リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

アーちゃんとセキトリ

2018-04-22 05:36:00 | オヤジの日記

 我が家に、1年前、はなはだしいほどブス顔の猫が、やってきた。

 

私は7年以上前から、そのノラ猫とお友だちだったが、彼が家猫6段に昇段したのは1年前の2月21日からだった。

名前を「セキトリ」と言った。

セキトリは、堂々とした体格とおっとりした性格を持っていた。

セキトリは怒らない。猫パンチもしない。噛まない。爪も立てない。穏やかな顔で毛づくろいをするのをライフワークにしている平和な猫ちゃんだ。

だから、顔がブサイクのくせに、セキトリはいま家族全員の愛情をたっぷり受けて暮らしていた(いま我が家に居候中の娘のお友だちミーちゃんにも溺愛されていた)。

ノラ猫だった頃、セキトリは、「ニャー」とか「ニャゥ」と鳴いていた。

しかし、いまセキトリの鳴き声は「アワ」か「オワン」に変わった。

セキトリに何があったのだろう。

そもそも、猫が「アワ」「オワン」と鳴くことを神は許してくださるだろうか。

 

おまえ・・・本当に猫か?

姿形は猫であるが、実は未確認生物(UMA)だという可能性もある。

いつか「パンク町田先生」に聞いてみたいと思う。

セキトリとは週に1回、娘と3人で散歩をする習慣があった。

ノラ猫生活が長かったから、家にばかりいたらストレスがたまる。セキトリを家猫にするとき、たまには外に出すからさ、と私はセキトリと約束をした。約束は守らなければいけない。

ペット用のカート(ベビーカーの小型版)に入れて、マンションから徒歩8分程度の都営住宅の公園まで散歩する。

この公園は、いつも空いているので、怪しいUMAが侵入しても誰にも見つからない。

UMAセキトリには、好都合だ。

最初のうちは、ハーネスとリードで行動を制御していたが、セキトリは私から27.5フィート以上離れることがないので、今はリードなしで自由に行動させている。

 

そんなUMAとガイコツ、娘の散歩に、最近新たな登場人物として、カラスがエントリーしてきた。

ひと月ほど前の桜満開のころに、カラスが突然、我々に近づいてきたのだ。

ただ、相手も警戒心が強いので、2フィート以上は近づかない。2フィートが、彼のパーソナルスペースのようだ(彼か彼女かはわからないけど)。

セキトリも最初は警戒していたが、カラスが、それ以上近づこうとしないので、すぐに緊張を解いた。

セキトリは、鳴きもしないし威嚇もしない。カラスも鳴かない。ふたり、うまい具合に距離感を保って、お見合いをしていた。

そして、3分もするとカラスは飽きたのか、飛び立って行った。

 

それ以来、UMAとガイコツ、娘が公園散歩をしていると、毎回そのカラスらしい生物がセキトリに近づくようになった。

距離は2フィート。

カラスの顔は皆なぜか真っ黒で、判別しにくいものだが、距離感が同じなので、きっと同じカラスだと思う。

先週の散歩のとき、私は、セキトリにおやつの乾しカマをあげていた。

そのときに、またカラスが近づいてきた。

私は、イタズラ心を出して、余った乾しカマを手のひらにのせながら、カラスに近づいた。

娘からは、「おい! それは、やめようぜ」と言われたが、お茶目な私は構わず近づいた。

カラスは逃げはしなかったが、少し戸惑った様子で頭を左右に傾げ、私の顔を見上げて「アー」と鳴いた。

そのカラスが鳴くのを初めて聞いた。

「カー」じゃなくて「アー」と鳴くんだね、キミは。

しかし、無理だよね。野生のカラスがガイコツの差し出す食べ物なんか食うわけないよね。

そう思っていたら、カラスがまた「アー」と小さく鳴いて、私の手の上にあった乾しカマをクチバシでつついて地面に落とした。

そして、それを咥え、またたく間に空に向かって飛んでいった。

きっと人に見られないところで、食うつもりだろう。それがカラスの本能なのかもしれない。

 

アーちゃん、飛んでっちゃったな。

私が、そう言うと娘が「相変わらず、痛々しいな、おまえ」と尊敬するように言った。

 

木曜日の朝、得意先に行こうと国立駅までの道を歩いていた。

そのときは、たまたま娘の出勤時間と同じだったので、同じ時間に出た。

国立駅前、旭通りの歩道は狭い。

その狭い通りで、突然カラスが我々の前に降り立った。

まさか「アーちゃん」じゃないよな。

しかし、距離感2フィートでカラスは止まったのだ。そして、控えめに「アー」。

そうでちゅか。アーちゃんでちゅか(なぜ赤ちゃんコトバ?)。

そのとき、偶然にも、私のバッグには、小腹が空いたときに食おうと思った魚肉ソーセージが存在していた。

咄嗟に私は、その魚肉ソーセージを半分に折って、アーちゃんに手を差し出した。

アーちゃんは、それをつついて地面に落とした。

アーちゃんは、「ありがとう」と言うように、小さく頭を下げて、半分の魚肉ソーセージを咥え、飛び立って行った。

 

カラスに餌をあげるなんて非常識だ、という批難に対して、私は、あれは私によく似た他人です。声も似ていますが違います。だから、あれは私ではございません。セクハラなんかしていません、と答えることにする。

 

半分残った魚肉ソーセージは、国立の美観の邪魔になるので、ティッシュにくるんでバッグに入れた。

打ち合わせを終えて、昼過ぎに家に帰った。

バッグの中に半分魚肉ソーセージがあったのを思い出した私は、魚肉ソーセージを一度湯がいたのち氷水に入れて冷まし、塩分を落としてから細かくちぎって、セキトリにあげた。

セキトリは、いい食いつきで食ってくれた。

 

セキトリ、君は、アーちゃんと友だちになったな。よかったな。

 

そのことを仕事から帰ってきた娘に、クリアアサヒを飲みながら話したら、「おまえ、最近、脳が崩壊してきたな、お酒、いい加減やめた方がいいぞ」と褒められた。

 

 

いえいえ、脳alcohol  脳life ですから。

  

セキトリの今の姿。顔はお見せできません。刺激が強すぎるので。

 

今度、アーちゃんとセキトリのツーショットに挑戦してみようかと・・・。


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