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障害者に優しい街となるソチ

2011-01-19 | ラジオ
2014年の冬季オリンピックおよびパラリンピックの開催地となる、黒海沿岸のソチを身体に障害を持つ人々にとって最も快適な都市にするため、ロシア政府は18億ルーブル、およそ54億円を拠出する。
ソチにはロシアでも最も新しい規準のバリアフリー環境が整えられることになる。

ソチのパホモフ市長は輸送サービス分野での障害者施策を国際基準に合致させるため、ソチには多くのことが求められていると指摘している。
「我々が定めた主要な目的は使用しやすいインフラ整備、アクセスしやすい輸送サービス、快適な場所を保障しボリショイ・ソチ全体でバリアフリーを実現することだ」
市長は、このように話している。

現在ソチ全土でオリンピック関連施設の建設が進められているが、市長によるとすべての建物、すべての施設が障害者にとって最大限に使いやすいよう設計されているという。
また市長は古い建築物を修復する際にも、障害者施策に専門家らを招き、対策を講じていると話している。
「特別な設計グループを創設した。メンバーは19人で、バリアフリー設計を担当する。この設計グループはすべての機関に課題を与え、オリンピックの実行に際する管理を行う。すでに多くの部分で変化が起きているが、2011年の夏までにはかなりの発展を遂げているだろう。
新たに生まれる建物は障害者たちにとって快適な暮らしと移動手段が保障されており、傍には駐車場も完備される。
ソチではすでにあちこちで特別な標識が設置され、公共交通機関の停留所が作り直され、また車椅子で移動する人々がより快適に乗り降りできるよう昇降口が低くなったバスが走り、必要な場所にはスロープが設けられている。また商業機関の間ではバリアフリー設計のコンクールも行われている」

ソチのパホモフ市長は、オリンピックとパラリンピック開催に向け、インフラが整備されることによって、ソチは障害者にとっても1年間をいつでも快適に過ごすことができるリゾート地となる可能性があると指摘している。

しかしこのことは全てのソチ市民、ソチを訪れる人々にとっても重要なことだと市長は述べている。
「ソチには車椅子生活を余儀なくされている障害者が400人以上、視覚障害者が500人以上、聴覚障害者はおよそ300人いる。また障害を抱える子供の数は1000人に上っている」

市長はバリアフリーだけでなく、ヒューマンな環境が作られて初めて、都市は障害者たちに優しいものになると語っている。つまり必要なのは、障害を持つ人々を理解し、いつでも彼らに手を差し伸べることができる社会を作ることだ。人間の精神力の強さを見せつけるパラリンピックは、障害者に対する人々の態度を変えるものとなることだろう。

障害者は、いま (岩波新書)

大野 智也
岩波書店


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2010年12月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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