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金正恩、北京に特使を派遣(1)

2013-05-24 | ラジオ
北朝鮮の若き指導者金正恩第一書記には、中国新指導部の支援が早急に必要なようだ。習近平氏への政権交代後初めて、北朝鮮からの使節団が北京に送られた。
現在北京を北朝鮮の軍高官、外交官、党役員が訪れている。団長を務めているのは北朝鮮の指折りの実力者、朝鮮人民軍の総政治局長、チェ・リョンヘ氏だ。
リョンヘ氏は金正恩第一書記が公に姿を現すときには必ず傍に控えている、いわば第一書記の最側近だ。中国新指導部への最初の代表団の団長として、この人物が選ばれたことは、至極妥当なことだと言える。

ですがここにはさらなる深読みが可能だ、と語るのは、ロシア人専門家アスモロフ氏だ。
「この人物は北朝鮮の階級構造の中で、国防大臣よりも高い位置を占めている。そうしてみれば、この人物が派遣されるということは、相当重要なシグナルだ。軍事優先の政治が継続中であることに鑑みれば、国内第2、第3の人物が中国を訪れているといっても過言ではない。ですから疑いもなく、今回の訪問は良いシグナルであると、見なさなければならない」
アスモロフ氏のコメントを紹介した。

金正恩第一書記は国内における自らの立場を強化しなければならず、軍および政治機構の最上層部により強固な基盤を築かなければならない。
他でもないこの人物、すなわちリョンヘ氏を北京に派遣し、中国の新たな指導者たちと握手させることで、自らの権威を高める狙いがあるのかもしれない。
リョンヘ氏は、北京に送られる北朝鮮の代表者としては、破格に高い位階の人物だ。外交的な効果は高いだろうし、明らかに金正恩氏もそれを見込んでいる。
ミサイル核開発を進め、国連安保理決議を破ったことで、北朝鮮は今後ますます、世界の片隅へと追いやられていく。外国訪問は悉くキャンセルされ、世界との連絡がますます希薄化し、いまやスポーツ交流が唯一の絆となっている。
今回、金正恩第一書記の特使としてリョンヘ氏が北京を訪問するというのは、事実上、平壌にとって初めての、ハイレベル国際交流となるのだ。

金正恩、北京に特使を派遣(2)へ続く

北朝鮮は何を考えているのか―金体制の論理を読み解く
クリエーター情報なし
NHK出版

5月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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