リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

安売りの歌姫はいらない

2011-10-17 09:49:30 | オヤジの日記
昨今は、少し有名になると、女性歌手は「歌姫」という称号を得る。

女性が歌っているのだから、「姫」なんだと言われればそれまでだが、何となく「歌姫」の安売りのようにも思える。

外国でも、「DIVA」だらけなんだろうか。

よくわからないところだ。


私は、リスペクトする女性歌手を「歌姫」とは呼ばない。

「女王」と呼ぶ。

たとえば、「POPSの女王」は、安室奈美恵だ。
「R&Bの女王」が、MISIA。
「歌魂(うたたま)の女王」が、COCCOと元ちとせ。
「自作自演の女王」が、宇多田ヒカル。

この話を人にすると、「なんじゃ、そりゃ! 女王って、美空ひばりじゃ、あるまいし」と必ず馬鹿にされるのだが、歌手ご本人を冒涜しているわけではないから、いいだろう、と私は思っている。

ただ、呼び方を変えただけじゃないか、と言われたら、ごもっともです、と答えるしかないが。


先日、数年ぶりにCDショップに行ったら、「歌姫コーナー」というのがあった。

セリーヌ・ディオン、ホィットニー・ヒューストン、マドンナ、ビヨンセ、テイラー・スイフト、レディ・ガガなどの洋楽とともに、日本の歌手のコーナーもあった。

予想通り、宇多田ヒカル、安室奈美恵、MISIA、Superfly、倖田來未、中島美嘉、浜崎あゆみがあった。
だが、そのほかに、山口百恵、松田聖子、中森明菜、岩崎宏美、広瀬香美、綾戸智絵、中島みゆき、和田アキ子などがあった。


歌姫の大安売りだ。


クラス全員が百点を取ったら、百点のありがたみがない。


ただ、その中に本田美奈子の名前を見つけたときには、妙に納得してしまった。

亡くなったから言うわけではないが、命の火を燃やしながら、そして燃やし尽くして歌い続けた彼女こそ「歌姫」の称号にふさわしい歌手ではないか、と思ったのだ。

正直のところ本田美奈子さんのCDは、持っていないし、聴いたことがない。

しかし、以前、NHK教育テレビだったか、衛星放送だったかは忘れたが、「レ・ミゼラブル」というミュージカルを放映していたのをたまたま観たことがある。

テレビをザッピングしていて、偶然たどり着いたという状態だったから、いつでもチャンネルを変えることができるよう、右手にリモコンを握り締めながら、観た。

すぐにチャンネルを変えるつもりだったが、本田美奈子さんの演技に魅せられて、結局最後まで観てしまった。

それほど素晴らしい演技だった。

華奢な体で、声を振り絞り、時に感情を抑え、体全体を使って表現する姿には、「歌の神」が宿っているような気がした。

そのとき、ああ、この人は「ミュージカルの女王」だと思った(他のミュージカルは観たことないが)。
あるいは、この人こそ「歌姫」だ、と確信した。


その印象が強すぎたため、その印象を消さないためにも、私は歌手・本田美奈子の歌を真面目に聴いたことがない。
おそらく、これからも聴くことはないだろう。


ただ、一度しか聴かなくても、あれほど歌に圧倒されたのは、初めてである。

私は、そのときの感動を大事にしたいと思う。
本当の「歌姫」の存在を忘れないでいようと思う。


だから、安売りの「歌姫」は、私にはいらない。





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