柳ジョージは、味のある歌手だった。
上手いというより、醸成された彼の声が、曲に魂を与えていた。
だから、よく聴いた。
柳ジョージの存在は昔から知っていたが、「これは」と思ったのは、萩原健一の「雷舞」というアルバムを聞いたときだ。
萩原健一のサポートメンバーの一人だったが、何といっても、そのソウルフルな歌声に、惹き込まれた。
ヴォーカルのバックにかぶさるだけの声だったが、申し訳ないが、萩原健一の声の存在をなくすほど、彼の声は、音に大きな彩りを与えていた。
柳ジョージの声と哀愁を含んだブルース・ギターに、ロックの魂を感じた。
それから、しばらくして柳ジョージとレイニーウッドの「雨に泣いている」がヒットした。
大きなホールで、コンサートができるようになった。
神奈川県民ホールのライブに行ったことがある。
武道館の解散コンサートにも行った。
ソロになってからは、武道館でのレイ・チャールズとの共演も観た。
渋谷公会堂でのライブにも行った。
新宿ヒルトン・ホテルでのXマス・ディナーショーには、ヨメと2年続けて行った。
こうして振り返ってみると、私のちっぽけな歴史の中で、柳ジョージが意外なほど大きな位置を占めていたことがわかる。
アルバムは、レイニー・ウッド時代のものは、「YOKOHAMA」、「Woman&I」、「武道館さよならライブ」。
ソロになってからは、「GEORGE」、「VACANCY」、「WILLOW’GATE」、「WILLOW’GATE Tour Live」とカバー・アルバム「グッド・タイムス」がパート1から3まで。
これらのアルバムは、ここ四、五年、本棚に眠ったままだ。
なぜかわからないが、ずっと聴かないでいた。
(私の場合、昔の歌を懐かしがって聴く趣味がないということもある)
そして、今も、聴きたくはない。
聴きたいという気が、湧いてこない。
訃報を聴いてから、尚さら聴きたくなくなった。
柳ジョージは、日本のロック・シーンに大きな一歩を残した人だと思う。
しかし、追悼はするが、亡くなったからと言って、必要以上に彼を持ち上げたりはしたくない。
おそらく、それは柳ジョージが、一番して欲しくないことだと思うからだ。
ソロになってすぐだったと思うが、意外なところで柳ジョージを見かけたことがある。
今は閉館してしまったようだが、「港区立麻布図書館」でだった。
調べ物を終えて外に出ようとしたら、見覚えのあるヒゲ面の男が入ってくるのが、見えた。
トレードマークのサングラスはしていなかったが、間違いなく柳ジョージだった。
そのとき、私は恐れ多くも「ああ、ジョーちゃん」と声をかけてしまったのである。
その無礼な私に向かって、柳ジョージは、「ああ、ごめん、ションベン漏れそうなんだ」と、片手で股間を指し、小さく何度も頭を下げて、トイレのある方に大股で歩いていった。
そのどこか剽軽な姿が、よかった。
「ションベン漏れそうなんだ」
そのしゃがれた声は、今でも耳に残っている。
ご冥福をお祈りする。
上手いというより、醸成された彼の声が、曲に魂を与えていた。
だから、よく聴いた。
柳ジョージの存在は昔から知っていたが、「これは」と思ったのは、萩原健一の「雷舞」というアルバムを聞いたときだ。
萩原健一のサポートメンバーの一人だったが、何といっても、そのソウルフルな歌声に、惹き込まれた。
ヴォーカルのバックにかぶさるだけの声だったが、申し訳ないが、萩原健一の声の存在をなくすほど、彼の声は、音に大きな彩りを与えていた。
柳ジョージの声と哀愁を含んだブルース・ギターに、ロックの魂を感じた。
それから、しばらくして柳ジョージとレイニーウッドの「雨に泣いている」がヒットした。
大きなホールで、コンサートができるようになった。
神奈川県民ホールのライブに行ったことがある。
武道館の解散コンサートにも行った。
ソロになってからは、武道館でのレイ・チャールズとの共演も観た。
渋谷公会堂でのライブにも行った。
新宿ヒルトン・ホテルでのXマス・ディナーショーには、ヨメと2年続けて行った。
こうして振り返ってみると、私のちっぽけな歴史の中で、柳ジョージが意外なほど大きな位置を占めていたことがわかる。
アルバムは、レイニー・ウッド時代のものは、「YOKOHAMA」、「Woman&I」、「武道館さよならライブ」。
ソロになってからは、「GEORGE」、「VACANCY」、「WILLOW’GATE」、「WILLOW’GATE Tour Live」とカバー・アルバム「グッド・タイムス」がパート1から3まで。
これらのアルバムは、ここ四、五年、本棚に眠ったままだ。
なぜかわからないが、ずっと聴かないでいた。
(私の場合、昔の歌を懐かしがって聴く趣味がないということもある)
そして、今も、聴きたくはない。
聴きたいという気が、湧いてこない。
訃報を聴いてから、尚さら聴きたくなくなった。
柳ジョージは、日本のロック・シーンに大きな一歩を残した人だと思う。
しかし、追悼はするが、亡くなったからと言って、必要以上に彼を持ち上げたりはしたくない。
おそらく、それは柳ジョージが、一番して欲しくないことだと思うからだ。
ソロになってすぐだったと思うが、意外なところで柳ジョージを見かけたことがある。
今は閉館してしまったようだが、「港区立麻布図書館」でだった。
調べ物を終えて外に出ようとしたら、見覚えのあるヒゲ面の男が入ってくるのが、見えた。
トレードマークのサングラスはしていなかったが、間違いなく柳ジョージだった。
そのとき、私は恐れ多くも「ああ、ジョーちゃん」と声をかけてしまったのである。
その無礼な私に向かって、柳ジョージは、「ああ、ごめん、ションベン漏れそうなんだ」と、片手で股間を指し、小さく何度も頭を下げて、トイレのある方に大股で歩いていった。
そのどこか剽軽な姿が、よかった。
「ションベン漏れそうなんだ」
そのしゃがれた声は、今でも耳に残っている。
ご冥福をお祈りする。
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