わたし達の出した金額は最高額では無かったけれど、持ち家を持たずに買う初心者ってのが良かったのか、売ってくれることになった。
やっぱり古いままの家だけあって、インスペクターに調べてもろたら、出てきた出てきた、めっちゃぎょうさん問題が……。
アスベスト(地下室)の完全撤去、地下に埋もれてるオイルタンクと、地面にデンと横たわってるもう1つのオイルタンクの撤去と土壌の浄化、許容電力の大幅な変更、ボイラーのクリーニングにガレージの建て替えetc。
なんぼなんでも、そういうのって売り手側の仕事ちゃう?ってんで、こちらの弁護士がインスペクターからの書類をもとに、向こうの弁護士に交渉してるのやけど、さてさてどうなることでしょうか。
こんな交渉の真っ最中でも、双方の弁護士さん達、しっかりバカンスに出かけちゃうねんからスゴいわ。もちろんその間交渉は中断
いやはや、すべてがはっきりして、家買いましてん!と過去形で言えるのは、いったいいつになるのやら……。